就活格差
常見陽平(著)
/中経出版
作品情報
今、就活戦線で起こっているのは「就活格差」です。内定を取れる学生、企業が欲しがる学生がごく一定の学生に限られ、その学生たちを企業が奪い合う時代になっています。そのため、学生は内定長者と無い内定に二極化し、企業も欲しい人材が採れる会社と採れない会社に分かれている、まさに「就活格差」と呼ぶべき状況が起こっています。本書は、学生・企業・大学・就職情報会社など、就職活動に関して知り尽くした著者が語る、企業・学生の就活格差の現状とその解決方法を示す一冊です。
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商品情報
- シリーズ
- 就活格差
- 著者
- 常見陽平
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 中経出版
- 書籍発売日
- 2009.07.01
- Reader Store発売日
- 2014.09.12
- ファイルサイズ
- 3.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.2 (13件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
求人倍率=求人総数÷民間就職希望者数
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情報格差により業界・起業分析の差がつき、結果として企業選びの視点にも影響を与える。特に、「有料の情報に接しているかどうか」「ビジネス誌(週刊ダイヤモンド・週刊東洋経済)を読んでいるかどうか。「ウェブはバカと暇人のもの」とあるが、まさにその通り。
何が聞かれているのか、求められていることは何なのかを文章や質問から読み取る事が出来ない学生が多い。「面接で投げかけた質問に対して、聞いた意図を理解して答えることができない。結果として、薄く、ずれた答えになってしまい、用意してきた答えが中心のコミュニケーションになってしまう。」
エントリーシートは抽象的な表現のものばかり。これをいちいち落としていたら、何も残らなくなってしまう。具体的な内容のエントリーシートを書けば、かなりの確率で通るのではないか。(人事担当者)
マニュアル本に載っていることはあくまで誰もが真似することであって、プラスアルファの自分ならではのものがあってこそ、内定に近づく。
人気起業ランキング上位20社の求める人物像欄を調べたことがあるが、言い回しなどが違うものの、「コミュニケーション能力」「成長意欲」「自立(自律)」など、根本的な要素は極めて似通っている。
性格診断で演技をしても、結局、面接でバレてしまう可能性が高いため、あまり意味がないとも言える。
大学別の履歴書には、やはり各大学の「特性」が反映され、各大学の強みが発揮されるようなシートになっている。
就職氷河期だった95年6月号の「就職ジャーナル」では「自分の言葉で語る」ことについての特集が組まれ、それがいかに大事かが説かれている。ちなみに、自分の言葉で語れない5つの理由として①業界研究や自己分析が足りず、苦しまぎれにまとめている。②志望動機がマジでない③学生がウリを勘違いしている。④想定内定人物像に無理矢理自分を当てはめている。⑤手短にまとめようとして、抽象的になる。
エントリーシートは意外にも読まれている。ただし、せいぜい1枚当たりにかけられる時間は多くて数分だと思ってよい。当然、文字の大きさや字のきれいさなど、読みやすいほうがよい。最も大事なポイントは「会いたいと思うかどうか」と考えている。
適性検査、エントリーシートをいくら頑張っても、それだけで選考を決めることは、まず考えられず、選考は面接が決め手となる、日本における新卒採用では、8割は面接の結果がモノをいうとされている。
珍しいサークルであったとしても、「ただ珍しいだけ」で、仕事にどうつながるか、あるいは何を学んだかが見えていないケースも多いという。結局、「どうやったのか?」という部分が問われるところである。サークル名や役職だけでは決定打になるとは言えないだろう。
企業を分析するフレームワークや方法は多数あるが、最も簡単かつ深いのは「強み」を掘り下げて分析する方法である。競合他社と比較した強みは何なのか。商品・サービスは他社とどう違うのか。それを生み出す組織や技術の違いは何なのか。その強みはこれからも継続しそうなのか、というように企業を「強み」という観点で見て情報を整理してみるとよいだろう。
企業を分析するフレームワークの基本として有名なのは、3C分析という手法である。企業(company)と顧客(customer)、競合(competitor)の頭文字を取って3Cというのだが、この3点とそれぞれのつながりに着目すると、より深く企業の強みや特徴を理解することができる。他には、SWOT分析のフレームも就活における企業分析に有効だろう。起業の強み、弱み、機会、脅威を分析するフレームワークである。自分の志望企業をこのフレームに落とし、分析することにより、置かれている環境がよく理解できることだろう。
OB・OG訪問や会社説明会、面接など、企業の人と会う際には、企業を見る目を駆使しつつ、事前にできるだけ多くの具体的な質問を用意しておくとよいだろう。
自己分析をするときに意識して頂きたいのは「何を大切にしてきたか?」ということである。まずは「あなたの大切にしてきたもの」を深く振り返って頂きたい。また、強みと弱みを深く振り返る事も大切である。自己分析は自己PRにそのままつかえるため、強みの棚卸に終始しがちになる。しかし、自分のクセを理解するためには弱みの棚卸にも力を入れるとよいだろう。これらに深く踏み込んだ自己分析ならそれは有効なものだと言えるだろう。また、自己分析の時間はあえて取らずに業界・企業分析など具体的な活動を通じて自分自身を発見すると言う方法もある。ある企業を見て、ひかれるポイント、逆にイヤだなと思ったポイント、これらを振り返ることによって気付くこともあるだろう。
社会人慣れしているかどうかは就活のカギを握ると行っていい。社会人とのコミュニケーションに慣れると面接などで動揺することも少なくなるだろう。
この本を執筆する取材の過程で、大学関係者、就職情報会社関係者などから共通の意見が出て、興味深かったのは「就活がうまくいく人とは、学生生活が充実していた人」という意見である。就活のための学生生活では決してないはずだが、学生生活を充実させることが就活の成功につながるというわけだ。日々、楽しむスタンスを大切にしてほしい。投稿日:2015.02.17
これは文句無しに面白い。
今まで断片的に見え聞こえしてきた現在の就職活動の現状やそれを取り巻く環境の変化等を正確にかつ網羅的に理解することができた。
学歴格差
情報格差
行動格差
なか…なか根が深いが、特に下の2つは本人の努力次第で克服可能なのではと、三流大学の教員である私は思うのだが。
この本に書かれていることはすべて奥が深いのだが、多くの就活生は表面だけマニュアル的に読み取って間違った理解をしてしまうのだろうな、残念だけれど。続きを読む投稿日:2014.10.16
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