日本の景気は賃金が決める
吉本佳生(著)
/講談社現代新書
作品情報
いま必要なのは、正社員の賃上げよりも、ハケン・バイト・パートの時給アップだ! アベノミクスの成否を分けるポイントとは? 生活ダメージを抑えてインフレ目標を達成する方法とは? 「景気刺激策としての賃金格差是正」、「都市部の不動産バブルを受け皿に!」、「人口の都市部集中こそ最高の成長戦略」・・・。日本の景気を回復するために、本当に必要な「三本の矢」を説く、人気エコノミストの日本経済論。(講談社現代新書)
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商品情報
- シリーズ
- 日本の景気は賃金が決める
- 著者
- 吉本佳生
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2013.04.17
- Reader Store発売日
- 2013.04.19
- ファイルサイズ
- 6.8MB
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この作品のレビュー
平均 3.9 (19件のレビュー)
-
P:302 推定文字数:193280(32行×40字×P)
抜き書き:1436字 感想:340字 付箋数:6
(対ページ付箋:1.98%、対文字抜き書き:0.74%、対抜き書き感想:23.6%)
…
データとグラフの引用が多いので、直接本書に当たると具体的な数値の見方がとても参考になります。
・平均寿命は先進国中でいちばん長く、乳幼児死亡率は先進国中でいちばん低く、肥満率も先進国中でいちばん低い。世界一の健康大国といえるのが、日本です。
肥満は生活習慣病などの根本原因となりますから、肥満率が低いことで、日本の医療支出は低く抑えられるはずです。実際に、GDP比で保健医療支出の大きさをみると、日本は欧米の主要先進国より低い保健医療支出で、いちばんの長寿を達成しています。
>>/> 医療費は問題になっているけれど、それでも他の先進諸国よりはいいのか。知らなかった。
・「現金給与総額」の動向は1997年から2011年までのあいだ、年平均0.92%のペースで下落している。ちょうど、消費者物価(コア指数)の4倍のスピードで下落したことになります。物価について、多くの国民がインフレを嫌い、デフレのほうがよさそうだと感じるのは、ふつうなら、デフレによって所得が実質的に増えるからです。
>>/> これを知らないと、デフレとインフレのどちらが良いものか論じても意味が無いと気付けない。
・(日本銀行で)ふつうに業務をしているだけで、それに応じて日本経済のなかにおカネがたくさん流れるときも、日本経済からおカネがたくさん回収されてしまうときもあるのです。日本経済に流れるおカネの量を「湖の水位」にたとえるなら、日本銀行は、あちこちから水が流れ込んだり、流れ出したりする湖の水位を、できるだけ安定させる仕事を日々おこないながら、長期傾向として、水位を上昇させようとします。
>>/> イメージで捉えると僕には分かりやすいな。今の問題は出て行く量が滞ることだろうけれど、湖の水位調整だけでそれを何とかするのも限界がある。
・今日は水曜で、たまたまA銀行でおカネが不足したとします。するとA銀行は、明日の木曜までの一晩だけ、不足したおカネを借りようとします。明日はあまるかもしれませんから、とにかく一晩だけおカネを借りるのが基本になるのです。B銀行が貸してくれることになったとします。このように銀行間で短期の貸し借りをする金融市場のことを、日本では「コール市場」と呼びます。アメリカでは「FF(フェデラルファンド)市場」と呼びます。
…コール市場では、数日おカネを借りてもいいのですが、一晩だけ借りるのが基本で、これを「翌日物」と呼びます。(アメリカではオーバーナイトと表現する。これが「政策金利」と呼ばれるもので、日本銀行は必要に応じて民間銀行におカネを回したり引き上げたりして、この金利の調整を図る)
こうして、たった一日(一晩)だけのおカネの貸し借りの金利を誘導する目標を設定するのが、金利面での金融政策です。
とても地味な政策にみえます。しかし、一日の積み重ねが一週間になり、一ヶ月になり、一年になります。だから、政策金利であるコール金利(アメリカならFF金利)の誘導目標を設定し、その目標を上げたり下げたりする政策は、ときに10年とか30年とかの長期の金利に影響を与えたりします。
>>/> 小さな事の積み重ね。基本、根本に近い事は更に小さな、地味な、事の積み重ねなのかも知れない。
・何度でも強調します。日本銀行がどんどんマネタリーベースの供給を増やせば、資産価格のインフレ、すなわちバブルが世界のどこかで起きる可能性は十分に高い。1980年代以降の経験では、日本銀行の金融緩和は、消費者物価には直接影響をせず、世界のどこかで資産価格のバブルを起こすことで、日本の景気を左右してきました。
>>/> 円キャリーで、原油など資源高が更に日本に跳ね返ってくる皮肉。
・日本では、勤続年数が15~19年になると、最初の4年よりも44.5%高い賃金がもらえます。20~29年になると73.4%も高い賃金、30年以上になると93%も高い賃金がもらえます。これが当然だと思っている日本人はたくさんいるのでしょうが、ヨーロッパの主要先進国ではこれほどの格差はみられません。
たとえばフランスでは、勤続年数が15~19年でも20~29年でも30年以上でも、賃金はほぼ同じです。しかも最初の5年での賃金より25%高いだけです。
>>/> 著者は、男・大(大企業)・正(正社員)・長(長期勤続)グループに日本では既得権が大きいと主張している。組織が腐りそうなインセンティブだ。続きを読む投稿日:2014.06.15
アベノミクスを違った観点で再検証できる本。賃金格差、賃金デフレという切り口で、アベノミクスが本当に効くのか再考させてくれる。結論としては、一般に聞かれるアベノミクス議論では、細かい部分の説明が不足して…いて判断できないというところ。金融緩和が資産バブルにつながった過去事例の再現とならないことを祈るのみ。日本の内需は大きいことを認識させてもらったことは大きな収穫だった。
続きを読む投稿日:2018.11.12
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