ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版
佐々木典士(著)
/ちくま文庫
作品情報
世界累計40万部のベストセラー(23カ国で翻訳)、待望の文庫化!読むとすぐに実践したくなる“手放す方法最終リスト”を増補して80のルールに。「手放すことは「得る」ことである・手放すことがすべての始まり・モノの時給を考える・永遠に来ない「いつか」を手放す・「ある」メリットが上回れば増やすetc.」。モノから解放されて自由に生きるために。
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商品情報
- シリーズ
- ぼくたちに、もうモノは必要ない。 増補版
- 著者
- 佐々木典士
- 出版社
- 筑摩書房
- 掲載誌・レーベル
- ちくま文庫
- 書籍発売日
- 2019.02.10
- Reader Store発売日
- 2020.09.04
- ファイルサイズ
- 22.8MB
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この作品のレビュー
平均 4.1 (57件のレビュー)
-
何となく、最近色んなことが捌けていなくてストレスを感じるなぁ…と思っていた中で、ふと気になった「ミニマリスト」の本。
何となくヒントになればなぁ…と思い手に取る。
いやーーー、めっちゃくちゃ良かった…この本…(´∀`)
読み終わった今、「あます所なく捨てまくってやろうか」という気持ちで溢れてます(笑)
本作、単なるミニマリストになるための手法(モノを捨てるための手法)という表層的な部分だけではなく、それによってどう考え方・生活が変化していくのか、また最終的にはどうやって幸福を感じられるようになるのか、というというところまで昇華されている点が素晴らしいなと。
個人的には下記あたりは凄まじく真理を突いてるなぁと…目から鱗的な感じがありました。
・人の幸せを邪魔するのは「慣れ」であり、どんなに欲しかったモノでもありがたみが薄くなる
・ほとんどのモノは他人に対して「『自分には価値があるんだ』と誇示するためのモノ」である
自分なりに本作の内容をまとめると、下記のような感じ。
・ミニマリストになると、自分に本当に必要なモノだけが分かり、ゆったりとした時間ができて、自分自身が心から思える幸せを感じることができる、しかもそれは他人との比較に成り立つものではないため、普遍的なものである、またモノを買うことではなく感謝すること新しいモノを買うことなく幸福を感じるというアプローチのため限界も無い
・ミニマリストではないと、自分に本当に必要なものが分からない、モノを維持するためにストレスと時間が嵩み、自分自身が心から思える幸せを感じることができない、そうなると他人との比較の上で自身の幸せを確かめに行くアプローチとなり、常に人よりも上回る必要があるため、特殊的なものとなり際限が無くなる、またモノを買うことにより自身の価値をアピールする手法となるのでさらにモノが増えて負のループに陥る、さらにモノを買うことによる刺激により自身の幸福を求めていく行為のため限界がある
・ミニマリストとは「普遍的な幸せに気付きやすいような状態を作ってくれる、あくまでもその『手段』」の一つである
色んな部分が繋がってきて、スッキリした感じ。
まあとりあえず…つべこべ言わずモリモリと捨ててみようかな(笑)
<印象に残った内容、考えたこと>
27、ぼくのことを少しだけ。ぼくは35歳の男性で、独身。結婚の経験はない。出版社で編集者として働いている。10年住んだ東京の中目黒(「住んでる場所?中目黒」ってたあだ答えたかった)から最近引っ越し、不動前というところに住み始めた。家賃は6万7千円(前の家から2万円下がった)。貯金は引っ越しでほぼなくなっ(以下略)。
結婚もしておらず、いい年して大したお金も持っていない。ぼくのことを負け犬だと思う人もいるだろう。ともかく、ムダなプライドだけはあった以前のぼくなら、恥ずかして人には言えなかったことばかりだ。今はかなりどうでもいい。なぜかは簡単で、こんなぼくでも充分幸せだからだ。
35、われわれは、幸福になるためよりも、幸福なと人に思わせるため四苦八苦している
ーラ・ロシュフコー
66、叶った願いの輝きは「慣れ」から始まり、「当たり前」の前提になり「飽き」という否定に行き着き、最終的に黒ずんだ、つまらないモノになってしまう。ぼくたちの願いはすべて叶っているのに、この「慣れ」→「飽き」の仕組みがあるせいで、叶った願いに対して不満が募り、不幸を感じてしまう。
80、「自分の価値を伝える」ためのモノ、誰でも「孤独」アプリがインストールされている
→とても端的で分かりやすい、確かにそうかも
83、「食べる」ために働いている、とはよく言われる言葉だが、本当の意味で食べることができずに餓死してしまっま人は日本では数十人程度のようだ。それなのに2万人も自殺者がいる。これはいったいなぜなのか?
