南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで
会田大輔(著)
/中公新書
作品情報
中国の南北朝時代とは、五胡十六国後の北魏による華北統一(439年)から隋の中華再統一(589年)までの150年を指す。北方遊牧民による北朝(北魏・東魏・西魏・北斉・北周)と漢人の貴族社会による南朝(宋・斉・梁・陳)の諸王朝が興っては滅んだ。南北間の戦争に加え、六鎮の乱や侯景の乱など反乱が続いた一方、漢人と遊牧民の交流から、後世につながる制度・文化が花開いた。激動の時代を生きた人々を活写する。
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商品情報
- シリーズ
- 南北朝時代―五胡十六国から隋の統一まで
- 著者
- 会田大輔
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2021.10.25
- Reader Store発売日
- 2021.10.18
- ファイルサイズ
- 9.4MB
- ページ数
- 304ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (10件のレビュー)
-
南朝については、近時復刊された『侯景の乱始末記』や文庫化された『梁の武帝』を読んできたので、比較的馴染みを感じていたところ、この時代の通史として、手に取りやすい新書で出された『南北朝時代』。
…北魏の華北統一によって始まった南北朝時代。
北朝と南朝それぞれ取り上げられているが、北魏については中途から中国化したこととか、均田制を始めたことくらいの知識しかなかったので、大変勉強になった。
例えば、「子貫母死」制。皇帝の実母や外戚による権力掌握を防ぐため、後継者の決定後にその生母を殺すというもの。また、中国的中央官制(外朝)と北魏独自の制度である内朝官(皇帝に仕える侍臣)の併設。
そして孝文帝により、いわゆる中国化政策が進められる。その背景事情としては、建国当初の遊牧中心の社会から、華北支配の浸透による農耕経済中心の社会へ変貌しつつあったこと、北族と漢人の通婚も増え、中国文化の受容も進んでいたことがある。具体的には洛陽遷都や礼制改革、内朝官を廃止し中国的官制に一本化などがなされた。
著者は、孝文帝がこうした大胆な改革を実施したのは、天下統一を新たな国家目標とし、中華皇帝を頂点とする貴族制社会を目指したからだとする。
諸改革によって北族内の格差が広がり、北辺に居住する中下層北族の不満が高まっていたところに、六鎮の乱が勃発、拡大していく。
実力者の変転、皇帝が短期間に変わり、とうとう高歓が実権を握る東魏(都は鄴)と、宇文泰が実権を握る西魏(長安が王都)とに分裂する。東魏は、漢人貴族と軍事力を担った勲貴と呼ばれる中下層北族とのバランスの中で孝文帝路線を継承する一方、西魏は六鎮出身者を中心とする中下層出身の北族が中核であり、復古的政策がとられた。
そして東魏→北斉に、西魏→北周に移った後、遂に北周が北斉を破り、華北を統一する。
(このころの北斉の人口は約二千万人、北周は約一千万人で、人口も経済力も北斉が北周を上回っていたなど両国の国力の差については、初めて知った。)
そして楊堅が禅譲を受け隋を建国、南朝の陳を滅ぼし中華を統一したところで、本書は幕を閉じる。
260ページほどの分量で、王朝が興亡した約150年の歴史を取り上げており、主として政治史中心の記述になっている。もう少し経済的観点からの説明が欲しかったとの気持ちはあるが、やや無いものねだりか。
ダイナミックな動きの時代をコンパクトに手際良くまとめており、概説書としてお勧めの一冊である。
続きを読む投稿日:2021.11.05
中国南北朝時代を扱った概説書。周辺諸勢力を含めた南北諸王朝のせめぎ合いを通して、異なる制度や文化が融合・伝播していく過程が分かりやすく叙述されている。この時代を知るための入口として優れた内容だと感じた…。続きを読む
投稿日:2022.11.10
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