ヴァイキングの暮らしと文化
レジス・ボワイエ(著)
,熊野聰(監修)
,持田智子(訳)
/白水社
作品情報
「角のついた兜をかぶった北欧の海賊」という、誤りを含んだ偏ったイメージで語られてきたヴァイキング。実際には兜に角はなく、平時には商人であり農民だった。そもそも「ヴィーキング(ヴァイキング)」という言葉の語源は、海賊ではなく、商業地を点々としながら活動する商人そのものを意味している。北欧のみならず、イギリス・フランス・イタリア・ギリシア・ロシア史に大きな影響を与えてきた彼らは、どんな人々だったのか。
彼らの芸術は、象徴的な抽象主義と純粋な現実主義との中間にあり、機能性と美とを同時にかねそなえた、いわば実用的理想の域にまで達していた。ヴァイキングの精神・物質生活はひとつの文化であるだけでなく、西欧のキリスト教文明に匹敵するひとつの文明である。
本書は、ルーン学、サガや詩などの史料を駆使し、ヴァイキングの陸上や船上での日常生活や年中行事の、物質的側面のみならず精神生活をも幅広く扱い、「家族」を中心とした社会を組織したその豊かで高い文化全般を詳説する。
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商品情報
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
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ヴァイキングの日常生活
「ザ・蛮族」として扱われることの多い「ヴァイキング」の日常生活と文化を描いた名著。専門的ではありますが読みやすく、幅広い層にオススメできる本です。
原題は"La Vie Quotidienne …des Vikings"、ほぼそのまま「ヴァイキングの日常生活」と訳せます。1992年に原著が出版され、2001年に邦訳(多分ハードカバー)、2019年にソフトカバーの新装版が出ており、電子版はこの新装版を元にしています。原著初版から30年、日本語版ハードカバーから20年くらい経っているものの、内容的な古さを感じさせないのは凄い。著者はフランスにおける中世北欧文化研究の大家だった方(2017年没)とのことで、やはりガチの中世史はフランスが強いなあという印象。ただ図版や写真はもうちょっと欲しかったです。続きを読む投稿日:2020.06.08
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