の結論が275に記載、慣れに対応するためには感謝しかない、少ないモノに対して感謝することにより飽きずに刺激を作り出せる、次が欲しくならない、幸せを感じることができるという結論、うむうむ
96〜、捨てるための具体的な技術はけっこう乱立してて覚えにくくて使いづらいかと、ここは近藤麻理恵さんの「ときめかなかったら捨てる」がはるかにシンプルで分かりやすいと思う、改めてあの本の素晴らしさを感じる
110、捨てにくければ写真に撮る
131、熱く語れないモノは捨てる、なんかコレは良い笑
137、博物館を建てる予定のないコレクションは手放す笑
141、映画「365日のシンプルライフ」が面白そう笑
144、一つ買ったら一つ捨てる、これも王道ルール
149、手放せるか悩んだ時点で手放せる、確かにそうかも笑
198、何者かになりたまえ!という強迫観念、でも本当は何者かになる必要はなく、いつもの家事を、毎日の生活をまっとうするだけで、充分な喜びを感じられる
202、新しい住まい方の自由
→ずっと家って借りても良いかなとか思うかも、別に困らないし、貯蓄があれば借りることができるし
229、「沈黙のTo Doリスト」
→面白い表現と発想
268、汚れてもいない皿を洗おうとしない
ーデール・カーネギー
279、「今」と「感謝」を組み合わせる
→面白い発送
282、幸福の50%は遺伝、10%が環境、40%が日々の行動に左右される
308、私たちの親世代は「物を捨てない」価値観を教育されている
→コレはその通りなのかも、なかなか相容れないと思ってたけど違いはそこにあるのかと
<まとめ>
「ぼくたちに、もうモノは必要ない。」、「超ミニマル主義」、「手ぶらで生きる。」の3冊を読んだ上で、自分なりの見解も含めたまとめを下記、元々考えていたことも含めて線に繋がった感じがする、より真理に近づけた気がする。
人間も動物、本来の目的は「生きること」であり、それだけでも達成していれば幸せを感じられるようになっているはず、でも今はマズローの五段階欲求的に生きることが当たり前になってしまっただけに、次のステージ(つまりは承認欲求)に上がれずに苦しんでしまう人が多い
→この欲求を満たそうと、モノの購入によって見栄を張り、他人との比較で秀でることを確かめることによって承認欲求を満たすというアプローチを試みる人が多い、しかしその場合は下記の問題点を抱えることになる
・一時的には幸福感を得ることができるが、モノの幸福感は長続きしない
・モノはまたさらに高いグレードへ…となる、また多くの場合、他者との比較により幸福を得るという構図のため、際限がなくなってしまう
・さらにモノが大量に増え、それによるストレスが過大となる弊害も出る
・結果的に幸福感をずっと得続けることはできず、さらにモノを買い増してしまい、幸福が感じられにくくなるという負のループに入る
→これを解決するための有効なアプローチが「ミニマリズム」である
→「ミニマリズム」の定義は、「自分にとって本当に必要なモノを見極め、それだけで生活を送る」ことである、これによる効果は以下の通り
・不必要なモノが増えず、モノの増加によるストレスが無い
・自分の気に入ったモノだけに囲まれた生活となるため、その時点で幸福感がエグい
・自分自身に本当に必要なモノ、またさらに広い視野として人生を通して望むモノの本質的な深掘りができ、自らが望むものが明確になる(これはそれこそ人それぞれ)
・それを手に入れた生活を送ることできるようなり(ここは人それぞれだが、元々に話を戻すと「生きられる」だけでも幸せを感じられるはずなので、全く叶えられないほどの過大なハードルがある目的とはならない)、さらに他人との比較において成立する幸福ではないため、普遍的な幸福を手に入れることができる
<内容(「BOOK」データベースより)>
世界累計40万部のベストセラー(23カ国で翻訳)、待望の文庫化!読むとすぐに実践したくなる“手放す方法最終リスト”を増補して80のルールに。「手放すことは「得る」ことである・手放すことがすべての始まり・モノの時給を考える・永遠に来ない「いつか」を手放す・「ある」メリットが上回れば増やすetc.」。モノから解放されて自由に生きるために。続きを読む投稿日:2023.01.24
2014年から始めたミニマリスト生活の10周年として再読。著者の過程もさることながら、ミニマリズムのその後の補講が大変興味深かった。生き方としてのミニマリズム、そしてそれはあくまで個人的なモノであると…いうこと。読み返しても、やはり良かった一冊。続きを読む
投稿日:2024.03.25
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