流星 お市の方(上)
永井路子(著)
/文春文庫
作品情報
激動の戦国時代、織田信長という風雲児の妹として生まれたがために、あるいは、その比類なき美貌ゆえに、お市の方は激しく厳しい運命を生きる。近隣の国々を切り従え、天下統一を狙う兄・信長と、その兄と対決せざるを得ない最愛の夫・浅井長政。日々激化する抗争の狭間に身を置いて、お市の方は苦難に満ちた生涯を送るのであった――。
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商品情報
- シリーズ
- 流星 お市の方
- 著者
- 永井路子
- 出版社
- 文藝春秋
- 掲載誌・レーベル
- 文春文庫
- 書籍発売日
- 2014.10.03
- Reader Store発売日
- 2014.10.03
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 345ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 3.8 (19件のレビュー)
-
お仕事ゆえの悲哀というのもある
戦国時代の姫君といえば、政略結婚を強いられ、実家と婚家の間で翻弄される悲しい存在。
が、永井路子はそれとは異なる戦国の姫君像を提示した。それが「女性外交官」というもの。
あくまで実家側に属し、あるとき…は友好の使者として、またあるときはスパイとして働く、
能動的で主体的な存在。
作者は姫君たちについてこんなふうに語る。
今の常識から言えば、彼女たちはたしかに孤独だ。
が、それに行き過ぎた同情をしめすのは、決して歴史的な理解とはいえない。
結婚が夫婦の合意に基づき、一つの単位、一つの原点とみなされるようになるのは
近代社会がはじまってからのことなのだから。
なるほど、そう言われればそうなのかもしれない。だが・・・
それにしては、永井路子の描くお市はあまりに切なく、苦しい。
外交官なのだろう、仕事をしているのだろう、
でも、全然割り切れていないではないか。
兄と夫の間で耐えがたい苦しみを味わっているではないか・・・?
これは「仕事」なのか・・・?
初めて読んだ頃は、何だか不思議な感じがした。
が、社会人になってみたら、感じ方が変わった。
「仕事」というのは決して無機質なものではない。
仕事を通していろいろな人々に出会う。人間関係が生まれる。
だが、あくまで自分の職務に応じた接し方をしなければならない。
そこに葛藤が生まれる。泣きたくても泣けないこともある。
「仕事」の中で、お市は自分の感情に「誇りをかけた抑制」を繰り返す。
それがうまくできなくて自己嫌悪を感じたりもする。
今なら、なんかわかる。それが、「仕事」というものだ。
そうか、永井路子が描こうとしたのはこういうことだったのか。
なんというか、巧いな。
「同情するな」なんて作者に言われると、余計に悲哀を感じるではないか。
この作品より後、姫君たちを「女性外交官」として見る本も多く出た。
(特に大河ドラマ”江”の頃)
だが、少々割り切りすぎているものも多く、違和感を感じた。
仕事って感情でやっちゃいけないけど、仕事だから感情がないというわけでもない。
やはり本書の描く「お仕事ゆえのつらさ」というのは、
女性だけでなく、仕事の中でいろいろな悲哀を感じることのある男女にとって魅力のあるものではないかと思う。
ある意味、歴史小説というより、現代小説のようにも感じる。続きを読む投稿日:2014.11.18
-
けっして道具ではなかった
戦国の世に生まれた女はお家の為、政略結婚という形で他家に嫁いでいくのか
と思っていましたが、そうではなかった。
お家の為、あくまでもお家の代表として外交のような働きをしていたんだな。
織田信長の妹と…して生まれ、浅井長政と結婚。
織田と浅井の友好関係が崩れ姉川の戦いで浅井敗北。
その後、柴田勝家と再婚。この再婚もお市は織田の家を守るため
憎き秀吉を討つことができるであろう勝家との再婚を決めたようです。
戦国の女として戦っていたんですね。
勝家が賤ヶ岳の戦いで秀吉に敗北し、勝家と共に自害。
お市は自分の戦いも敗北したと考えたようですね。
武将側からの作品は多いけど妻側からの作品はなかなかありません。
この作品は今まで知らなかった部分がわかったような気がします。
続きを読む投稿日:2015.04.10
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