この作品のレビュー
平均 3.4 (13件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
「ロックの歴史」というより「ロックのルーツ」というべき本なのかもしれない。
レビューの続きを読む
本書では「ロックンロール」という言葉のルーツから紹介されている。なんでもトリキシー・スミスというシンガーが歌っていた「マイ・ベイビー・ロックス・ミー・ウィズ・ワン・ステディ・ロール」という曲を当時の人気のDJアラン・フリートという人が命名したのが原点だそうで、「ロックンロール」のルーツは、アメリカのブラック・ミュージックにあるのだそうだ。
当然この時代を知らず、感覚的にロックに入った我々世代には、ロックンロールとブラックミュージックは結び付かない。
ロックンロールと聞けば、ツェッペリンの「ロック・アンド・ロール」が連想されてしまうのだが、本書で扱う情報はほとんどツエッペリン以前という感じだ。
後付けで時折耳にすることのある「ロック・アラウンド・ザ・クロック」や「ハートブレイク・ホテル」などがロックの原点的な曲であることはそれとなく感じていたものの、それらがイギリスに上陸してイギリスに音楽的な影響を与え、独自のロックが生まれていき、それがブリティッシュロックを生み出していったという流れについては今回理解できた。
特に70年代、80年代のハードロックに馴染み深い世代としては、「ブリティッシュロック」というワードをよく使っていたので、英国こそがロックの震源地であると思っていた。
ビートルズやローリグストーンズも、リアルタイムではなく、中学生、高校生になってから後追いで興味を持ち始めた世代である。当時、クラスの中には洋楽好きの中にも、ビートルズ派、ストーンズ派があったように思う。兄貴がいるちょっと渋い奴は、ストーンズを語っていたように思う(笑)。
米国から上陸したロックンロールからスキッフルと呼ばれる英国独自の音楽が生まれ、そこからビートルズというブリティッシュロックの第一種が生まれ、一方おなじく米国から上陸したジャズやブルースの音楽性を追求するなかからモッズサウンドというものが生まれ、そこからストーンズという第二種が生まれたようである。
ビートルズのジョン・レノンも、ジョージ・ハリスンも、リンゴ・スターも皆スキッフルバンドの出身であったようだ。
そういう意味では、スキッフルバンドの元祖ロニードネガンをブリティッシュ・ロックのルーツとする説があるようである。
もう一つの特徴は、ギター・ヒーローの流れである。1950年代にブームを巻き起こしたクリス・リチャード&シャドウズのギタリスト=ハンク・マーヴィンやブルースギタリスト=マディ・ウォーターズの影響力が大きかったようだ。
ヤードバーズが生んだ三大ギタリスト、エリック・クラプト、ジェフ・ベック、ジミー・ペイジはそれぞれに彼らの強い影響を受けている。
ヤードバーズ出身の三大ギタリストが、ブリティッシュロックを渓流から大河へと展開していく大きな役割を果たしたことを考えると、このギターヒーローの流れというのは、ブリティッシュロックを特長づける大きな柱であるように思える。
そうした意味からか、自身としては、ヤードバーズがブリティシュロックの原点ではないかと思ってきたが、著者はまた少し違った観点で、ヤードバーズを原点と捉えているようであった。
すなわち、本物のブルースを追求するエリック・クラプトンは、結局ヤードバーズでは「ブルースもどき」と思えるものしか実現できなかったと回想しているが、このブルースもどきこそが、実は英国でうまれた英国独自のロックだったのではないかという分析である。
ロックのルーツ、特にブリティッシュロックのルーツを理屈づけた書籍ではあるが、ここから派生していく大河の歴史はなかなか簡単に語り切れるボリュームではないだろう。いずれ70年代、80年代へとつながる歴史を著者には語っていただきたいと願う。投稿日:2021.07.22
ロックのイギリスとアメリカの間の変遷と、その時々のアーティストをピックアップしながら説明する本。普通はエルビスプレスリーやビートルズを話の筋にしていくところを、その周辺の名アーティストに焦点を当ててい…く。続きを読む
投稿日:2022.03.18
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。