ひきこもり図書館
頭木弘樹(編)
/毎日新聞出版
作品情報
ひきこもるとは、いったいどういうことなのか? 究極のステイホーム・ストーリーズが誕生!
ひきこもるとは、いったいどういうことなのか? 部屋の中で、何が起きるのか? ひきこもっている間に、人はどう変わってしまうのか?
「ひきこもり」をテーマにした斬新なアンソロジーが誕生しました。編者は、『絶望名人カフカの人生論』『絶望名言』『食べることと出すこと』などで知られる頭木弘樹。病のため、十三年間のひきこもり生活を送った編者ならではの視点で選ばれた、必読の名作群。今だからこそ読みたい一冊です!
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この作品のレビュー
平均 3.6 (28件のレビュー)
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13年間のひきこもり経験のある著者の選ぶ「部屋から出られない人のための」アンソロジー。私はひきこもるタイプではないけど、今までにない視点で物語を読むことができて、とっても満足です。
引き篭もり止めた…ら、こんな楽しいことがあるよ、というような物語は12のうちひとつもありません。引き篭もるとこんな新しい発見があるよ、という話がほとんどです。ひきこもり部外者には、ひきこもりたちの声にならない声の代弁を聴いた気になります。朔太郎やカフカや星新一やポーや萩尾望都が、代弁をやってくれている。
私としては、岡山在住の日本民話の会会長立石憲利さんが採取した「鬼退治に行かない桃太郎」がお気に入り。完全岡山弁で、みんな意味わからんところもあるじゃろうけど、とっても身近じゃった。
萩尾望都の「スローダウン」(1985.1発表)。一度読んだはずなのに、ひきこもり漫画として紹介されると、おゝそういう見方もあるのか!と発見。その見方から見ても物凄く秀逸な作品なんだとビックリしました。五感全ての感覚を遮断した部屋で暫く過ごさせる実験。それをやると、「現実感覚」が変化していく、と頭木さんは言います。そういう時にふっと現れた「人の手」が特別なものになるという。頭木さんは、「どうしてあの感覚がわかるのか」「天才恐るべし」と書いています。「一度きりの大泉の話」を読んだ今、なんとなくわかる気がするのです。
「小説を読んで、心に残るフレーズがひとつでもあれば、それはもう読む価値はあった」と頭木さんはいいます。大きく肯首します。アンソロジーというものは、それを手助けする格好の方法だろう、と思います。頭木さんが多くのアンソロジーを編んでいるのはそういうことなのでしょう。
本書は、ひきこもりの方も読めるように、本と電子版同時発行だそうです。続きを読む投稿日:2021.06.20
悲喜交々
ってな事で、頭木弘樹 編の『ひきこもり図書館 部屋から出られない人のための12の物語』
◎萩原朔太郎「死なない蛸」
◎フランツ・カフカ「ひきこもり名言集」
◎立石憲利「桃…太郎――岡山県新見市」
◎星新一「凍った時間」
◎エドガー・アラン・ポー「赤い死の仮面」
◎萩原朔太郎「病床生活からの一発見」
◎梶尾真治「フランケンシュタインの方程式」
◎宇野浩二「屋根裏の法学士」
◎ハン・ガン「私の女の実」
◎ロバート・シェクリイ「静かな水のほとりで」
◎萩尾望都「スロー・ダウン」
◎頭木弘樹「ひきこもらなかったせいで、ひどいめにあう話」
ハン・ガンさんの私の女の実が良かったな。
うん、良かった
あとのやつは、ぼやぁ~と読んどったんでうる覚え
星さんのやつじゃったかな、ひきこもりって1人じゃ出来ないんよね。
衣食住どれも他の誰かがサポートしないと出来ないって。
ある日突然人類が自分1人になったら、それはもうひきこもれない。
全て自分で何とかせんといけん世界になる。
1人の世界に成りたいのを望んでたけど実際そうなったらどうなんじゃろね
ひきこもりの感情がわしには分からんから、何とも言えんけど
もし、わしがひきこもりになったら周りのサポートに感謝しながらひきこもろう
2022年46冊目続きを読む投稿日:2024.02.03
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