目に見えない資本主義―貨幣を超えた新たな経済の誕生
作品情報
「これから資本主義はどこへ向かうのか?」今、誰もが知りたいテーマに、話題の著者が弁証論的アプローチでズバリ答える。「日本型へ進化する資本主義」の未来が見えてくる本です。
【主な内容】
第一話 これから資本主義に何が起こるのか
第二話 資本主義の未来を予見する哲学
第三話 「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
第四話 「知識経済」から「共感経済」へ
第五話 「貨幣経済」から「自発経済」へ
第六話 「享受型経済」から「参加型経済」へ
第七話 「無限成長経済」から「地球環境経済」へ
第八話 「企業倫理」を身体化していた日本型経営
第九話 「見えない資本」を見つめていた日本型経営
第十話 「社会貢献」と「利益追求」を統合していた日本型経営
第十一話 「主客一体」を追求していた日本型経営
第十二話 「有限・無常・自然」を前提としていた日本型経営
第十三話 なぜ、日本型経営が復活するのか
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この作品のレビュー
平均 4.1 (26件のレビュー)
-
約2か月ぶりのアップです。
読書自体は週1~3冊ペースは守れているんですが、
最近はメインがFBになっていて、ブログのアップが・・・
ということで新年はすこしずつアップしていきます。
田坂広志さん… 好きです。
考え方のベクトルがかなり近いということが前提なのですが、とにかく面白く感じます。
まずは文体。そんな大げさに論じなくてもって内容もご大層に語る文体。一貫しているので意外と読みやすいのです。
それといわゆるKYなところ。サキどりは観てて笑いました。デイブと噛み合わないぶり、司会者を困らせぶり、かなりでしたね。(笑)
一般にあまり良い表現としては使われていないKYですが、周囲に左右されず考えがブレずに一貫性があるという大きなメリットがあります。日和っているだけの空気読みの人よりも、望ましい場・成し遂げられることは遥に多いような気がします。
ここ何十年、大手や同族企業そして行政において、目をつぶって我慢することで収入を確保するということが、やや常識化してしまったように感じます。調和やバランスという名のもとに、その実は自己防衛・保身というケースが多いのではないでしょうか。自分自身もその一人であったと思います。
今、「持続可能な望ましい地球社会」に向けて、より良い社会システムへの変革が求められていることは誰もが感じていると思います。とりわけ、資本主義は従来のシステムからの進化・深化、パラダイム転換が必要です。人間のモチベーションを引き出しつつ、効率的で公正で、持続可能なシステムを見つけなければなりません。
この本で象徴的に「目に見えない資本主義」と表現されている、共感経済あるいは連帯経済、ハイブリッド経済に向けて、一人ひとりが田坂広志氏のように周囲に惑わされないポジティブKY になれば、きっと変革の波が拡がっていくと思います。
ドラッカーさんやアショカのドレントンさんが言うように、一人ひとりがリーダーでありチェンジメーカーであることを意識したとき、大きな変革が実現されることを信じさせてくれる1冊です。
(田坂さん無礼な表現ご容赦ください。お慕い申し上げております。)
ということで、備忘録としての読書Memoです。
ジム・ウォリス
「この危機はいつ終わるのか」
という問いの立て方は間違っている
我々が問うべきは
「この危機は、我々を、どう変えるのか」
■資本主義の「経済原理」に起こる五つのパラダイム転換
1.「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
2.「知識経済」から「共感経済」へ
3.「貨幣経済」から「自発経済」へ
4.「享受型経済」から「参加型経済」へ
5.「無限成長経済」から「地球環境経済」へ
【1.「操作主義経済」から「複雑系経済」へ】
■「弁証法」(ゲオルク・ヘーゲル)の五つの法則
1.螺旋的発展の法則
2.対立物の相互浸透の法則
3.否定の否定による発展の法則
4.量から質への転化による発展の法則
5.矛盾の止揚による発展の法則
■「複雑系」とは?
