この作品のレビュー
平均 3.5 (5件のレビュー)
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図書館で。正月休みに読もうかと借りてきてようやく読み終わりました。長かった(笑)
佐藤愛子の父、佐藤洽六が愛子の母シナに出会うところから始まり一族の今までの長い長いお話でした。それにしてもまあ恋に落…ちるのは仕方ないかもしれませんが洽六さんの始末のつけ方は中々最悪ですなぁ。そりゃあ息子たちもぐれて仕方ないのかもしれない。まあでもそんな子供の時のことを20過ぎてもグダグダ言ってても仕方ないし自分の人生を考えなきゃ自分が損をすると思うのですがなまじっかお金があって、厄介ごとを起こしてもすべて金で解決、もしくは自分で解決させず人を使って解決させる、では成長がないのも仕方ないのかもしれません。
そして佐藤の男どもが押しなべてグダグダしているのに対し女性はアホかってくらい男に引っ付いて離れないのも不思議。今の世の中なら普通に離婚しているだろうなぁ。大体愛子さんからしてなんで亭主が来るとボンボン金を与えてたんだろう?そのあたり洽六氏が激怒しつつも最終的には面倒くさくなって息子に金を出し、それに味を占めた息子どもがますます増長するという構図そのままだと思うんですけどね
サトウハチロー氏もなかなかにすごい人間にかかれてました。擁護するわけではないですが創作をする人間はけして事実だけを書くわけじゃないのだから人々が懐かしむような、美しいと思うような言葉を紡ぐのは当たり前かなぁと思います。まあ確かに手の付けられないような不良息子が母や父を慕う切ない詩を読むときれいごと言ってら、という身内の気分は非常によくわかりますが(笑)
そして4男坊は父からのお金が届かなくて自殺、とありますがよくよく考えるとこれもちょっと変ですよね。だって19とは言え所帯を持った人間が親からの仕送りがないと食っていけないって…だったら結婚するなよ、自活しろ、と思ったりもするわけで。面倒ごとを押し付けるためにヨメを探して結婚させて何かあると○○はどうしてるって息巻いてもねえ…。
時代がそういう時代だったんだろうなあとしか言いようがないのですが…イヤな時代だな。
というわけで女性が自活出来て結婚しなくても生きていける時代というのはありがたいなぁと思うのです。ああ、本当にバカな男に引っかかると大変だなぁ…としみじみ思いました。続きを読む投稿日:2016.01.17
サトーハチローといえば、「リンゴの唄」や「小さい秋みつけた」など童謡作家として超有名。小さいころみんなの歌をテレビでみると、毎度「サトーハチロー」の文字を見かけたような。
そんなサトーハチローの異母…妹である佐藤愛子が描く佐藤家のハチャメチャぶりが本書のメインストーリである。その話題の中心は父である佐藤紅緑とその後妻である「シナ」である。佐藤愛子からみてら父と母である。紅緑の生活はある意味ぶっ飛んでいる。妻や女はとっかえひっかえ、子どもはほったらかし。その子供たちは親に輪をかけてぶっ飛んでいる。妻や女はとっかえひっかえ、子どもはほったらかし、に加え、お金は親にせびりまくりときた。
紅緑はだから書いて書いて書きまくって稼いだ。サトーハチローは金のために書いたのか、あふれ出る詩心を留め置いたのか、兎に角書いて書いて書きまくった。佐藤愛子は生活のために書き始めたところ、意外と書けるということでこれまた書いて書いて書きくった。
しかし佐藤家である。このやんちゃぶりというか乱脈ぶりはどう見ても血脈である。そしてシナである。血脈と対峙するわけでもない、しかし受け入れるわけでもない。ずっと外側から眺めている、でも頼られれば用立てる。紅緑とシナの関係、継子との関係が本物語の主要テーマである、
そしてシナや愛子はそこをどのように乗り越えていくのか。やんちゃ、ハチャメチャを書き連ねているだけなのか、小説として成立しているのか。いや、話としては面白い。しかしホントだったら生活していくのは辛い。
作者である愛子が、愛子を客観的に見て記述している、しかも手抜きやひいき目がない、そこは非常に面白い。そして最後に生き残っていくのが愛子であるところもまた「小説として」面白い。
そしてそしてあの童謡作家がこの血脈!という意外性が最高に面白いのだ。数多くの校歌の製作工程が面白いのだ!続きを読む投稿日:2018.03.17
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