太陽と地球のふしぎな関係 絶対君主と無力なしもべ
上出洋介(著)
/ブルーバックス
作品情報
※この商品はタブレットなど大きいディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大することや、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能が使用できません。
犯人は太陽。「生命の誕生」を可能にし、生きとし生けるものすべてに恵みを与える。──「母なる星」のイメージは、間違いだった! 11年周期で増減する黒点が、苛烈な太陽を演出していた。コロナ質量放出、磁気嵐、高エネルギー粒子線……。絶え間なく繰り出される太陽の攻め手を、地球はどうしのいでいるのか? (ブルーバックス・2011年8月刊)
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商品情報
- 著者
- 上出洋介
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 宇宙学・天文学
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- ブルーバックス
- 書籍発売日
- 2011.08.20
- Reader Store発売日
- 2014.04.04
- ファイルサイズ
- 58MB
- ページ数
- 296ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (10件のレビュー)
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太陽にお世話になっていない人はいないことですし
サブタイトルによると「絶対君主=太陽」と「無力なしもべ=地球」です。単に暖かい日光を燦燦と浴びせるだけではない、もっとダイナミックな太陽圏に地球もすっぽり包まれているわけです。人工衛星時代になりやっと…知見が集まりだしたばかりの分野とのこと。
フレア爆発などによりプラズマや高エネルギー粒子が降り注ぐのを、地球は自身の磁気圏でなんとか防いでいます。太陽活動が活発化すると、オーロラが出現するにとどまらず、通信がかく乱されたり伝書鳩が迷子になってみたりと人間社会に直接的な影響すら及びます。また、太陽活動の変動は気候変動にも影響しています。
ひとつ気になるのが、そんな大事な地球磁力の減少傾向。ガウスが200年前にはじめて測定して以来、年0.05%のペースで減りつつあるらしいです。メカニズムは不明。このペースのままだと1200年ごろにはゼロになる計算。日本でもオーロラが見れる!と喜んでいる場合ではなく、地球磁力がなくなると放射線がビシビシ降り注ぐし、大気を太陽風に持っていかれるしで大変なことになります。N極・S極が入れ替わる現象さえ地質学的年代スケールではたまに起こっているので、このまま一直線に減ることはなさそうですが、たかが200年間とはいえ足元で急速な変化が生じているのは何となく穏やかでないです。
この本について敢えて注文をつけるとすると、語句の解説などをもっと丁寧にできたのではないかという気がします。また、思いのままに語っているような書きぶりで、繰り返しが多くて少し散漫に感じるところも。編集次第で改善の余地ありでしょう。
また、画像での電子書籍化というのはチトいただけませんね。多くの点数を早く電子化するひとつの手ではあるのでしょうが。。。(ちなみにワタクシは以前に紙で読みました)続きを読む投稿日:2014.04.06
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図書館の入り口近くにいつも特集コーナーを作って関連本が並べてあるのだが、先日は宇宙特集だった。タイトルはさほど魅力的でないものの出版日付の新しかったのを1冊選んでみた。この分野は新しい知識の蓄積も多か…ろうと踏んでのことだ。
太陽から地球までのジオスペースの様子と、太陽が地球環境や人間社会に及ぼす影響とを解説している本。人工衛星時代になってやっと知見が集まりだしたところで、まだ分からないことだらけの分野だそうだ。この本について注文をつけるとすると、語句の解説などもっと丁寧にできたのではないかという気がする。なんとなく思いのままに語っているような書きぶりで、繰り返しも多くて読んでいて少し散漫に感じた。
ふつう太陽の大きさと言うと、可視光線を発している光球の大きさを指す。しかしプラズマの火の玉である太陽からは、太陽風、フレア爆発、コロナ質量噴出などの形でプラズマ大気が外へ噴き出しており、地球にまで及んでいる。地球は太陽圏の中におさまっていると言える。太陽からのプラズマや高エネルギー粒子線から守ってくれるのが地球磁気圏だ。地球磁気圏は、太陽と反対側に尾を引いたような格好をして、太陽からの攻撃を受けてたわんだりしながら頑張っている。太陽活動の影響により、地球上でオーロラや磁気嵐が起きる。
太陽活動には周期がある。昔から観測されてよく知られるのが黒点の増減。黒点は周囲より冷たい所なのに、なぜか黒点が多いほど太陽から放出されるエネルギー、特にX線や紫外線が多くなる。これは11年周期の太陽周期と呼ばれる。黒点は低緯度に多く、そばからフレアが吹き出たりする。フレア以外にも、高緯度のコロナホールから吹き出ているものもあるようだ。こちらは黒点が少ないときの方が盛ん。11年周期よりもっと長い周期(極大期、極小期)もあり、気候に大きな影響を与えていると考えられる。
磁気嵐による人間社会への影響
・人工衛星へのダメージ
・通信のかく乱
・高緯度を飛ぶ飛行機にまで放射線
・高緯度地方では、ひどいと変電所が火を噴いたり
・伝書鳩が迷子になる
もっとも気になるのが地球磁力の減少傾向。ガウスが200年前にはじめて測定して以来、年0.05%のペースで減りつつあるらしい。このペースで行くと1200年ごろにはゼロになる計算。日本でもオーロラが見れる!と喜んでいる場合ではなく、放射線がビシビシ降り注ぐし、大気を太陽風に持っていかれるしで大変なことになる。普通に考えてこのまま減るって事はなさそうだ。N極・S極が入れ替わる現象さえ、地質学的年代スケールではたまに起こっているので、驚くことではないのかもしれないが、たかが200年間とはいえ足元で急速な変化が生じているのは何となく穏やかでない気がする。続きを読む投稿日:2018.11.05
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