ビリー・バッド
メルヴィル(著)
,飯野友幸(訳)
/光文社古典新訳文庫
作品情報
18世紀末、商船から英国軍艦ベリポテント号に強制徴用された若きビリー・バッド。新米水兵ながら誰からも愛される存在だった彼を待ち受けていたのは、あたかも邪悪な謀略のような「運命の罠」だった・・・・・・。緊張感みなぎるストーリー展開と哲学的な考察につらぬかれた現代性。アメリカ最大の作家メルヴィル(『白鯨』)の遺作にして最大の問題作が、いま鮮烈な新訳で甦る。
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この作品のレビュー
平均 3.4 (8件のレビュー)
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正と悪と人間の良識
ビリー・バッドは、容姿美しく力逞しく性格も良好な青年で、商船から戦艦に徴用された時も船員達から好感を持って迎えらました。しかし、戦艦には先任衛兵長ジョン・クラガードという男がいて、ビリーを嫌いました。…クラガードの職務は船の警察署長のようなもので、その地位に物を言わせて目に見えない影響力を行使しては部下を操り、不快感を与えるような人物でした。そのクラガードが陰謀を仕掛けます。
ビリーは正を、クラガードは悪を体現したような人物ですが、二人は共に生まれがはっきりしないので、ある意味では、人間社会の外側から来た人物と言えるかもしれません。ビリーとクラガードという人間社会の枠を超えた正と悪が対峙したとき、その結果を艦長ヴィアという良識ある人間が裁くことになります。
一体、人間の良識は、(人間の枠を超えた)絶対的な正と悪について何を判断することができるのかという、著者メルヴィルからの深い問いかけがあるように感じました。象徴的な書き方や、(「白鯨」のように)本筋から逸れる記述が多い点など、ストーリーを把握しながら読むのに少し骨が折れるかもしれませんが、読み応えのある主題だと思います。
続きを読む投稿日:2015.09.22
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このレビューはネタバレを含みます
伊藤亜紗『どもる体』で本作の主人公が吃音だと紹介されていたので、本棚に刺さっていたものを取り出して地元に向かう新幹線のなかで読み始めた。
レビューの続きを読む
7/15土 p.24まで
7/17月 p.46まで
まだビ…リーを主人公とした本筋の話が始まらない! 当時の海軍への反乱や悪徳について、また軍艦の長の人物描写にページを費やしている。19世紀小説にありがちな冗長さ。ドストエフスキー『地下室の手記』第一部みたいなもんか。
ビリーの吃音はいっしゅんだけ言及があった。
7/31月 p.94まで
めっちゃ難しい。意味わからん。
哲学的というか宗教的というか…な議論めいたものが続く。物語はあんまり動かない。
堕落、狂気、無垢 について
ビリーが夜フォアチェインに呼ばれたとき吃音が出た。
8/1火 p.116まで
なんかカミュの異邦人みたいになってきたな
世俗から一線を画した無垢な男主人公が偶然?に殺人を犯してしまい、裁判へ……という筋書きの古典中編小説
8/7月 p.146まで
8/8火 p.169まで
処刑執行。ビリー・バッドめっちゃキリストになぞらえられてて草
ビリー・バッドとバートルビー、無垢っぽいところは似ているが、従順さなどはわりと対極的か。あとは作品の文体、内容の難解さも対照的。
読んだ!
訳者の同僚による解説、うーん……
・投稿用短文感想
伊藤亜紗『どもる体』にて、吃音者が主人公の小説として紹介されていたために驚いて、1年くらい前に古本で買っていたものを読んだ。 文章が難解すぎる! 哲学的・宗教的な議論か講釈めいたものがその多くを占めていて、今の自分の頭では、この読み易いらしい新訳でさえほとんど理解が出来なかった。世俗性が希薄で無垢な主人公がひょんなことから殺人を犯して裁かれる筋書きの古典的中編小説、ということでカミュ『異邦人』っぽさは感じた。『バートルビー』と共通する点もありつつ、かなり対照的な趣きの遺作だとも思った。続きを読む投稿日:2023.08.11
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