コロボックル物語1 だれも知らない小さな国
作品情報
私たちが、すっと読み継いでいきたい物語。250万人が愛した、日本の小人(コロボックル)の物語、復刊! ――びっくりするほど綺麗なつばきが咲き、美しい泉が湧き出る「ぼくの小山」。ここは、コロボックルと呼ばれる小人の伝説がある山だった。ある日、小川を流れる靴の中で、小指ほどしかない小さな人たちが、ぼくに向かって手を振った。うわあ、この山を守らなきゃ! 日本初・本格的ファンタジーの傑作。<全6巻>
◎「久しぶりで本書を読んで感じたのは、これはなんと、純度の高いラヴストーリーそのものではないか、という驚きだった。」<梨木香歩「解説」より>
◎「初版が出て五十一年、いつのまにか本は半世紀を越えて生き、作者の私は八十歳を過ぎてしまった。いくつになろうと、私が作者であるのはまちがいないのだが、このごろはなんとなく自分も、読者の1人になっているような気がする。そして読者としての私も、この再文庫化を大いに喜んでいる。」<佐藤さとる>
◎「これが、僕がコロボックルを描く最後になるかもしれない。」<村上勉>
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商品情報
- シリーズ
- コロボックル物語
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2010.11.12
- Reader Store発売日
- 2021.02.19
- ファイルサイズ
- 27.7MB
- ページ数
- 304ページ
- シリーズ情報
- 既刊6巻
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この作品のレビュー
平均 4.3 (68件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
小学2年生で初めて読んで以来ずっと大好きで、10代でも20代でも、30代に入ってもまだ読み返している。
レビューの続きを読む
自分にとっての読書体験のルーツなので、思い入れが強すぎるのは承知しているが、何がそんなに良いのか、今回の再読を機に考えてみた。
自分のそばでも小さな影が走るのではないか、雨蛙が落ちてくるのではないか、机の引き出しをあけるとそこにいるのではないかという、絶妙なリアリティがまず魅力である。
物語を読み終えて、ぱたりと本を閉じてからも、その空想はずっと止まらない。通学路を歩いていても宿題をしていても、物陰にはいつも彼らがいるような気がしていた。
この感覚は30代ともなるとさすがに薄れてしまうので、大人になってから読んだ人には通じにくいのかも知れないが、これが最大の魅力だというのは間違いないと思う。
それから小山の描写。
秘密の隠れ家は子どもの夢である。
いつもより遠くまで足をのばし、いつもなら入らないような草深い場所で、偶然に発見した秘密の小山。
完全に隔絶された異世界というわけではなく「トマトのおばあさん」のような地元の大人は知っているというのが、またどこかに本当にありそうな風情で良い。
その素敵な隠れ家をどうするかと思えば、地道に石を積み、草を刈るという現実的な手作業。生き生きとした植物や水辺の描写も相まって、ありありと目に浮かぶ。子どもの頃の夏休みの、あのありあまった永遠のような時間、どこかの水辺でぼんやりと見ていた光のゆらめきが、この物語にはそのまま封じ込められているようだ。
そう、小山はもはやせいたかさんだけではなく、私の思い出の一部なのだ。
そしてその場所が、夢みたいな思い出の地では終わらない。大人になって戻ってきて、本当にその手で家を建て、開拓していく。その前向きさ、望んだことを着実に一歩ずつ進めていく実現力は、ファンタジーが陥りがちな魔法とか運命とか不思議とかの力を借りて、なんとなく感動の幕の向こうで煙に巻いてしまうやり方とは違って、この現代に生きている私たち、ありとあらゆる人間が本来は持っている素朴な「意思の力」と「手の力」を、なんの疑いもなく、ときめきとともに示してくれている。こんなに地に足の着いた、現実の心に寄り添ってくれるファンタジーがあるだろうか。
コロボックルとの交流の仕方も同じことが言える。
相手を尊重しながら少しずつ距離を詰めていく。お互いが、どちらもが相手のことを調べに調べ、知るべきを知り、そして当人同士できちんと話し合って、問題意識を共有し、共生する決意。
残念ながら人間の国家間ではそうはいかないのが現実だが、せめて身の回りの小規模な人間関係でくらい、せいたかさんとコロボックルのようでありたい。価値観や立場や力の有無の差を超えて。
あえて他の物語と違う魅力を語るとすると、そのあたりではないだろうかと思う。
地に足の着いた、そのくせ極上のわくわくが詰まったファンタジー。
ところで、せいたかさんが大人になる間には戦争があった。
この一大事については、ほとんど語られない。
戦争体験のある児童文学作家の作品には、反戦のメッセージの色濃いものが多いが、佐藤さとるはこのシリーズにそういったことを反映させなかった。避けたと言うよりは、書かれた時代には言うまでもない、周知の事実であったというだけかもしれない。
ただ、30代になって読んで見ると、大人になったせいたかさんが、戦争前の子ども時代の記憶をとりもどし、小山を手に入れる様は、戦争によって一度失われた世界を取り返そうとする、そういう痛みと切なさを背負った行為であったかもしれないと感じた。投稿日:2015.10.04
子どもの頃だけでないところが、とても素敵だと思います。時間をかけて、ていねいに読みたい本だと感じました。
シリーズを読んでいくのが楽しみです。投稿日:2021.09.20
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