この作品のレビュー
平均 3.2 (131件のレビュー)
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何だかひどいレッテル貼りだが、それもまた病理の表象?
大学院進学者は増加しているのに、それに見合う職は増えていない。
「自己責任」というには余りにも大きな問題が、構造的な問題があるのだ。
・・・大学院に進学しようと思っている人には是非知っておいてもらいた…い問題だ。
ただ、本書のトーンにはいささか引っかかるところがある。
まず、「高学歴」の人間が「肉体労働」や「コンビニ店員」をしていると繰り返し嘆いているところ。
ん?大学院出たらそんなに偉いのか?そして肉体労働やコンビニ店員を見下すような姿勢は、
「高学歴」な人間として品位に欠けるのではないか?
(そもそも「高学歴」などという言葉が品位に欠けていると思う)
「博士号を返上して一市民として生きるのも・・・」、笑うしかない。
もともと博士は一市民だ!(笑)
「アメリカでは「博士」は市民から尊敬される存在として一目置かれている」、
というが、一目置かれたくて博士号を取るのか?
研究がしたいからじゃないのか?
というか、博士だって市民なんだってば(笑)
突っ込みどころ満載(笑)
また、「旧帝国大学」を初めとする「一流」大学出身者が不当にポストを独占し、他大学出身者を見下している、
との主張(というより恨み節?)。
確かにそういう人もいるかもしれないが、このようなレッテルを貼られては
ストイックかつ誠実に教育・研究を行っている旧帝大勢に失礼ではないか。
(というか、旧帝大だからといってそこまで恵まれているわけではない)
「下」と見なした者には尊大な姿勢、「上」と見なした者には卑屈さと嫉妬。
ある意味これがアカデミズムの病理なのかもしれない。
大学院に行ってしまった人(失礼!)も、これから行こうと思っている人も、
こういう尊大さや卑屈さに陥らず、誇りを持って研究を続けて行けたら、と思う。
ある意味、反面教師的な本かな?(笑)続きを読む投稿日:2014.09.05
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大学院に進んだ挙げ句にフリーター、という道を辿る学生達を生産していく仕組みが作られたことを糾弾する本。
発端は1991年に当時の文部省が大学のレベル向上を狙って大学院の設置を増やすよう促す政策ができ…たことに始まる。この制度が、少子高齢化を見据えた大学の「経営」と既得権益を守ろうとする層の思惑に利用され、折しも就職氷河期と重なったために「一時避難」的に大学院に進む学生が増え、その結果が高学歴ワーキングプアを大量発生させた、というものだ。
学生の弱みにつけこみ、教授という立場を使って既得権益層の利益のために誘導した挙げ句、教授の限られたポストはその層が独占し、学生達を「大学の経営を支えるための人柱にした」と結論付けている。フリーターにならざるを得なくなった大学院生達は「自己判断と自己責任」の名のもとに切り捨てられていく。
仕組みを作り上げた既得権益層に対する恨み辛みに満ちた本書。確かに、当時の既得権益層による悪巧みはあったのだろう。このような話は大学だけでなく、民間企業でも「老害」という形でよく見聞きする。それでもなお、「ポスト(市場)がない所で待ち続けるくらいなら、博士や教授の立場に見切りをつけて他の世界に踏み出すべきではなかったのか」という感想も持ってしまう。
騙された当事者達にとっては非常に気の毒な話なのは確かだが、かたやそんな見方もしてしまう本だった。続きを読む投稿日:2023.08.05
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