翔ぶが如く(二)
司馬遼太郎(著)
/文春文庫
この作品のレビュー
平均 3.6 (49件のレビュー)
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【あらすじ】
西郷隆盛と大久保利通―ともに薩摩に生をうけ、維新の立役者となり、そして今や新政府の領袖である二人は、年来の友誼を捨て、征韓論をめぐり、鋭く対立した。
西郷=征韓論派、大久保=反征韓論派の…激突は、政府を崩壊させ、日本中を大混乱におとしいれた。
事態の収拾を誤ることがあれば、この国は一気に滅ぶであろう…。
【内容まとめ】
1.もはや西郷vs大久保の一騎打ち。誰も間に入れない。
2.公卿はこの2人の前では無能
3.明治初期の時代、薩摩隼人がヤバすぎる。能力が高すぎる
【感想】
この時代において、薩摩隼人の影響力の高さは半端がない。
そしてその勇ましさはもはや野人。怖すぎる・・・
そして、桐野利秋や島津久光のせいなど色んな説や理由があるだろうが、維新後の西郷隆盛の没落っぷりは見るに堪えないな・・・
幕末のあの素晴らしさは一体ドコにいってしまったのか。
大御所だからか、大久保以外は直接物を申せないところもキツイな。
西郷は決してそうではないが、やはりトップになると周りの影響でこうも愚鈍になってしまうのだろう。
自分がトップになることは中々ないと思うが、このようにならずに常に周りが見えないといけないと思った。
【引用】
p70
西郷の金銭観に触れておくと、彼は若い頃に郡方の下っ端の書記をしていただけに算盤が達者で暗算も上手だった。
京都での奔走当時も藩費を使った場合は必ず算盤を入れ、残金を明瞭にしておいた。
しかし自分の俸給となると、全部散じてしまうというところがあったし、勘定もしなかった。
p206
この男は、天寿を全うするなどはまったく考えていない。
幕末、ずいぶん人を斬ったかわりに俺もどこかで死ぬと覚悟していた。
桐野は、「自分は死ぬべき時と場所に死ぬことができぬやつだ。」
「西郷老人のみが自分に死所をみつけてくれる。」と言っていた。
p212
大久保について、触れる。
要するに彼の道楽は、国家を改造するというその仕事以外になかったと言っていい。
p217
大久保は大地にしがみついても参議になぞなるまいと肚を決めていた。
なって廟堂(びょうどう)に登った場合、西郷と血みどろの戦いになることが分かっていたし、島津久光の勢力を敵に回す事も明らかであった。しかも勝つ見込みは僅かしかない。
たとえ勝っても、西郷配下の桐野らがクーデターを決行して自分を殺し、あくまでもその策を貫くだろうと思っていた。
桜田門外の井伊直弼の二の舞ではないか。
p248
薩摩にあっては、侍が侍がましくなるには二つのことだけが必要だとされていた。
死ぬべき時に死ぬ事と、敵に対しては人間としてのいたわりや優しさを持ちつつも、闘争に至ればこれをあくまでも倒す。
たとえ無学であっても薩摩では少しも不名誉にはならない。
爽やかな人格でないという事が、薩摩にあっては極端な不名誉なのである。続きを読む投稿日:2017.12.18
西郷隆盛の征韓論を軸に渦巻く人間模様が丁寧に描かれており、まるでその時代にいるかのような気持ちになる。
ここからの展開が楽しみになる二巻であった。投稿日:2024.02.27
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