悪徳の輪舞曲
作品情報
報酬のためには手段を選ばない悪徳弁護士・御子柴礼司の前に、妹・梓が三十年ぶりに現れる。梓の依頼は、旦那殺しの容疑で逮捕されたという母・郁美の弁護だ。悪名高き〈死体配達人〉が実母を担当すると聞き動揺する検察側。母子二代に渡る殺人の系譜は存在するのか? 「御子柴弁護士」シリーズの最高傑作。
連続ドラマ化で話題独占!
「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲」 12.7放送開始 毎週土曜よる11時40分
原作・中山七里『贖罪の奏鳴曲』『追憶の夜想曲』『恩讐の鎮魂曲』『悪徳の輪舞曲』
東海テレビ・フジテレビ系全国ネット
主演:要潤 ベッキー 津田寛治
悪徳、法外な報酬、絶対勝訴。悪魔の法廷劇が今、始まる!
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商品情報
- シリーズ
- 悪徳の輪舞曲
- 著者
- 中山七里
- ジャンル
- 小説 - ミステリー・サスペンス・ハードボイルド
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 2019.11.14
- Reader Store発売日
- 2019.11.14
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 384ページ
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この作品のレビュー
平均 4.2 (34件のレビュー)
-
中山七里作品を読んでいると、大衆の「正義」に対する批判をよく目にしますが、本作はそれをさらに推し進めた感じ。個人的には犯罪者の家族や、ましてや被害者家族を責める心理はあまり理解できませんが、これが現実…なんですよね。続きを読む
投稿日:2020.03.28
このレビューはネタバレを含みます
本作は、御子柴礼司がついに実の母親の殺人容疑に対する弁護を行うことになる。そのせいか、中谷加七里は本作品『悪徳の輪舞曲』で、加害者家族(つまり、御子柴礼司こと園部信一郎とその家族)に対する被害者家族の…視線はもとより、世間一般の無責任な非難の視線も描いてみせた。一般的な感情論でいえば、幼い子供を殺害した少年が、少年法の規定によって、青年と同様の裁きを受けることなく少年院に入り、何年か後には再び世に出る、ということはなかなか受け入れ難いだろう。本作では、さらに、その母親への殺人容疑を通して、親子に継承される殺人気質の血が流れているという風評までが裁きの場に持ち込まれる。直接被害を受けた家族はともかく、世間一般の非難が日に日に増幅していく様は、ネット社会特有のSNSなどでの匿名性も相まって、さらに顕著になっているのではないか。コロナ禍における「○○警察」という言葉が、しばしばメディアで喧伝されるが、これなど顔も名前も知られないという安全地帯に自らの身を置ける安心感を背景に、徹底的におそらくは見たことも聞いたこともない者を叩く者が増えている。自身が特に迷惑をかけられた訳でもないだろうに、名前も顔も「ばれない」ことで自分が神にでもなったつもりなのだろうか。ならば、愚神と呼ぶほかはない。
レビューの続きを読む
本作では、御子柴礼司の母・郁美が福岡に暮らしていた頃(つまり御子柴が殺人を犯した当時)、夫が自殺した。その自殺に疑念を抱いた当時の刑事が、定年間際まで執念で細々と捜査を継続していた。郁美はその後世田谷に住む資産家と再婚し、その相手がかつての夫と状況も、自殺の方法も極めて類似した形で亡くなる。当然、検察の目も、世間の目も、かつて幼児を殺めた少年の母という色眼鏡で郁美を見る。結果として、御子柴礼司は、福岡でのおのが父の自殺にまつわる真相も解き明かすこととなる。
御子柴礼司の凄さは、もちろんその法廷戦術である。そのために自らの足を駆使して証拠を集めることももちろんだが、絶対不利な心証をわずかな証人の小さな一言からひっくり返して見せ、その後、証拠を無効化してしまう。本作でも御子柴の法廷スキルは、十全に発揮されている。このプロセスを辿ることが、御子柴礼司シリーズを読むことの最大の楽しみである。「ここまで明確な証拠を突きつけられて、これを一体どのように覆してみせるのだろう」という疑問が湧くが、同時に、それは大きな謎が必ずどんでん返しされる中山七里作品に通底する期待感へと変化する。期待感が絶頂に達したとき、物語もまた大団円を迎える。ゆえに、読者は中山七里という作家から大きなカタルシスを得るのだろう。
シリーズが進むにつれ、御子柴の弁護対象もだんだんと御子柴に近しい者たちへと移ろっている。同時に、そうした者たちを弁護することで、御子柴がかつて犯した罪の真実の姿とともに、彼の内面もまた明らかになってくる。御子柴が依頼を受け、弁護をする事件そのものはもちろん大きな楽しみである。同時に、シリーズが進むにつれ訪れる御子柴の変化もまた大きな読みどころといえる。
弁護士という職業の特殊性についても、本シリーズを通して見えてくるものがある。どのシリーズ作品においても、御子柴は隠れた真相を暴いてみせるのだが、彼自身は「真相を知る」ことに関心があるのではない。容疑をかけられた依頼人の「容疑」を無効化し、無罪(時には情状酌量を勝ちとる、という戦略もあるようだが)方面とすることに全力を注ぐ。つまり、重視されるべきは「真実」や「真相」ではなく、依頼人の利益なのである。この弁護士たる御子柴礼司としての矜持は、シリーズ当初からいささかも揺るぎない。そして、そこにこそ、御子柴礼司シリーズならではの楽しさがあるように思う。続きを読む投稿日:2021.02.12
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