プロ野球「経営」全史 球団オーナー55社の興亡
中川右介(著)
/日本実業出版社
作品情報
長嶋も江夏も、イチローも大谷も登場しない、オーナー企業の視点から描く日本プロ野球「経営」全史!
1936年から歩みを始める日本プロ野球の歴史は85年。その間、球団オーナーとなった会社(個人も含む)は55社にものぼります。草創期の鉄道、新聞から、戦後の映画、食品、流通小売、そして21世紀に入ってからのITベンチャーまでの流れは、日本経済の構造変化と産業交代の姿そのものです。
草創期から変わらぬ球団がある一方で、1年に満たずに撤退したオーナー企業もあり、日本の会社の栄枯盛衰を描いた経営・ビジネス書として読みごたえがあります。
もちろん、本書はプロ野球本ですから、各球団オーナーの動向を時間軸に沿って追いながら、チームの年度別の観客動員数や順位、さらには世間を揺るがせた事件(「空白の一日」など)にも触れます。
「膨大な資料の中から埋もれていた史実を掘り起こし、歴史に新しい光を当てる」という執筆スタイルで評価の高い著者。本書では「経営」という切り口でプロ野球史を丸ごと取り上げた超意欲作です。
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商品情報
- シリーズ
- プロ野球「経営」全史
- 著者
- 中川右介
- 出版社
- 日本実業出版社
- 書籍発売日
- 2021.10.01
- Reader Store発売日
- 2021.11.12
- ファイルサイズ
- 15.2MB
- ページ数
- 448ページ
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この作品のレビュー
平均 4.2 (10件のレビュー)
-
中川右介さんはクラシック音楽関連の本が多数あり、半年前に「至高の十大指揮者」を読んだ。
阪神の大ファンであるらしく、日本プロ野球を牽引してきたのは巨人ではなく阪神だと主張するために書いた本らしい。
…1936年にプロ野球が発足した時は7チーム。
親会社が同じなのは阪神タイガース(大阪タイガース)だけ。
球場が変わっていないのも、阪神甲子園球場だけ。
これが牽引してきたという拠り所みたいだが、素直に凄いと思う。
プロ野球の変遷という視点で、戦前から戦後・現在に至るまでの日本の産業の発展と衰退の歴史の一端をたどることもできる本だ。
テレビの普及が映画を衰退させる要因となったが、同時にパリーグも衰退させ1970年代にはパリーグ消滅の検討までされていた。
本書には戦争で亡くなった選手、チームを率いる監督が何名か名前が出てくるが、監督以外で登場するプロ野球選手は、江川卓。
1973年阪急、1977年クラウンライターとパリーグのチームが江川の交渉権を得るが、江川は入団を拒否する。
そんなタイミングでクラウンライターは総理大臣まで巻き込んで、ライオンズを西武に売ることになる。
時を同じくして巨人は"空白の1日"を悪用し、江川との入団契約を画策する。
この計画はセリーグ会長も知っていて、西武への球団譲渡の条件に江川の交渉権を認めないことを伝えていた。
江川の背後には、作新学院の理事長でもあり自民党副総裁の船田中がいたので、西武は総理の福田赳夫も利用して江川への説得を頼む。
空白の1日事件の舞台裏にコミッショナー、政治家、球団経営者、出資者などのドロドロの根回しや目論見があった。
この事件で、江川卓の悪役イメージが作られてしまったが、特に政治家が絡んでくると裏金の流れも含み醜態をさらす分かり易い例だ。
現在の12球団、セパ2リーグ制になったのは1958年。
1958年の順位で示すと、
セ:巨人、大阪、中日、国鉄、広島、大洋
パ:西鉄、南海、阪急、大毎、東映、近鉄
1979年からの10年は、チームの変更なく過ぎる。
セ:広島、大洋、中日、阪神、巨人、ヤクルト
パ:近鉄、阪急、日本ハム、ロッテ、南海、西武
そして現在、2022年は、
セ:ヤクルト、阪神、巨人、広島、中日、DeNA
パ:オリックス、ロッテ、楽天、ソフトバンク、日本ハム、西武
パリーグはすっかり変わっているが、今応援しているチームがある人は、チームの歴史を知りたければ本書は最適だろう。
球団経営には野球が好きな人だけでなく、プロ野球を利用した金儲けしか眼中にない人も集まって来る。
小佐野賢治や渡辺恒雄などがいい例だが、本書には堀江貴文や村上世彰なども登場してくる。
阪神も村上ファンドに大量に株を買い占められ、経営に口出しされてピンチの時があった。
阪神タイガースが村上タイガースになっていたら、中川右介さんはこの本を書いていないのでしょうね。
私は特に阪神のファンではありませんが、阪神タイガースは"永久に不滅"であって欲しいです。続きを読む投稿日:2022.06.04
このレビューはネタバレを含みます
骨太なノンフィクション。
レビューの続きを読む
プロ野球の成り立ちからIT長者による買収までの
歴史がまとめられております。
鉄道会社がプロ野球に限らず百貨店などを運営するのは
あくまで鉄道を利用してもらうためのコンテンツ…として
位置づけられていたとは驚きです。
冒頭のプロ野球オーナー会社一覧図が
非常にわかりづらいのですが、
そうせざるを得ないくらい、複雑な歴史でした。
これを執筆するにあたり、どれくらいの文献を
読み込んだのか、
とてつもない量だと思います。続きを読む投稿日:2024.02.07
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