一睡の夢 家康と淀殿
伊東潤(著者)
/コルク
作品情報
先に尽きるのは家康の寿命か、豊臣家の命脈か。
まったく新しい「家康像」を描き出した本格歴史小説!
時は「大坂の陣」の数年前――。いまだ盤石でない徳川幕府を案じる老齢の家康は、二代将軍である息子・秀忠を揺るぎない天下人にするための体制づくりを急いでいた。一方、豊臣家の威信凋落を肌身で感じる淀殿は、愛息・秀頼の復権に向けた効果的な打開策を見つけられず、焦燥感を募らせていた。宿命と因縁に翻弄され、矜持と野心の狭間で揺れ動く二人は、やがて雌雄を決する最期の戦いに、それぞれ活路を見出そうとするが……。
父であるが故の、母であるが故の苦悩と喜び。親が子に寄せる想いが時代を動かす――。
己の「死」の先に見出そうとした「希望」とはいったい何だったのか?
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 一睡の夢 家康と淀殿
- 著者
- 伊東潤
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- コルク
- 掲載誌・レーベル
- コルク
- 書籍発売日
- 2022.12.14
- Reader Store発売日
- 2022.12.27
- ファイルサイズ
- 5.4MB
- ページ数
- 480ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 4.5 (6件のレビュー)
-
感動作間違い無しの傑作です。
家康、秀吉のお話は過去に何度も読んでいましたが、今回の物語はあらためて考えさせる問題作でした。知ったつもりで読みましたが、これほどまでに深く追求した作品なかったと思います…。続きを読む投稿日:2022.12.13
幾つもの新作を愉しんでいる作者が、また新しい作品を上梓したと知って本を入手した。紐解き始めると、読んだ部分の続きが気に掛り、何か「停められない…」という具合で、細かい時間を設けてドンドン読み進め、素早…く読了に至った。そして読後の余韻に些か浸っている。
少し前に同じ作者による『天下大乱』を読了している。『天下大乱』は関ヶ原合戦を描く物語であった。本作はその『天下大乱』の少し後の時代を背景とする物語だ。大坂城で豊臣家が滅びてしまう「大坂の陣」を背景としている。
『天下大乱』では毛利輝元と徳川家康が主要視点人物とされて物語が展開した。本作は、その『天下大乱』で描かれた関ヶ原合戦を戦った徳川家康の「その後?」という雰囲気も少し滲む。本作では徳川家康が一方の主要視点人物となり、大阪城の側で淀殿、または御袋様こと茶々が他方の主要視点人物となっている。徳川家康側の挿話、淀殿側の挿話と交互に現れて物語が進んでいる。
本作の物語は1606年頃から起こる。将軍の座を後継者の徳川秀忠に譲った徳川家康が在り、自身の来し方を振り返りながらも息子の豊臣秀頼が後継者となっている豊臣家の行く末を想う淀殿が在るという情況だ。本作は“前史”というような辺りから「大坂の陣」の様相を説くような物語になっている。
小説や映像作品に登場する“史上の人物”は、結局は「“史上の人物”に着想を得た“劇中人物”」ということになるのだとは思う。が、その“劇中人物”が醸し出すモノによって、“史上の人物”について「こういうような感じ…」という「幅広く人々が抱く感じ」が形成される側面も在るかもしれない。
「大坂の陣」の「攻める側」ということになる徳川家康と、「攻め滅ぼされる側」ということになる淀殿に関しては、実に多くの小説や映像作品に登場している。故に“劇中人物”として「幅広く人々が抱く感じ」が或る程度拡がって、何となく「公約数的なモノ」が在るのかもしれない。
しかし本作では、そういう「公約数的なモノ」が排されていると思う。徳川家康も淀殿の各々に「擁している後継者を見守り、自身の来し方を振り返りながら、次代に想いを巡らせ、動く“事態”に臨む、または動かそうとする」というように造形されていると思う。
本作は「合戦絵巻」的に「大坂の陣」が描写されるというのでもない感じだ。「合戦絵巻」的な感もする物語は、別な作者の作品を比較的最近も何作か読んだが、それらとは明らかに異なる。「大坂の陣」へ至ってしまうまでの、2人の主要人物達の想いの遍歴、そして戦いの真只中での彼らの想いという辺りが主題だと思う。それ故に「長き人生を振り返って…」とでもいうような問いに対する回答例の一つのような「一睡の夢」という語句が題名になったのかもしれない。
更に本作は、織田信長、豊臣秀吉という「天下人」達と徳川家康との「大きな差異」を解き明かすような感も強いかもしれない。「大きな差異」とは「築き上げたモノを後代へ受継いで行く」という事への意識の向け方と活動ということになるであろう。
加えて本作では「“政”?」というようなことを強く感じさせる部分も在ったと思う。徳川陣営の部内の様々な動きや、目的に合わせて事態を動かすというのか、起こった事態に応じて目的を鮮明化することを図るというのか、或いはこういうのは「時代を超えている」という現象かもしれないと思った。
徳川家康による部分と、淀殿による部分とが交互に現れる本作だが、自身の好みとしては「来し方」の部分がより多いような淀殿の部分がより好きかもしれない。少女時代以来、「落城」の中に3回も身を置くこととなった淀殿の波乱の生涯は余りにも劇的だ。
「擁している後継者を見守り、自身の来し方を振り返りながら、次代に想いを巡らせ、動く“事態”に臨む、または動かそうとする」という2人の主要人物による物語なのだが、何か「仄かに現代が投影?」というような気がしないでもない。そういう余韻が深いと思う。広く御薦めしたい作品だ。続きを読む投稿日:2023.01.19
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。