戦国大名の正体 家中粛清と権威志向
鍛代敏雄(著)
/中公新書
作品情報
応仁・文明の大乱を経て、群雄割拠の時代が幕を開ける。戦国大名たちは、家中粛清を断行して権力基盤を固め、分国法の制定や城下町の整備により自らの領国を発展させた。やがて北条・毛利・島津らのように、版図を拡大し、地域に覇を唱える大大名も現れる。生き残りをかけて戦い続けた彼らは、ただ力のみを信奉し、伝統的権威を否定する専制君主だったのか。大名たちの行動規範を探究し、戦国時代への新たな視座を提示する。
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商品情報
- シリーズ
- 戦国大名の正体 家中粛清と権威志向
- 著者
- 鍛代敏雄
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2015.11.25
- Reader Store発売日
- 2019.12.13
- ファイルサイズ
- 2.2MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 3.5 (4件のレビュー)
-
このレビューはネタバレを含みます
感想を書くのが難しい本(笑)
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というのも、面白かったのは間違いないんだけど、でもそれは“興味深い”の面白さであって、“読んでいて面白い”というのとは、ちょっと違うと。
というか、ぶっちゃけ、読んでいて寝ちゃったことが、2度、3度…、あ、もっとか?みたいな、そういう面白さだったというわけ(笑)
きっかけは、例の『応仁の乱(本)』w
つづきが気になる!というのも変wだけど、その後を知りたい!と(こういうのを「応仁の乱による経済効果」というんだろうか?w)。
「応仁の乱(本ではなく出来事の方)」の後、守護(や守護代)が直接治めるようになっていくのだが、守護は領民や家来に離反されないよう、いわゆる「領国経営」をするようになっていったというその流れ。
「戦国時代」というと上も下も好き勝手していたみたいなイメージがあるが、「応仁の乱」の後というのはそうではなくて。むしろ、守護や武士は家来や領民の暮らしを守らざるを得なくなる。さらにはそれらから軽蔑、さらには離反されるような行いは慎まなければならなくなっていく。
そのように時代が進んでいく流れ、つまり「武士」というものが一般的な「武士」のイメージである「江戸時代の侍」に近づいていく、その流れを知りたかったんだけど、そういう意味でこの本はうってつけだったと。
意外だったのは、ずっと前に読んだ山岡荘八の『織田信長』の前半、信長が尾張で主導権を獲るまでの家中の状況って、かなり戦国大名の家中の実態に即していたんだなーということ。
山岡荘八の『織田信長』はだんだん講談っぽい話になっちゃうこともあってイマイチだったと記憶しているのだが、その辺りは見直した。
この本、目次に「戦国大名はバサラにあらず」という項目があって。
それを見て、思わず「そう!そうだろうね」と思わず納得してしまったのがこの本を買った理由なのだが、ただ、読み終わってふと思った。
確かに「バサラ」では戦国大名は務まらない。それは大いに納得した。
でも、戦国時代も最後の最後、戦国大名が「バサラ」のように変にはっちゃけちゃった時期が一瞬あったんじゃないかとも思うのだ(笑)
といっても、天皇に弓引くような「バサラ(無法者)」ということではなくて。あくまで、気分として「バサラ」になっちゃったようなところがあるんじゃないかと。
つまり、それこそが本能寺の変と秀吉の天下統一で。
逆に、はっちゃけなかったからこそ、最終的には家康に天下が託されたんじゃないだろうか。
そんなことを思っちゃった一冊。投稿日:2019.02.24
家中の粛清などで権力を握る主君や対抗する家臣たち、大名が分国をどのように捉えていたのか、幕府や朝廷といった権威はどの程度の影響を与えたか、文化の受容といった観点から戦国大名を見ている。
投稿日:2018.05.06
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