徹底検証 日本の右傾化
塚田穂高(著者)
/筑摩選書
作品情報
日本の右傾化が進んでいると言われて久しい。実際、ヘイトスピーチや改憲潮流、日本会議など、それを示す事例には事欠かない。ならば日本社会は、全般的に右傾化が進んでいるのか? 本書ではその全体像を明らかにすべく、ジャーナリストから研究者まで第一級の書き手が結集。「社会」「政治と市民」「国家と教育」「家族と女性」「言論と報道」「宗教」の六分野において、それぞれ実態を明らかにしていく。いま、もっとも包括的にして最良の「右傾化」研究の書である。 ※ 著者からの申し出により、本電子書籍版に「第6章 有権者の「右傾化」を検証する」は収録されていません。
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商品情報
- シリーズ
- 徹底検証 日本の右傾化
- 著者
- 塚田穂高
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- 筑摩選書
- 書籍発売日
- 2017.03.14
- Reader Store発売日
- 2022.08.29
- ファイルサイズ
- 6.5MB
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この作品のレビュー
平均 4.0 (8件のレビュー)
-
日本の右傾化を様々な面から分析し、検討している本である。
個人的には憲法二十四条について論じている第Ⅳ部「家族と女性」が印象に残った。戦前回帰を志向する勢力は、一見文句のつけようのない文言で自分の…思惑を巧妙に実現しようとするが、憲法二十四条の改定案は、それを最も端的に表していると思う。
例えば自民党は、世界人権宣言を参考にしたとして、「家族は、社会の自然かつ基本的な単位として、尊重される」という一文を入れることを提案している。素直に読むと別におかしなことは言っていないし、確かに世界人権宣言に同様の記述はある。ただし世界人権宣言には、この前提として、婚姻が当事者間の自由で完全な合意のみで成立するという規定があり、個人の意志で夫婦となったものが尊重されるという流れになっている。
ところが自民党案は、この前提を無視しているどころか、現行の「婚姻の成立は両性の合意のみに基づく」という規定から「のみ」を削除しているのである。これは旧来の家同士の結びつきのように、必ずしも両者の合意ではない結婚を許容する余地を拡大することに繋がりかねない。そのうえで家族が「尊重されるべき一つの単位」となると、夫婦は容易に別れられるものではないという縛り強くかかることになるだろう。家族が基本単位として尊重されるということは、家族自らが自分たちの関係を簡単には解消できないものととらえない限り、成立しないからである。
この一見麗しい傾向は、油断していると、DVの許容や、子供を持てない関係、例えばLGBTへの不寛容へ、更には高齢者への社会保障の後退へと容易に結びつく。親の面倒を子供が見るのが「自然かつ基本的な単位」である家族のあるべき姿だからである。
その他本書は、教育、宗教、報道等からこの国の右傾化を多角的に考察している。「浅い」「実証抜き」などと書いている書評も少数見かけるが、私は、この国の右傾化をこれほど深く、しかも簡潔にまとめた本を他に知らない。得るところ大である。是非一読を勧めたい。
本書の編者はまだ若い学者である。研鑽を積み、更なる良書を世に送り出してほしい。続きを読む投稿日:2017.07.10
21人の執筆者がそれぞれの関心領域について書いたもの。各領域に関するイントロダクションが読めるので、入門編としてはもってこい。
なかでも憲法24条に関する記述は興味深い。9条ばかりが前面に出ているが、…右傾化に関する本命は24条のようですね。
とはいえ、それぞれの文章は短いので概論で終わっていたり検証不足に感じたりすることはある。それを求めるなら、参考文献に当たるべきなのだろう。
編者が書いている
「沖縄、大阪、外交、防衛、労働、企業、大学や、日本青年会議所(JC)などの経済団体、モラロジー研究所や倫理研究所などの修養団体など、紙幅や執筆者の都合で取り上げきれなかったテーマは数多い」
というのは、確かにそれらも読みたいと思わせる。
でもまあ入門編としての役割は本書で果たせていると思いますけど。続きを読む投稿日:2023.09.23
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