日本車は生き残れるか
桑島浩彰(著)
,川端由美(著)
/講談社現代新書
作品情報
ガソリン車の廃止 世界規模の再編
日本経済の大黒柱は大丈夫か
世界の自動車産業を知り尽くすコンサルタント・ジャーナリストの描く未来
5年後の日本を走る車は……?
忖度なしに「自動車業界」の現状を描く
(主な内容)
日本車メーカーはなぜ安泰ではいられないのか
100年に一度の大変化――CASEの本当の意味
カーボンニュートラルに出遅れた日本
豊田章男トヨタ社長「渾身のメッセージ」の真意
クルマは「IoT」の「oT」になる
水平分業の大波で衰退した「家電業界」の悪夢再び
自社の技術よりも「社会的課題から考える力」が重要
スマートシティ戦略のフォード、自動運転を取りにいくGM
テスラとGAFAが引き起こした「モビリティ大戦争」
自動運転――日本の技術は本当に世界一か
急遽、会社を一から再編する欧州の自動車産業
下請け(サプライヤー)がメーカーより強くなる時代
もはや大衆車ではない。中国メーカーの高級車路線
「優秀なエンジン」だけでは勝てない現実
トヨタ・日産・ホンダそれぞれの「死角」
日本の自動車産業が克服すべき5つの弱点 ほか
GDPの1割を占める巨大産業の「生存戦略」
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商品情報
- シリーズ
- 日本車は生き残れるか
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2021.05.19
- Reader Store発売日
- 2021.05.19
- ファイルサイズ
- 13.7MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (14件のレビュー)
-
『日本車は生き残れるか』そのメッセージ性の強いタイトルとともに勉強になる本でした。 というのも私恐れながら自動車関連の営業担当をしており、業界勉強のためにこうした書籍から学ばないといけないと思い、読…んでみました。
業界関連のメルマガも購読しているので、なんとなくの会社名やキーワードレベルでは接することが出来ていた、というところではあるけれど、まだまだ自分の不勉強が痛感された、というところと、238ページの文庫本サイズにまとめてくださった著者のお二人には感謝だなと思った書籍でした。
ほんと、このような読書レビュを記載することは、はなはだお恥ずかしいレベルでして、機械工学科出身ではあるもののクルマに関しては、申し訳ないですがほとんど興味なく、とにかく仕事のために勉強しております。(ほんと最後の謝辞の部分の川端さんのクルマ愛がすごくて申し訳なくなるレベルです…。 そうなんですよねこのクルマ愛がすごすぎて僕にはつらいという事実もあります…。)
本の概要としては、はじめにの記載で川端さんが今の日本の車産業の危機感およびCASEに関して概要を述べていただいたのち、桑島さんが欧米中国の状況をそれぞれ端的にリポートしていただいた後、最終章で「日本車は生き残れるか」の観点にて川端さんからの課題提起と提言がある、という構成。不勉強な私でもなんとかついていけるレベルにまとめていただいており、はなはだ感謝です。
それとともに、以下のメッセージが、やはり本書の中で重要な位置づけだと思いますので、この部分は先に抜粋引用しておきます。
===========
これだけは誤解のないように最初に申し添えておくが、本書の執筆は、「欧米では… それに比べて日本では…」という、欧米に比べていかに日本が駄目なのかということを語るような、いわゆる「出羽守(でわのかみ)」が目的では断じてない。そうではなく、日本の自動車産業も一刻も早く、垂直統合のモノづくり至上主義から脱却し、水平分業まで視野に入れた上で、モノづくり以上の付加価値を生み出すことで“日本経済の大黒柱”であり続けてほしいからこそ、書いておきたいと思ったものだ。
日本の自動車産業にはまだまだ戦える素地が残っている。
===========
さて、改めまして、抜粋引用となります。(自分が勉強のために抜粋するということもあり、皆様にとって有益かどうかは不明です)
===========
P47
