阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊
魯迅(著)
,竹内好(訳)
/岩波文庫
作品情報
人が人を食うという妄想にとりつかれた「狂人日記」の「おれ」,貧しい日雇い農民でどんなに馬鹿にされても「精神的勝利法」によって意気軒昂たる阿Q.表題二作とも辛亥革命前後の時代を背景に,妄想者の意識・行動をたどりながら,中国社会の欺瞞性を鋭くえぐり出す.魯迅最初の作品集『吶喊』の全訳.
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 阿Q正伝・狂人日記 他十二篇-吶 喊
- 出版社
- 岩波書店
- 掲載誌・レーベル
- 岩波文庫
- 書籍発売日
- 1981.02.01
- Reader Store発売日
- 2013.11.29
- ファイルサイズ
- 1.9MB
- ページ数
- 248ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (61件のレビュー)
-
標題の「阿Q正伝」は、阿Qと呼ばれる名前もはっきり分からない、行状もはっきり分からない、当時(1920年頃)の中国の最底辺で暮らす、家も無い、家族も無い、日雇労働者で稼いだ金は全て飲み代に使ってしま…うような男が主人公。
皆から馬鹿にされ、しょっちゅう殴られているのだが、変なプライドがあり、例えば殴られた時でも「息子に殴られたようなものだ」とか「我こそ自分を軽蔑出来る第一任者なり」などと考え、自分を納得させて、殴った相手よりも意気揚々とその場を立ち去る。
しかし、自分よりも見すぼらしい者や女性のことは軽蔑している。
ある時、その町に革命軍がやってきた。その革命軍が町の有力者を怯ませたと聞いて、「革命軍に入るのも悪くないな」と考えるのだが、革命軍側についたのは、町の有力者で、阿Qは革命軍に入れて貰えるどころか、とっととその場を去れと言われる。
結局、無実の罪で、拘束され、それでも見せしめの処刑になる寸前までそのことに気づかず、悲しい最後を遂げる。
これは中国の当時の社会の闇なのか、その当時の世界の流れなのか、それとも負の連鎖で、今のこの日本でもこのようにいつまでも報われない底辺の人がいることに私が気付いていないのか……と哀しくやるせなくなる中篇だった。
他の作品は短編が多く、社会の底辺の悲哀を描いたものが多かった。魯迅は、自序に書いている通り、子供の頃は父親の病気のために、質屋とくすりやに通い詰める、貧しい暮しではあったらしいが、それでも少しは人を雇うような家で、当時の西洋学を学ぶ学校に行き、日本にも留学している。「故郷」という作品では、子供のころ仲良くした使用人の息子と二十年ぶりくらいに出会い、「旦那様」と呼ばれ、彼の暮らしが大変で有ることに距離感を感じてしまう寂しさが書かれていた。
貧しさの経験があり、底辺の人を描きながら、ある程度偉く有名になってしまった自分に矛盾を感じていたのかもしれない。
続きを読む投稿日:2021.02.26
このレビューはネタバレを含みます
⚫︎受け取ったメッセージ
レビューの続きを読む
無知は最大の罪
⚫︎あらすじ(本概要より転載)
中国の文学者・思想家である魯迅の長編小説。1921年、中国の新聞「晨報」に発表され、注目を集めた長編小説。辛亥革命の時代を生…きる阿Qという日雇い労働の男が、ある事件をきっかけに土地を追われ、意味もわからぬまま革命に加担、処殺されるまでを描いた。自尊心が高く無知蒙昧な愚民として典型化された主人公を通して、当時の中国社会の病理を鋭く告発した作品として評価された。特にこの作品を気に入った毛沢東が談話でしばしば引き合いに出したため、魯迅の名声が高まったと言われる。
⚫︎感想
都合の良い方ばかりを信じる人間の習性、何も学ばない人間の行き着く先は、身の破滅。常に広い視野を持とうという姿勢を大事にしなければならない。興味がなかなかわかない、でも大切だと思うことにも、一通り知識は持っていたい。続きを読む投稿日:2023.10.31
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。