習近平と中国の終焉
富坂聰(著)
/角川SSC新書
作品情報
「このまま深刻化すれば党も国も滅びる」。2012年11月、こう発言したのは総書記の座に就いて2日後の習近平だった。中国の国内情勢はきわめて危険な状態にある。抗議デモが年間30万件も発生し、中国共産党はその収束に追われている。原因は3つ。「格差」と「権力者の腐敗」、そして、同じ共産党指導部にいた「薄煕来(はくきらい)」がこれら不公平感への処し方を人民に示してしまったことである――。これら3つの原因に焦点を当てながら、習近平時代の中国社会の内実を記す。日本の報道では見えてこない中国インサイドレポート。
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商品情報
- シリーズ
- 習近平と中国の終焉
- 著者
- 富坂聰
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川SSC新書
- 書籍発売日
- 2013.01.01
- Reader Store発売日
- 2014.08.29
- ファイルサイズ
- 0.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.9 (12件のレビュー)
-
最近、中国のニュースがTVや新聞で報道されることが多いが、近現代の中国を知らないので何冊かの本を読んでいる。その中の一冊。
習近平体制が明確になり、中国のことを勉強しようと読んだ本。薄熙来事件と文化…大革命の関係は明確だ。
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文化大革命は、そもそもは権力回復を狙った毛沢東が1966年に始めた大衆運動をいうが、当時を知るものにとっては死者3000万人以上とも言われる暗黒時代の記憶でしかない。毛は反資本主義、反ブルジョアのもとで社会主義文化の創生を訴え共産党幹部や知識人を批判したが、これに呼応した学生らが紅衛兵と呼ばれる実行部隊を組織して暴力で人民の思想統制に乗り出すという暴走を生んだ。(中略)現在50代、60代という共産党幹部たちにとって、あるいは70歳以上の長老たちにとっても、文革は実体験として体に刻み込まれている忌まわしき記憶である。
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焦った薄熙来の行動は、毛沢東のころの文革をほうふつさせた。それを快く思わなかった人が多かったということだろう。一方で、民衆は格差社会が明確になる中、毛沢東時代を比較対象とした。そこに歴史のジレンマがある。
習近平がトップに選ばれた4つの理由は、それほど珍しいことは書いていない。経験があって、引っ張ってくれる長老がいて、かつ、誰もが反対しない人物であったということ。つまり、圧倒的なリーダーシップではないということ。これが、今後の中国の問題にも繋がるだろうというのが著者の見方に思える。
一方で、習近平が臨むのは、格差が大きくなる一方で、民衆が意思を持ち始めた中国だ。中国のタクシー運転手の話しが時代を象徴している。助手席に放り出された水筒を指差し、「80年代はどの運転手もこの中にお茶を入れていた。90年代の終わりごろにはコーヒーを入れるようになった。2000年を超えてからは同じコーヒーを入れてはいるが、それは薬になった。喉が渇くから飲むのではなく、眠さを吹き飛ばすために飲むものになったのだ」と。中国の格差社会は実社会で顕在化している。
最後の、「胡耀邦が党中央に残したもの」という章も興味深かった。鄧小平以後の中国共産党は、基本的には鄧小平という偉大なカリスマの敷いたレールの上を進むしかなかったが、そこに隠された伏線として胡耀邦の残した「ねじれ」があるというのだ。それは、胡耀邦と人民の距離感といえると思う。社会資本主義という体制の中、格差が顕在化してきた共産党と人民の距離。やはり、ここにも歴史のジレンマがある。続きを読む投稿日:2013.03.17
恥ずかしながら中国の政権については何も知らなかったので、最近の中国の政権事情、中国内での政府の扱い、権力図などが簡潔にまとめてある本書は非常に役立った。意思決定機関(今の権力者とその周辺)のその時の方…針に合い、かつ親に問題がないことが起用されるには重要らしい。運に恵まれて、消極人事でのし上がった習近平である。2012年に著者は、彼は何もできないであろうと予想したが、4年経った今、習近平の例えば南シナ海への圧力などは予想以上ではなかろうか。これが民意に応えるということなのか?ハクキライの失脚についても勉強になった。続きを読む
投稿日:2017.02.27
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