権力は噓をつく――ベトナム戦争の真実を暴いた男
スティーヴ・シャンキン(著)
,神田由布子(訳)
/亜紀書房
作品情報
権力者のメンツ、エスカレーションの必然性、内政とのバランス……。
──戦争の構造は、驚くほど、いつも同じだ。
----------------------
1960年代、冷戦期に軍事アナリストとしてペンタゴンで働いていたダニエル・エルズバーグは、ベトナム戦争が権力者のメンツや選挙対策によってエスカレートしていくことに疑問を持ち、政府の機密文書「ペンタゴン・ペーパーズ」の暴露を決意する……。
----------------------
インサイダーによるリークは正当化されるのか?
戦争はどのように作られ、継続するのか?
なぜ権力者たちは、戦争を止めないのか?
彼らのメンツは、兵士や市民の命より大切なのか?
報道の自由とは? 国民の「知る権利」とは?
──戦争の構造は、変わらない。
──権力は、その力の維持を自己目的化していく。
資料を縦横無尽に駆使しながら、推理小説のように一気に読ませる歴史ノンフィクション。
----------------------
キッシンジャーは、米機が攻撃しているのは軍事関連、工業関連施設だとして空爆を擁護した。たまたま民家や病院に爆弾が落ちたこともあったが、民間人の死亡は気に留める必要なしと思ったのか、キッシンジャーはさらりと流して終わった。「一般市民の死者数はおそらく四〇〇名から五〇〇名にすぎません」(本文より)
もっとみる
商品情報
- 著者
- スティーヴ・シャンキン, 神田由布子
- 出版社
- 亜紀書房
- 書籍発売日
- 2022.09.22
- Reader Store発売日
- 2022.10.07
- ファイルサイズ
- 7.5MB
- ページ数
- 384ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 2.0 (2件のレビュー)
-
1945年から1967年までの米国のベトナムへの政治的および軍事的関与を記した文書、「ペンタゴン・ペーパーズ」を題材としたノンフィクション作品。ペンタゴン・ペーパーズをリークした主要人物であるダニエル…・エルズバーグ氏が本書の主人公にあたる。アメリカがベトナム戦争に本格介入し、エルズバーグがペンタゴン内部で勤務していた1964年から、米軍撤退が完了する1975年までを扱う。「インサイダー」「秘密と嘘」「アウトサイダ-」の3部、約360ページ。
米国のベトナム撤退とニクソン失脚の一因となったエルズバーグによる政府機密文書の漏洩だが、当初のエルズバーグはタカ派で米国の軍事行為を支持していた。本書はそんなエルズバーグがベトナム駐留や恋人であるパトリシアとの関係を経て反戦派へと転向し、自らが逮捕されて罪に問われる危険をかえりみず機密文書の公開に踏み切るにいたるまでの過程を描いている。
ベトナムにおける米軍の活動と米国政府中枢の動向を伝える本書は、エルズバーグの物語であるとともに、ジョンソンとニクソンという二人の大統領の物語でもある。とくに後半ではニクソン失脚の直接的な原因となったウォーターゲート事件の経緯にも触れ、実行犯たちがエルズバーグの破滅を目的とした工作を指示されていた事実も明かされる。
読み終えての感想として、帯にある「推理小説のように息つく間もなく描く歴史ノンフィクション」という謳い文句については、テンポは悪くないため嘘ではないが、誇張気味に感じた。また、エルズバーグの内面の葛藤と主戦派から反戦派への転向という起伏はあるものの、そもそもエルズバーグ自身が機密文書をリークしたという以外には、政府内部でとりわけ重要な人物だったわけでもないらしく、スパイ小説のような面白さはない。それを補うためか、所々でエルズバーグと二人の大統領以外の人物にスポットが当たる場面もあるのだが後に回収されるというわけでもなく、むしろ唐突で取って付けた感が残されてしまう。
ストレートな書名に偽りはなかった。ベトナム戦争が当初から負け戦として正確に分析されていたにも関わらず、歴代の大統領による「米国初の敗戦の将になるわけにはいかない」というメンツを実利に優先した結果、多大な犠牲者を生み出してしまった歴史的な教訓は十分に伝わった。一方で先述のとおり、漏洩行為に関する勇敢さを除いた主人公・エルズバーグのインパクトの薄さもあって物語としての魅力には乏しく、ストーリー構成の取捨選択にも疑問が残る。ノンフィクションながらストーリーテリングが問われる部類の作品だと思うのだが、お話としての面白さは物足りず、とりたてて史実としての意外性も見当たらなかった。続きを読む投稿日:2022.09.26
ベトナム戦争時代の戦略家エディスバーグにスポットをあてた本。
今のプーチンとは違うが独りよがりの恐ろしさを感じます。投稿日:2023.01.31
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。