ニッポンの裁判
瀬木比呂志(著)
/講談社現代新書
作品情報
冤罪連発の刑事訴訟、人権無視の国策捜査、政治家や権力におもねる名誉毀損訴訟、すべては予定調和の原発訴訟、住民や国民の権利など一顧だにしない住民訴訟、嗚呼(ああ)! 日本の裁判はかくも凄まじく劣化していた…。ベストセラー『絶望の裁判所』の瀬木比呂志教授が、中世なみの「ニッポンの裁判」の真相と深層を徹底的に暴く衝撃作! 裁判の「表裏」を知り抜いた元エリート裁判官による前代未聞の判例解説に法曹界騒然! (講談社現代新書)
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商品情報
- シリーズ
- ニッポンの裁判
- 著者
- 瀬木比呂志
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2015.01.15
- Reader Store発売日
- 2015.01.16
- ファイルサイズ
- 1MB
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この作品のレビュー
平均 3.8 (22件のレビュー)
-
司法崩壊のリアル
日本の司法制度における様々な問題点を、元裁判官の視点から炙りだし、各メディア大反響の前作『絶望の裁判所』の姉妹編。
本書はさらに、日本の裁判そのものの病理を暴きだす衝撃的な著書となっている。
ごく一…般的な人たちの、司法に対してのイメージはどのようなものだろうか?
「清廉潔白」「公平中立」「正義の実現」「権力の監視」。私も、漠然とこのような印象を持っていた。
例えば、国家による犯罪であり殺人である冤罪の章では、袴田事件や恵庭OL殺人事件の真相に迫り、裁判官が自らの心証によって、いくらでも恣意的に事実をねじ曲げ、冤罪判決に至る過程を詳細に分析している。
先頃、話題になった福井地裁による高浜原発の運転差し止めの仮処分は記憶に新しいが、こうした判決は極めて稀有な判例に過ぎず、ほとんどの原発訴訟は棄却または敗訴となっている。
全国的なこの傾向は、最高裁事務総局からの圧力があることを、協議会の実態も交えて記している。
各級裁判官を独善的にコントロールし、国家権力に寄り添う全体主義的な司法の体質は、行政訴訟や国家賠償請求訴訟などでも見られ、“司法ムラ”にとっては、いかにも不都合な真実が次々とつまびらかにされるもののの、本書はそれだけではない。
官僚的なキャリアシステムを変え、法曹一元化による司法制度改革の必要性と、マスコミの報道の在り方、そして私たち国民による司法の監視など、絶望的な危機感から発せられた提言は、痛々しいほどの説得力がある。
これまで抱いていたイメージがいとも簡単に裏切られ、覆されるのは、人々がいかに司法への関心、および公正な批判を怠ってきたかという、ひとつの証左かも知れない。
本書のような批判に対して黙して語らず、自浄作用も働かないようでは、日本の裁判は深い闇に閉ざされていると言わざるを得ない。
最後に、あとがきに引用されていたボブ・ディランの言葉を引いて、書評の末尾としたい。
「つまり我々の誰からも声が上がらなかったら、何も起こらず、(人々の)期待を裏切る結果になってしまう。特に問題なのは、権力を持った者の沈黙による『裏切り』。彼らは、何が実際起きているかを見ることさえ拒否している」続きを読む投稿日:2015.08.15
-
『絶望の裁判所』に続き、日本の裁判所をめぐるシステムについて、その事実がいかに悲観的かがよくわかる。
相変わらず読むとどんよりした気分になります。
そんな中、少しばかり参考になったのは、第3章の『3 …あなたが裁判員となった場合には……』の以下の記述。
-----引用------
いずれにせよ、陪審制が実現する前にあなたが裁判員に選任された場合には、本章や『絶望』(68頁以下、145頁以下)の記述を思いだし、裁判官たちの人柄をよく見極めて安易に彼らの意見に誘導されないように注意し、くれぐれも、罪なき人に有罪判決を下す結果にならないよう、臆せずに自己の意見を述べ、信じるところを貫き、他の裁判員たちをも説得していただきたい。現在の刑事系裁判官たちが若手を養成するに際して重きを置いている一番のポイントが「にこやかな説得の技術」であることも、頭に入れておいていただきたい。
-------------続きを読む投稿日:2023.11.28
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