・ミッチェル・ワールドロップ『複雑系』
・現代科学の最先端の、極めて広汎で学術的なテーマ
・「生命的なシステム」
・グレゴリー・ベイトソン「複雑なものには、生命が宿る」
■経済が「複雑系」としての性質を急激に強めた理由
1.情報革命
2.規制緩和
3.グローバリゼーション
■複雑系をマネジメントするための三つの示唆
1.複雑系は、意図的に設計、建築、管理できない。
2.複雑系は、突如、崩壊する可能性がある。
3.複雑系は、個々の要素の挙動から創発が起きる。
■アダム・スミスが語った「神の見えざる手」
市場において、自由競争に任せていれば、自然に「神の見えざる手」によって、市場に均衡と秩序が生まれるという思想である。しかし、市場という複雑系においては、そうした自己組織化と創発が起こる可能性がある半面、条件によっては、市場システム全体が崩壊してしまう可能性がある。
【2.「知識経済」から「共感経済」へ】
■「メタレベル」へと形態を変える知識資本
知識資本(knowledge capital)
↓
関係資本(relation capital)
↓
信頼資本(trsut capital)
↓
評判資本(brand capital)
↓
文化資本(culture capital)
■「経済原理」に起こっている螺旋的発展
インターネット革命によって、現在の社会において圧倒的主流の座を占めているマネタリー経済が復活してきている。かつての「目に見えない経済活動」「社会の片隅の経済活動」ではなく、インターネットを通じて「多くの人々から見える経済活動」「世界中に影響を与える経済活動」として、新たな価値を伴って復活してきている。
■「主客一体の経済」が始まる
消費者は企業が提供する商品やサービスを受動的に享受するだけでなく、参加するようになった。30年前にアルビン・トフラー『第三の波』において「プロシューマー(pro-sumer)」が予言した通り。
■イノベーションのパラダイム変換
「イノベーションの民主化」「オープン・イノベーション」「ユーザー・イノベーション」
なぜか…社会の変革に「参加」しているとき人々の幸福感は更に高まるから
■「民主主義」の螺旋的な発展
民主主義の原点回帰
1.「政治」の民主主義から、「経済」「文化」の民主主義へ
2.「意思決定」への参加から、「社会変革」への参加へ
3.「間接民主主義」から「直接民主主義」へ
■経済の「成長の限界」
ローマクラブによる「人類の危機リポート」
人口爆発・食糧不足・資源枯渇・エネルギー危機・環境汚染という五つの問題により、人類全体の経済成長は、百年以内に限界に達すると予測
地球という空間の「有限性」とエネルギーや天然資源の「有限性」により、人類
↓
無限の経済成長が可能であるということは、幻想に過ぎない
↓
「経済原理のパラダイム転換」が必要
■新たな「豊かさの指標」とは?
・複雑系経済-個人や企業の倫理観や行動規範が大切にされる社会
・共感経済 -人々の共感によって、社会全体で知識や
・自発経済 -善意や好意による活動が溢れ、精神の満足が得られる社会
・参加型経済-誰もが社会のイノベーションや変革に参加できる社会
・地球環境経済-自然と共生し、持続的に存続していける社会
■「客観的な尺度」
貨幣という単一の「客観的尺度」≒価値観の単純化
↓
多様な価値を多様な尺度で評価する方法
■働くとは
「傍」(はた)を「楽」にする
英語のLaborは苦役
■「責任・義務」と「使命」の違い
責任・義務:遵守しなかった場合の「非難・懲罰」にような否定的なニュアンス
使命:実現できた時の「精神的報酬」のニュアンス
■日本型経営の仕事の報酬観「目に見えない報酬」
1.仕事の働き甲斐
2.職業人としての能力
3.人間としての成長
4.職場の仲間との出会い
【3.「貨幣経済」から「自発経済」へ】
■ハイブリッド経済
社会貢献と利益追求の矛盾への対処
■日本型経営を象徴する言葉
「企業は、本業を通じて社会に貢献する」
「利益とは、社会に貢献したことの証である」
「企業が多くの利益を得たことということは、その利益を使ってさらなる社会貢献をせよとの、世の声である」
■企業が患っている病
操作主義
「いかにして、使える商品を捨てさせて、新たな商品を買わせるか」
「サブプライム問題」
■5つの価値観の転換
1.「無限」から「有限」へ
2.「不変」から「無常」へ
3.「征服」から「自然」(じねん)へ
4.「対立」から「包摂」へ
5.「効率」から「意味」へ
≪用語≫
○ディファクトスタンダード
市場における競争や広く採用された「結果として事実上標準化した基準」
○暗黙知(tacit knowing)
マイケル・ポランニー
【目次】
第1話 これから資本主義に何が起こるのか
「グローバル資本主義」が引き起こした世界経済危機
世界経済危機を超えて誕生する「新たな資本主義」
