悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史
古川愛哲(著)
,川崎敦文(その他)
/講談社+α新書
作品情報
幕府に対し抗議の切腹! 婚活支援も代官の仕事! 「水戸黄門」が描く江戸時代は史実と正反対!? 借金だらけの質素な生活に文句もいわず、領民の生活向上のために汗を流した真の武士――今日、代官といえば「悪代官」が定番である。頭巾をかぶり、お忍びの姿で豪商を訪れ、山盛りの切り餅(二十五両の包み)を前に、「むふふ、お主もワルじゃのぉ」「お代官様にはかないません。わっはっはっ」と「賄賂を取り放題、悪行三昧」の場面をテレビなどで見かける。これは大正時代に一世を風靡した、立川文庫の講談本『水戸黄門漫遊記』から始まるようだ。そして、昭和44年(1969)8月から始まったテレビの『水戸黄門』により、代官は完全に悪役の汚名を着せられ、世間に定着させられたのである。しかし、江戸幕府の270年わたる繁栄を支えたのは紛れもなく代官たちであり、そこには多くのドラマが隠されている。
●徳川家康も一目置いた名代官とは
●「婚活」の世話も代官の仕事?
●代官と商人の涙ぐましい関係
●江戸時代の百姓一揆は1件だけ?
●代官も直面した中間管理職の苦悩
●超多忙だった南町奉行・大岡越前
●「遠山の金さん」のリアルな姿
●時代劇には登場しない無頓着代官
●代官が行った世界初の偉業とは
●アメリカの土を踏んだ代官の無念
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商品情報
- シリーズ
- 悪代官は実はヒーローだった江戸の歴史
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社+α新書
- 書籍発売日
- 2010.12.21
- Reader Store発売日
- 2022.11.25
- ファイルサイズ
- 0.7MB
- ページ数
- 192ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (8件のレビュー)
-
テレビの時代劇に出てくる代官さんは悪代官が多いけれど、実際の江戸時代の代官さんは今の一般国家公務員同様苦労多くて益が少なく、実直で優秀な実務家が多かったという。
むしろテレビでは良い人の「遠山の金さん…」のモデルの遠山金四郎さんは天保の改革で芝居小屋を閉鎖しようとした幕府に反対したことで歌舞伎役者の支持を得たからイケメン有能奉行として芝居になっただけで実際は見た目も能力も微妙な方だったらしい。
この本を読んで実際の歴史とTVで知っている話は全然違ったりするのだな…と思いました。メディアの影響って大きいね。続きを読む投稿日:2021.01.22
江戸時代を描いたドラマでも小説でも漫画でも悪者の代名詞として使われてしまう悪代官。
しかしこの本を読むと代官への認識が180度変わるだろう。
薄給で多忙ですすんでなりたがる人の殆どいない中間管理職。
…困窮した領民の為に私財を投げうったり切腹覚悟で行動を起こしたりした代官のなんと多いことか。
それなのに現在はやたらと町奉行が英雄視され代官は悪いことをするという認識がまかり通っている。
演出と史実を混同してしまうのも悪いといえば悪いが、名代官を主役にしたものがなさすぎるのもどうかと思う。
読めばわかるが、史実にのっとった名奉行は殆どおらず名代官の多さにびっくり。
そして時代が下がるにつれての町奉行の腐敗ぶりにもびっくり。
そして学校の教科書で習った歴史のいい加減さにも更にびっくり。
士農工商の厳しい身分制度で一生身分が変わらないなんて事はなく、才覚があれば農民から幕府の要職にまで上り詰めることも不可能ではなかったんだよねぇ。
さらにはかなりの訴訟社会でもあった訳だ。 農民も町民も庶民もなにかありゃぁバンバン訴え出てたと。
こんなの学校では習わなかったもんなぁ。
試験の為の勉強より、こういった話を授業で沢山した方が確実に歴史を面白いと思う人が増えるだろうに。
とこの手の本を読むと毎回思う。続きを読む投稿日:2018.10.28
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