御社のチャラ男
この作品のレビュー
平均 3.5 (56件のレビュー)
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タイトルから軽い男、お調子者の話かと思ったら、『チャラ男』こと三芳部長はちょっと違う。
でもこういう人いるなという、困った男。
そんな三芳部長を巡る、様々な視点で描く仕事と職場と人生の話。
社内の人…間がのべ13人。これだけの視点があると、仕事にしろ会社にしろ生き方にしろ様々な見方考え方価値観があって面白い。
会社は社会の縮図、色々な人がいて色々な人間関係があって複雑で難しくて面白い。
変わった人や病を抱えた人などもいてハラハラするところもあるが、それが社会の縮図であるゆえだろう。
人の見方もそれぞれ。三芳部長は部下から見ればクズな上司なのだが、三芳部長からの視点はお気楽なようできちんと見ているところもある。
他人から見られている自分、自分が認識している自分、自分が見ている他人。正解も間違いもない、見方が違えば世界も違う。
それにしても絲山さんの例え話は興味深い。例えば男の猿山と女の猿山、なるほどと思った。
舞台となっているジョルジュ食品の、ブラックとまでは言わないがグレーな感じにこういう会社もありそうだな、こうやってのらりくらりと続いていくんだろうなと思っていたら最後にビックリな展開が。
最後の一言に絲山さんの思いが伝わる。会社も仕事も人間関係も一時のものかも知れないが、人の人生はまだまだ続く。
チャラ男にもジョルジュ食品の面々にも幸あれ。続きを読む投稿日:2020.09.12
このレビューはネタバレを含みます
初読みの作家さんだったけれど、とても気に入った。
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チャラいタイトルだが、おふざけ小説ではなかった。
江戸時代からの油屋を前身とした「ジョルジュ食品」の社員たち及びその関係者が、自分とその巡り、会社を…語る。
当然、語る人が変わるごとに視点が変わるわけだが、私はつい、語り手に感情移入し、同じ視点で見てしまう。
次の章になって、別の人の視点に変わると、「えええっ、こんな風に見られていたの?!」と、ショックを受けることになる。
社員たちが皆、もうこの会社ダメなんじゃないかと思っている。
頭の中が昭和の社長。
新しぶってる40代のチャラ男・三芳も頭の中は昭和。
さまざまな人が語り、さまざまな方向から光を当てると、思いもよらない形の影ができる、会社という名の生き物。
この会社、ほとんど死に体?
みんな、自分を語ると長くなる。同じ意味のことを何度も違う言葉で言い換える。
対して、他人がその人を診断するときは、サクッと単純明快に容赦ない。
山田が何というか、暗くて壮絶だった。
チャラ男の妻の元夫と、かな子の母は割とまとも。
特にかな子の母親の語るあれこれは共感できるところが多い。
女性の立場が何も変わらずにここまで来てしまったのは、自分たちが声を上げることをせずに、唯々諾々と慣例に従ってきたせいだ、娘たちの世代、今の若い女性たちに申し訳ない、と悔やんでいる。
差別をなくすのは良いことだが、全世界的に、社会に寛容性が無くなった。
マイノリティを差別するなと言う一方で、「差別をする人」を、差別している。
ぐるっと一周して、語り手は再び岡野。年齢を見るに1年経ったらしい。
死に体じゃないかと思われた会社は・・・
ノアの箱舟かと思ったら、タイタニックだったね!
会社という、いや人生という船に乗るには、泳ぎ方を覚えるか、救命胴衣を身につけておく事が必要だ。
2019年8月までの連載が本になったもの。
しかし、マイナス思考のキャラが、元号が変わったら何か良くない事が起きる、「平成の時はまだマシだった」ときっと言われる、と語る場面で・・・
それが悲惨なテロなのか内戦なのか天災なのかパンデミックなのかわからないけれどと言っている。
何?パンデミック?作者、預言者なんですか?!と思ってしまった。
さまざまな人の内面読むにつけ、人は何を考えているかわからない、他人の内面なんて分からない、と思った。
むしろ、分からないのが当たり前なのだ。
「誰もわかってくれない」という嘆きは耳にするけれど、「それがどうした」
そういうのは、中学生までにしておこう。
相手を理解できないのが当たり前。
だから、自分も理解してもらえないのが当たり前。
むしろ、分かった振りの方が要注意。
分からないけれど受け入れる、というのが、人間関係の成立なのだろう。
おっと!
この作品においてチャラ男とは何だったのだろうか・・・?
悪目立ちしすぎたマスコット?
チャラ男は中身のないハリボテ?
みんなが色んな意味で痛痒い感じの迷惑を感じていたが、謝罪会見で小中学生のようにブチ切れたマスコミへの発言は、グッジョブ!と思うところもあり。
しかし、「チャラ男」は、人間が何度も生態を変える途中での、一つの姿であったのだ。
チャラ男は発展途上である。
そしてどこにでも居る。
温かく見守って・・・は、まあ、ちょっと自分に余裕がないと無理かな(笑)続きを読む投稿日:2021.02.13
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