結論めいたことを言えば、これからの時代に日本の自動車産業が目指すべきなのは、「スケーラブル(拡張可能性=ユーザーや仕事の増大に適応できる能力)、かつ、サステナブル(持続可能性のある)な事業の創出」だろう。具体的には「社会の課題を起点とし、事業のあるべき姿や目指すべき方向性を考える」、「社会に必要とされる、意味のある、欲しいと思われるサービスを作り出す」といったことだ。そのためには、自社の技術や製品にこだわらず、買収合併を含めた外部との連携を積極的に推し進めるという選択肢も重要になってくるだろう。
P120
アプティブの場合で言えば、正解かどうかはわからずとも、急速にデジタル化が進行する中で自動車産業の未来を予測し、将来的な自社の立ち位置と付加価値の源となるプロダクトを自ら考え抜き、実現のための必要な能力を身につけるため、必要ならば外部からの技術調達も厭わない――そのプロセスと姿勢こそが重要なのだ。 答えが見つからない中でも、複数のシナリオを予測し、通るべき失敗は早めにクリアし、スピードでは負けないことが彼らにとっての最優先事項なのだ。 「失敗しないこと」が最優先である時代は終わったのである。
P184
コネクテッドカーの本質は自動車と通信インフラ等との接続であり(略)すべてのアプリはOSにより実行される。したがってOSシステムの健全性、安全性はコネクテッドカーの運命を決定するカギである。ゆえに自動車メーカー自身で責任をもって開発すべきである」
P209
このまま独立路線を貫くのはやはり得策ではない。現状の中規模なポジションからの脱却を検討すべきだ。
それがプラスと判断するならば、思い切って四輪事業を資本提携先のGMに売却するくらいのオプションがあってもいい。過去のコアコンピタンスだったエンジン開発部門は、ホンダの開発を引き受ける前提で独立させ、他の自動車メーカーや船舶などのエンジン開発も請け負う。投資回収はあと20年のうちに行い、2030年に究極の高効率エンジンを開発して幕引きをはかる。四輪部門の売却で得た原資をもとに日本の二輪メーカーを束ねて事業を絶対的に強化する――というドラスティックなシナリオを描くほど思い切った改革も視野に入れるくらいの気概がほしい。
P231
デジタルの時代、コネクテッドの時代には、データをオープンに管理し、他社との連携を行うことでデータを共有し、適宜フィードバックを行うことで、よりユーザーが使いやすいプラットフォームに改良し、エコシステム全体の価値を高めていく――というビジネスモデルが一般化する。自動車産業にとっては、その一つの形態がコネクテッドになった時代のモビリティサービスなのだ。
「形のないもの」への偏見を捨てなければ、このエコシステムの中で激化する生存競争にはついていけなくなるだろう。
===========続きを読む投稿日:2021.09.09
2021年に書かれた本だがすでに古い
各社が社内でどんな検討をしているのかへの取材が不十分で古い公開情報から何とか本を書いたのだろう
特に日本の会社は積極的に外部発信しないので足を使わずに書けばこの…程度の内容になると思われる
自分がその中にいたためよく覚えているが、国内でも有名メーカーは2015年にはCO2に対する懸念を持っていたし、その将来検討の途中でパリ協定が発行され計画がパリ協定や国際基準を満たすことを確認したりしていた
また特に残念だったのは設計会社から「製造」を委託されることで成長した会社も世界には多くあるし実際本書でも紹介されているが、そう言った会社への転換の可能性を述べることはなく、「CASE」への距離感やアプローチの多寡で評価している点
まさに自社で検討しているが生産を外部委託したところで世界のCO2が減るわけではない、消費者が喜ぶわけではない
現在流行りの外部委託は近視的に評価されているが地に足をつけた活動の強さを無視している
また、トヨタが今まさに激怒している国の取り組みの悪さに対して記載がほぼない
日本の自動車メーカーがなぜ遅れているのか、を日本固有の文化価値観で片付けては安全圏から批判しているだけである
ここまで広い視点知識があるなら国ごとの法規や規制なども記載し問題提起してほしかった続きを読む投稿日:2023.01.04
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