マリー・アントワネットの娘
藤本ひとみ(著)
/講談社
作品情報
マリー・アントワネットの娘、マリー・テレーズは母の処刑後も生き抜き天寿を全うしたが、その人生は波乱に満ちたものだった。母の影響を色濃く受けた生涯の足跡をヨーロッパ各地にたどり、華麗にして過酷な運命を生きた一人の女性を浮き彫りにする歴史エッセイ。同時収録「マルゴ王妃」。
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この作品のレビュー
平均 3.3 (10件のレビュー)
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マリー・アントワネットの娘、
マリー・テレーズ・シャルロット・ドゥ・ブルボンと、
マルグリット・ドゥ・ヴァロワについて書かれた歴史エッセイ。
この頃の西欧の歴史のエピソードは総じてドロドロしていて好き…です。
世界一愛され、世界一憎まれた王妃の娘であるマリー・テレーズには、
これでもかという程の苦難が降りかかり、
たった1人の人生さえこんなに波乱に満ちているなんて、
世界はどれほどの物語を抱えて存在しているのだろうかと、
その大きさを再確認させられます。
マルゴ王妃に関しては、愛人ラ・モルが無くなった折に、
彼の首に防腐処理を施し、口の中に宝石を飾り、
彼女自身も喪服に身を包んで喪に服した…
という、何ともサロメめいたエピソードに心を奪われました。
色情狂…なんて言われているようですが、
夫のナヴァールも兄のアンリも相当歪んでいるようで、
此方は此方で気になったり。
世界自体が歪んでいるのだから、其処に生きる人も歪んでいて当然。
病んだ土壌には病んだ花しか咲く事は無いのです。続きを読む投稿日:2014.01.09
決して微笑んだことがないといわれたマリー・アントワネットの娘。
母マリー・アントワネットの影響を色濃く受けたその生涯の足跡をヨーロッパ各地にたどり、華麗にして過酷な運命を生きた一人の女性を浮き彫りにす…る歴史エッセイ。
併せて「マルゴ王妃」を収録。
「マリー・アントワネットの生涯」はとてもいい本だった。
とてもわかりやすかったし、客観的な視点で書かれていることも好感が持てた。
主観による解釈をしている部分についてはその根拠をしっかりと述べていた。
こういう歴史エッセイ(または解説書)に出会えることはめったになく、ぜひ他の著作も読んでみたいと思い手に取ったのがこの一冊である。
ところで、僕は歴史にその名を残す人物には二種類いると思っている。
ひとつは「歴史を創った人物」、もうひとつは「歴史に創られた人物」。
たとえば坂本龍馬は間違いなく「歴史を創った」男だ。龍馬がいなければおそらく明治維新はああいう形で決着することはなかっただろうし、下手をすれば倒幕は成らなかった可能性もある。
一方、その龍馬と同郷の志士、武市半平太は「歴史に創られた」男だ。
回天の時期に郷士の子として生まれたからこそ彼は時代に名を残した。
もし半平太が後藤象二郎らと同じ上士だったならもしかしたら何の志も持たず生涯を終えたかもしれない。
そういう意味において、マリー・アントワネットとその娘であるマリー・テレーズは対極の位置にいると僕は思う。
アントワネットは間違いなくフランスの歴史を動かした女性である。
彼女がもっと民のことを思いやる慈愛に満ちた王妃であったなら、いやそこまでではなくともせめて常識人であったなら、おそらく革命は起こらなかった。
逆にマリー・テレーズは時代に創られた女性だ。
ヴェルサイユに生まれ、年端もいかない頃から民衆に罵声を浴びせられる暮らしを余儀なくされ、両親とも弟や妹とも引き離され、声を失うほどに虐げられた悲運の少女だ。
彼女がその後の人生をただただ復讐に費やしたのだとしても決して誰も責めることはできない。
もしもこういう時代に生まれたのでなければ、まったく違う、幸せな人生を歩めたことだろう。
少なくとも生涯、笑顔を見せなかったというような悲運の人生だけは避けられたと思う。
アントワネットが時代に残した爪あとが愛娘の人生をも狂わせたのだ。
マリー・テレーズが真に憎むべきは放蕩の限りを尽した母と、悪人ではなかったがあまりにも凡庸だった父なのかもしれない。
なんとも皮肉なことだと思う。続きを読む投稿日:2020.11.29
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