なぜ、従来の経済学は「資本主義の進化」を論じないのか
資本主義の「経済原理」に起こる五つのパラダイム転換
第2話 資本主義の未来を予見する哲学
いかにして、未来を予見するか
「弁証法」が予見する資本主義の未来
世界は、「螺旋階段」を登るように発展する
対立し、競い合うもの同士は、互いに似てくる
振り子は、極点で、必ず逆方向に振り戻す
第3話 「操作主義経済」から「複雑系経済」へ
「蝶々の経済」に、どう処するか
なぜ、経済が「複雑系」になっていくのか
「複雑系経済」の最大の問題は、何か
「複雑系経済」に、どう処するか
グローバル資本主義による「CSR」の歪曲
「倫理」とは、市場原理を超えたもの
なぜ、CSR企業が「目に見えない資本」を蓄積するのか
第4話 「知識経済」から「共感経済」へ
「目に見えない経済」を、どう評価するか
なぜ、従来の経済学は「知識資本」を扱えないのか
「メタレベル」へと形態を変える知識資本
サブプライム・ローン問題が壊した「目に見えない資本」
資本主義の「成熟」とは、何か
第5話 「貨幣経済」から「自発経済」へ
「陰の経済」を、どう活用していくか
ボランタリー経済が「陰の経済」にされていた二つの理由
「経済原理」に起こっている螺旋的発展
「融合経済」という新たな経済原理の誕生
第6話 「享受型経済」から「参加型経済」へ
「主客一体の経済」が始まる
経済の「直接民主主義」が実現する
「イノベーションの手法」が、イノベーションを遂げる
「民主主義」も螺旋的に発展していく
第7話 「無限成長経済」から「地球環境経済」へ
「有限の経済」を覚悟すべき時代
新たな「豊かさの指標」とは、何か
多様な価値を多様な尺度で評価する方法
第8話 「企業倫理」を身体化していた日本型経営
なぜ、「懐かしい価値観」が復活するのか
昔から「CSR」を身体化していた日本型経営
「放任」でも「管理」でもない、「第三の道」
日本型経営が立脚する「人間観」
第9話 「見えない資本」を見つめていた日本型経営
「見えない資本」が見えなくなった現代の経営者
成熟とは、「見えない価値」が見えること
日本型経営の「報酬観」と「組織観」
第10話 「社会貢献」と「利益追求」を統合していた日本型経営
第11話 「主客一体」を追求していた日本型経営
第12話 「有限・無常・自然(じねん)」を前提としていた日本型経営
第13話 なぜ、日本型経営が復活するのか続きを読む投稿日:2012.01.10
今、世の中にあるモヤモヤとした雰囲気を
うまくまとめあげているように感じた。
日本経営は、自信をもってよいように感じた。
現在の資本主義を知る上で、知っておいたほうが良い
側面がつづられていた。
…〜以下、◇○本より抜粋、●・コメント〜
◇「弁証法」ドイツ観念哲学論者のゲルク・ヘーゲル
○第一の法則:螺旋階段の法則
「世界は、あたかも螺旋階段を登るように発展する」
○第二の法則:対立物の相互浸透の法則
「対立し、競い合うもの同士は、互いに似てくる」
○第三の法則:否定の否定による発展の法則
「振り子は、極点で、必ず逆方向に振り戻す」
●なるほど!
まわりで起きていることと同じ!
これは、頭の隅にいれておくと、世の中の流れを予想
するときの参考になるかも!(投資?!)
◇マルクス「労働疎外論」
本来、人間にとって喜びであったはずの「労働」が
貨幣経済の誕生によって「商品化」され、その喜び
が失われていった。
◇CSR
残念なことに、CSRの動きそのものが
グローバル資本主義が標榜する市場原理や
競争原理の議論によって歪曲される傾向が
生まれている。
◇社会企業家
ある意味で「ボランタリー経済」が「マネタリー経済」
を取り入れていく動きにほかならない。
◇GNH(Gross National Happiness)
アジアの小国ブータン
http://tinyurl.com/y974jqs
で提唱された、「国民総幸福度」。
2009年ダボス会議においても
「GDPからGNHへ」というセッションが人気を集めていた
●日本は?!
◇働く
○日本では、「働く」(はたらく)とは、
「傍」(はた)を「楽」(らく)にすることの意味
働くとは、だれかを楽にすること
○英語の「labor」という言葉には、「苦役」という意味
が含まれているが、日本語の「働く」には、「苦役」
という意味は含まれていない
●滅私の精神
◇日本の企業文化
○日本企業において、社員に対して「責任」や「義務」という
言葉を使うよりも『使命』があった。
○日本の企業観は、すでに遥か以前から「社会貢献」と
「利益追求」を統合した「社会企業」のビジョンを先取り
したものであった。
●それぞれ個々人が生まれ持って持っている使命
自分でなければできないことは!続きを読む投稿日:2019.05.04
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