- 最新巻
レイトショー(下)
マイクル・コナリー(著)
,古沢嘉通(訳)
/講談社文庫
作品情報
レネイは、ロス市警のエリート部門である本部強盗殺人課の殺人事件特捜班で殺人事件担当刑事として五年余り勤めていたが、二年まえ、班長に着任したロバート・オリヴァスにセクハラをされ、それを告発したものの、セクハラ現場に居合わせたパートナーのケン・チャステイン(『エンジェルズ・フライト』の最後に暴徒に襲われて死亡したロス市警内務監査課刑事ジョン・チャステインの息子)が保身のため、レネイの告発を裏付ける証言をしなかったせいで、告発は不問に終わり、レネイはハリウッド分署に飛ばされ、分署長がオリヴァスと警察学校の同期だったことから、“深夜番組(レイトショー)”と呼ばれる夜勤担当にさせられた。以来二年、深夜番組をパートナーのジョン・ジェンキンズとともに粛々と勤めているが、事件の本格的捜査は、昼勤担当刑事がおこなうため、やりがいを覚えずにいた。
そんなある夜、受け持ち地域で、三件の事件が起こり、レネイたちは、処理に追われる。
一件は、自宅に空き巣が入り、財布が盗まれ、クレジットカードが不正使用されたというひとり暮らしの老婦人の対応。
二件目は、暴行事件。女性がひどい暴行を受けた状態で駐車場に放置されていたのが見つかり、レネイたちが運ばれたERに赴いたところ、被害者ラモナ・ラモネ(女装男性)は、「さかさまの家」という謎の言葉を残して、昏睡状態に陥る。
病院にいたレネイたちに、三件目の緊急連絡が入る。ハリウッドのクラブ「ダンサーズ」で、発砲事件が起こり、四人が即死、ひとりがレネイたちのいる病院に緊急搬送されているところだという。レネイは、緊急搬送されている被害者を病院に残って担当し、ジェンキンズは、現場の応援に来いとのことだった。
病院に運ばれた被害者の女性シンシア・ハデルは、到着時死亡で助からなかった。彼女は、クラブのウェイトレスで、発砲事件に巻き込まれたのだった。
クラブのブースに座っていた四人組のうちひとりが、他の三人を撃ち殺し、逃げる途中で、立ちはだかった用心棒を撃ち、その巻き添えでシンシアも撃たれてしまったのだった。逃げた犯人の行方は杳として知れなかった。
シンシアの死亡を確認し、クラブの事件現場に向かったレネイは、捜査の指揮を取っているのが、かつての上司オリヴァス率いるチームであることを知る。パートナーだったチャステインもいた。オリヴァスは、シンシアの情報を受け取ると、レネイに事件現場から立ち去るよう強く命じた。
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商品情報
- シリーズ
- レイトショー
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2020.02.14
- Reader Store発売日
- 2020.02.14
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 336ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
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この作品のレビュー
平均 4.1 (19件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
主人公のレネイ・バラードは、ハワイ出身の三十代半ば(?)のロス市警女性刑事、独身、サーフィンとかパドル(よくわからない)が趣味。
レビューの続きを読む
2年に及ぶ深夜勤務(レイトショー)に倦みながら事件解決に向けた意欲と使命感を持っている。
しかし事件の本格的捜査は、昼勤の刑事に引き継ぐので、やりがいを覚えずにいた。
元々はジャーナリストだったが、ロス市警に入って殺人事件担当刑事として活躍していた。
詳細は不明だが、当時の上司のオリバス警部補のセクハラ行為を告発したところ左遷されて深夜勤務になった。
当時の相棒であるケン・チャステインの裏切りもわだかまっていた。
そんな深夜勤務の中で3つの事件が起こる。
この複数の事件が起きて、それに並行して取り掛かるのもボッシュシリーズと共通している。
上巻は、その事件が色々起こって登場人物や主人公の背景を把握するのに手間がかかる。
事件は3件:
①財布が盗まれ、クレジットカードが不正使用されたというひとり暮らしの老婦人の対応。
②ゲイの街娼が暴行され意識不明の状態で見つかる。
③クラブでの発砲事件で5名死亡。
三つめは大事件で、手伝いに駆り出されるが下働き的な感じで、現場を仕切っているのが因縁のオリバス警部補。
情報渡したら、さっさと出てけ的な対応をされる。
それぞれの事件で独自に情報を集めて行動するバラード。
①はカード会社からの情報により犯人逮捕
②も粘り強い捜査で犯人と思わしい人物に辿り着くが拉致されてしまう。
その脱出時の闘いを過剰防衛的に捉えられて失職の危機に立たされるが、機転と行動力と深謀で切り抜ける。
この辺りの痛快さは素晴らしい。
③の事件は元相棒のチャステインも殺害されるという展開になる。
思いもかけない犯人に辿り着き、それを騙して制圧する処の腹黒さも痛快。
その功績を買われて復帰しないか、との誘いに対する答えも痛快すぎる。
全体的には楽しめた読書だが、女性の読者にとっては違和感がある人物設定なような気がする。
何処がというのを書くのは難しいが、この辺は感覚としか言いようがない。
あと物語が、少し拡散しているような気もする。
①事件の犯人が所持していた盗んだ銃が、過去に大きな事件を起こしていて、その盗難先での捜査(結局失策でATFに引き継ぐ)
②犯人がどうやってバラードの正体を突き止めて拉致したのか?は結局謎。
③犯人の不用意さや、何となくバタバタ決めた感じ。
こうした枝葉を整理して上下ではなく一冊にまとめられたら、もっと締まるんじゃないかなあ。
まあでも、新たなシリーズとして次も楽しみにしている。投稿日:2020.08.23
この方の本を初めて読みましたが、どうやらボッシュシリーズが有名らしく、ドラマ化までされていて、知らなかったことが恥ずかしくなりました…
最近、女性が主役の刑事ものを結構読んでる気がする。
とても真面…目で、素敵な女性だと思いました。
事件にも真摯に向き合って、絶対に解決しよう!という情熱もあり。
でも、1人で行動することが多く、ハラハラしたり、心配しちゃう場面も多かったわよ!
終わった時、本当にほっとした。
ボッシュシリーズ、読んでみたいと思います。続きを読む投稿日:2023.02.11
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