患者の話は医師にどう聞こえるのか――診察室のすれちがいを科学する
ダニエル・オーフリ(著)
,原井宏明(訳)
,勝田さよ(訳)
/みすず書房
作品情報
現代医学はMRI、PETスキャンなどのハイテク機器に夢中だが、最大にして最良の診断ツールは医師と患者の会話だ。有史以来、会話がもっとも病気を発見してきたのだ。だが、患者が「しゃべった」ことと医師が「聞いた」ことは、どんなときも、いともたやすく別のストーリーになる可能性を秘めている。症状を伝えたい一心の患者は、一刻も早く医師に言い分を主張したい。一方、つねに数多くのタスクを抱えながら、効率を上げろという圧力にさらされている医師は、一刻も早く診察を結論に導こうとする。さらには医師と患者双方の固定観念や無意識の偏見、共有していない問題なども加わり、コミュニケーションのミスはすぐに医療ミスへとつながっていくこともありうるのだ。患者は、きちんと自分の症状を伝える努力をしているだろうか? 医師は、患者がほんとうに伝えたいことを受けとる努力をしているだろうか? アメリカの内科医が心を揺さぶるヒューマンストーリーを通して、避けては通れぬ医師と患者のコミュニケーションの問題を徹底分析する。
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この作品のレビュー
平均 4.2 (6件のレビュー)
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NY在住の内科医による、医師と患者の間のコミュニケーションの問題を分析した1冊です。
最近ではAIが活用された事例なんかも聞きますが、今の医療診断の中心に位置しているのは、依然として「医師と患者の会話…」です。
ただ、この会話というツールの難しさを実感させられたのが本著でした。こんなに簡単に使えるツールはないのに、なぜこうも難しいのか!
自身の医療経験や取材を踏まえた16章は、比較的読みやすいトーンではあるのですが、医療という人命がかかった現場における余裕のなさや、その状況下で少しでも良いやり方を求める医師の職業倫理の高さ(と、その患者向かいでの理解されなさ)を感じ、ままならない重いテーマだとも感じました。
本著によると、「患者には喋るだけ喋らせた方が良い、そんなに長くならないし、コミュニケーションミスも減る」ということで、基本的には医師は患者の話に傾聴すべきというスタンスなのですが、同時に日々の実務の中でそれを実現していくのがいかに難しいかというのも描かれています。
個人的な印象としては、医師というと「ゴッドハンド」的な職人芸を連想して、傾聴してくれる存在とはなかなか思えないですが、治療効果を出すためには医師のコミュニケーション力は非常に重要なのだとか。
本著ではそれを音楽に例えていて、「優れた音楽家たるために必要な技術的スキル」も大事だが、「即興で演奏する時に必要な(コミュニケーション)スキル」も、良い演奏を作るには重要、という表現はとても腑に落ちました。
本著を読んでいて思い至ったこととして、医療とは全く関係のない業界で仕事をしている私ですが、バタバタしている時に、主題になかなか辿り着かない(と自分が感じるだけなのですが)話をされると、つい「つまりこういうコトですか?」と割って入ったりしているなぁと。。
血の通ったコミュニケーションができる人間でありたいものです。
ちなみに、本著の中に「おおざっぱにいえば、私の性格はB型なんです。教師に向いた性格ね。でも、糖尿病の場合はA型でないとだめなんです。」という記述があったんですが、アメリカでもB型って几帳面さに欠ける存在だと思われてるんでしょうかね。。
翻訳については、訳者も医師と医療翻訳者のタッグということで読みやすかったです。続きを読む投稿日:2021.02.28
【琉大OPACリンク】
https://opac.lib.u-ryukyu.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BC03842045投稿日:2022.10.14
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