戦前日本の安全保障
川田稔(著)
/講談社現代新書
作品情報
日露同盟か、日米提携か、集団的相互安全保障か、それとも――。第一次世界大戦以降、日英同盟が空洞化し、中国をめぐる欧米との軋轢が進むなか指導者たちが描いた外交構想とは? 山県有朋、原敬、浜口雄幸、永田鉄山という大戦間期を代表する4人の世界戦略を読み解く。現代の安全保障を考える際の手がかりとなる一冊。(講談社現代新書)
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 戦前日本の安全保障
- 著者
- 川田稔
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2013.01.20
- Reader Store発売日
- 2014.08.22
- ファイルサイズ
- 2.6MB
- ページ数
- 296ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.0 (6件のレビュー)
-
戦前、特に両大戦間期の日本の安全保障構想はどうだったかってのを山県有朋、原敬、浜口雄幸、永田鉄山の四人をあげて検討する。
全体の説明がくどいぐらいのところがあって、そこはおつむのそんなよくないおれには…理解するのにありがたい。
明治末の山県有朋は欧米列強による中国分割を避けて保全しつつ、日本の影響化におこうと目論んでいた。また、日英同盟が空洞化し日米関係が悪化するにつれて日露同盟の道を模索する。1916年の第四次日露協約では開戦した場合の軍事援助の密約があった。しかしロシア革命で帝政ロシアが崩壊し、日露協約は破棄され密約が公表されると日本は国際的に孤立した。
第一次大戦期、山県有朋ら藩閥官僚勢力と対抗した原敬は、米国の国力や中国への影響力を考慮して、多少の犠牲を払っても米国と協調すべきと考えていた。また、大隈内閣の二十一カ条要求やら何やらで中国のみならず列強からも野心を疑われ孤立していたところ、援段政策をやめ、新四国借款団へ加入するなど対米英協調に切り替えた。また、米のなすがままにならないようアジアにおいて米英のキャスティングボートになろうとの構想を持っていた。米のなすがままにならないようにという点では集団安全保障機関としての国際連盟にも期待をしていて、強制手段としての武力行使ができるよう兵力分担に応える義務があると考えていた。
昭和初期の浜口雄幸は、原内閣以来の国際協調を重視しつつ、満蒙政策については国民政府による統一を容認する姿勢だった。九カ国条約などに示すような多国間協調のもと統一された中国が発展すれば日本の発展にもつながるとの考えからだった。また、戦争を違法とした国際連盟の次期大戦防止、東アジアの平和のために重視し、軍縮にも積極的に対応しようとしていた。自国の軍事力による抑止よりも国際連盟、ワシントン軍縮条約、九カ国条約、不戦条約などの多層的多重的な条約網による戦争抑止システムを重視した。
これも昭和初期の永田鉄山は一夕会のメンバーで、統制派の指導者となる。彼はヨーロッパ滞在中の第一次大戦の経験から戦争が総力戦になり、政治経済関係の複雑化から世界大戦が誘発されると考えていた。そこから総動員態勢の構築、資源の自給、工業の発展、軍備の近代化を目指した。それが満州事変、華北分離工作へと繋がった。
戦前日本の指導者たちの世界戦略から現代日本が学べることは多いと思う。続きを読む投稿日:2014.07.15
山県有朋、原敬、浜口雄幸、永田鉄山の安全保障構想についてそれぞれ述べられ、比較している。
比較が適切かと言われれば、なかなか難しいが、この手の切り口で、わが国の戦前の安全保障について、歴史を元に述べ…られているのは珍しい。個人的には、面白かった。続きを読む投稿日:2013.05.20
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。