ヘイト・スピーチとは何か
師岡康子(著)
/岩波新書
作品情報
差別,侮辱,排除の言葉の暴力を,路上やネット上で撒き散らすヘイト・スピーチは,表現の自由として守られるべきなのか.深刻な被害は,既存の法や対抗の言説では防げない.悪質な差別の法規制は,すでに国際社会の共通了解だ.各国の経験を振り返り,共に生きる社会の構築へ向かうために.
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商品情報
- シリーズ
- ヘイト・スピーチとは何か
- 著者
- 師岡康子
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波新書
- 書籍発売日
- 2013.12.20
- Reader Store発売日
- 2014.02.20
- ファイルサイズ
- 2.4MB
- ページ数
- 236ページ
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この作品のレビュー
平均 3.4 (27件のレビュー)
-
欧米での問題から考える
日本で「ヘイト・スピーチ」という言葉が一般に知られるようになったのは、
おそらく在特会などを巡る問題がきっかけだったせいか、
「日本とアジア(韓国?)の問題」なってしまいがちで、そこに領土問題やら何や…らが絡み、
そもそもの「ヘイト・スピーチとは何か」がよくわからないまま
感情的に論じられているように思う。
本書は、具体例としては日本で起こっているそうした問題を入り口にしているが、
ヘイト・スピーチが国際法や条約、各国の法の中でどのように規定され、
具体的にどのような事例においてどのような判決が下されたのか、
日本政府はそれに対してどう対応してきたのか(2013年末時点で)、
という法制度面からの考察である。
著者はヘイト・スピーチに対する法規制を推進する立場であり、
私のように法規制に少なからず危惧を感じる者にはひっかかる部分もあるのだが、
推進する立場でありながら、様々な国が、ヘイト・スピーチの規制を行うなかで直面する
様々な問題を丁寧に紹介しているため、様々な立場の人にとって考える素材となるであろう。
イギリスやアメリカで起こったヘイト・スピーチに対する裁判とその判決を少し紹介する。
「憎悪をかき立てる意図」をヘイト・スピーチの要件としていた場合、
「意図はなかった」と言って無実となった例(イングランド人の「犬とアイルランド人立ち入り禁止」掲示)や、
聴衆がもともと人種的憎悪を有していたから、演説により憎悪をかき立てられたかは、
証拠不十分と認定されたという例(アメリカ白人のアジア系住人殺害事件に対し「一人が消えた、あと100万人だ」という発言)
など、法規制の難しさを感じさせられる。
また、私が本書を再読しようと思ったきっかけが
ソニー・ピクチャーズの主張する「表現の自由」に、またさらに、
シャルリー・エブドの主張する「表現の自由」に強い違和感を覚えたことであった。
ああいった内容は、「表現の自由」として許されるのか、と。
許されるとしたら何故なのか?テロの標的になったからなのか?それとも・・・?
もちろん、本書は2013年末に出た本なので、これらの事件に対して言及はしているはずはない。
だが、欧米での様々な差別「表現」とそれに対する判決は、
これらの問題の潜在的な背景とも言えるし、
本書の改訂版が出るとしたら、当然このあたりの問題にも触れることになるだろう。
ヘイト・スピーチと「表現の自由」をめぐり、
主に法制度の面から考える素材を求める人にお薦めする。続きを読む投稿日:2015.02.01
-
法学的観点から規制積極派の主張を論じたもの。国際法に依拠しつつ慎重派の主張に反論を試みてはいるが、立憲主義を重視する憲法学者とはそもそも立場も考え方も違うので、弁護士である著者の一方的な主張が有効な批…判になっているかには疑問が残る部分はある。ただし、積極派と慎重派の意見の対立が確認できるという意味では有意義ではあるように思える。続きを読む
投稿日:2021.12.15
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