手話の学校と難聴のディレクター ――ETV特集「静かで、にぎやかな世界」制作日誌
長嶋愛(著者)
/ちくま新書
作品情報
東京都港区には、日本でただ一つの、「日本手話」を第一言語とした教育を行うろう学校がある。その名は「明晴学園」。2017年の春、この学校の子どもたちを主人公にしたドキュメンタリーを撮影するために、一人のTVディレクターがこの学校を訪れた。実は彼女も難聴者だ。聞こえる人と共に仕事をするなかで、様々な葛藤を抱えていた。「「共に生きる」はきれいごと?」「私は社会のお荷物?」。難聴のディレクターが手話で学ぶ子どもたちの姿を通して日本社会の現実と未来を見つめた、一年間の記録。
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商品情報
- 著者
- 長嶋愛
- ジャンル
- 教養 - ノンフィクション・ドキュメンタリー
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま新書
- 書籍発売日
- 2021.01.08
- Reader Store発売日
- 2021.04.02
- ファイルサイズ
- 6.4MB
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この作品のレビュー
平均 4.7 (9件のレビュー)
-
相当よかった。要点をまとめるなら、「著者は、誰かの可能性について、その人だからわかることがあるをことを理解した」という話であると思う。
ろう者の著者が、ろう学校のドキュメンタリーを撮るなかで、ろうの…学生がろうであるなかに可能性を見出していることを知り、また聴者の視聴者や他のディレクターなどが、ドキュメンタリーを受けて何ができるのか問われ、それに対して応えていくことができることを知った。
気を遣って、聞かない方がいいことや、ここまで踏み込まない方がいいこと、という壁を自分で作りがちだが、大方の予想に外れて本人はもっと可能性を持っていたりする。そのとき、当然信頼関係がある上で、だが、一歩踏み込んでいい、と勇気づける。著者がろう者と聴者と両方いたからこのドキュメンタリーができたと語るのは、まさに両方の視点で両方の可能性を広げるドキュメンタリーとなったからだと思う。
多様性は、違いのある人間がお互いの可能性を問いかけ、お互いにこれを広げ合うことができるという意味で面白いと思った。
あとめっちゃ単純に、日本語対応手話と日本手話が別物で、かつ日本手話は日本語と別文法の別言語で、日本語に訳すのが結構難しいということも知り面白く、また勉強になった。さらに、この本のクライマックスの一つであると思うが、「耳が聞こえるようになる魔法の薬があるとしたら、飲みたいか」という問いかけに対するろう学生たちのこたえは当然のことでありながらも、自分の常識を反省した。
読みやすさ、見聞を広げてくれる、視野を広げてくれる、重要なテーマを扱っている、などの点でとても良い本である。続きを読む投稿日:2021.06.28
明晴学園の短い紹介動画を見たことがあり、そこに映っていた子供たちの、とにかく明るく楽しそうな様子が印象に残っていて本書を手に取った。
手話で話す人は表情豊かだと思っていたが、補助的なものではなく、顎や…眉の動かし方で意味が変わるというのは初めて知った。
第一言語(母語)を獲得することは思考能力を育む上で大変重要だと思っているので、明晴学園の教育方針には賛同している。卒業後、聴の世界に出たらどうするのかという批判はやはりあるようだが、それについていくつかの答えは本書に登場する子供たちが出している。学校生活の体験はその後の人生に大きく関わるので、未来を見据えすぎるよりのびのびと母語で過ごした方が単純に良いのではと思った。
生徒たちが日本語で書いた作文の文章は拙いというか自然じゃない部分があり、日本手話と日本語が別言語であるということがよくわかった。
(疑問:今度調べたい)
聴者の家庭に生まれたろうの子はどうやって日本手話を身につけるのか。日本語対応手話なら聴者の親もなんとか身につけられる気がするのだが、文法が異なる日本手話は難しいのではないか。母語の獲得=日常的に聞く(見る)ことが必要だと思うので、一体どのようにしているのだろう。それともろう者は全員日本手話が話せるわけではないのだろうか。
ニュースの手話通訳は日本手話と日本語対応手話どちらなのか。
続きを読む投稿日:2024.03.17
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