善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学
中島義道(著)
/角川oneテーマ21
作品情報
ニーチェの「善人批判論」をテキストに、現代社会にはびこる「善人」たちの暴力性を暴く。自らの弱さを武器に、権利を過度に要求し、偽善、欺瞞、嘘をまきちらし、それに気づかない人々。ニーチェの本質が明らかに。
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商品情報
- シリーズ
- 善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学
- 著者
- 中島義道
- 出版社
- KADOKAWA
- 掲載誌・レーベル
- 角川oneテーマ21
- 書籍発売日
- 2010.08.01
- Reader Store発売日
- 2014.04.21
- ファイルサイズ
- 0.4MB
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この作品のレビュー
平均 3.6 (28件のレビュー)
-
中島氏がニーチェと奏でる二重奏
中島氏の本は好きで良く読んでいるが、その中でも特に引きこまれて読んだ一冊。とても面白かった。
で、まずこの本の題名だが、「善人」とはもちろん良い意味でつかわれているわけではなく、親鸞の「善人なおもて往…生をとぐ」の「善人」であり、無自覚で鈍感、自己の姿を顧みる事の少ない人間をさしている。そして本の内容はといえば、この「善人」についての考察が全てかというとそうでもなく、「善人」をテーマとしながらも、全体を読んだ印象としては寧ろ『矛盾のニーチェ』とか『ほんとうのニーチェ像』とかそんな題名が浮かんでくる。
しかし、「善人」そのものについて論じられている箇所が大部分を占めているのは事実であり、実際、そういう部分が読んでいて特に魅力的であった。
さて、本の中で中島氏は時にニーチェと距離を置き、「善人」というキーワードを通してニーチェの人物像を批判的に描き出していく…のだが、そればかりでもない。
ひとたび「善人」そのもの(=ラクとトクに最高の価値を置く人間群)について論じ始めるやその舌鋒はとどまるところを知らず、まるでニーチェが乗り移ったかのよう。現代日本の風景にまでニーチェ(=中島氏)の鋭い眼光がおよび、読んでいるこちらも自分はひょっとして「高貴な者」なんじゃないかと思い込みそうになるほどに気持ちが高揚してくる。(だが、そこは哲学者中島氏、そんな頃合いを見計らったかのように、ちらと警句を発して手綱を締める、といった具合。)
これはヴァイオリンソナタだなと思った。
心のままにヴァイオリンを奏でるニーチェ。
それを時には共に高揚し、また時には行き過ぎるヴァイオリン(と聴衆)の手綱を締める役割も担う、酸いも甘いも噛み分けた名ピアニストの中島義道氏!
最後には中島氏の冷静さが勝り、ニーチェの内面の矛盾、ニーチェの「善人」性までもが白日の下に晒される。
読んで、ニーチェという存在を哲学者と呼ぶのは適当ではないなと思えてきた。
この本から感じたのは、ニーチェとは実に特異な(そして極端な)人物であり、その内面のドラマが哲学というよりは文学作品のようだということ(名著「ツァラトゥストラ」もニーチェ個人の恨み節に思えてくる)。
「オレも頑張ってヤセ我慢して生きてきたんだぜ。だから、自分がこれまで必死で克服してきたつもりになっている対象を目の当たりにしたとき、そんな時にはもうその対象を、心の底から嫌悪せずにはいられないんだ…」なんてニーチェのつぶやきが聞こえてきそうだ。続きを読む投稿日:2015.05.15
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善人ほど悪い奴はいない ニーチェの人間学。中島 義道先生の著書。現代社会にはびこる善人たち。善人たちほど暴力性を秘めていて善人たちほど偽善、欺瞞、嘘のかたまりの悪人。善人と思っていた人が暴力、偽善、欺…瞞、嘘のかたまりの悪人だとしたら絶望感におそわれる。善人ほど悪い奴はいない。胸に突き刺さる言葉。自分が善人であると思っていたとしたらそれはただの自信過剰な妄想にすぎなくて暴力、偽善、欺瞞、嘘のかたまりの悪人なのかもしれない。続きを読む
投稿日:2022.08.17
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