年金「最終警告」
島澤諭(著)
/講談社現代新書
作品情報
日本中に激震が走った「老後は2000万円が必要」という金融庁の報告書は、残念なから全くの現実である。そして若者や現役世代を中心に年金制度そのものに不信感が募っている。年金の支払額に世代間格差があるのは現前たる事実であり、その財源も20年から30年後には枯渇することが予測されている。賦課方式である現在の年金制度はネズミ講と同じ仕組みであり、若者が高齢者を助けるものだが、少子高齢化により、若者の負担は増えるばかりである。年金制度の大幅な見直しが求められている。本書はその改革への提言の書である。[内容と構成]序章 厚生労働省の「不都合な真実」第一章 年金はいくら貰える第二章 なぜ年金制度は危機的状況を迎えたのか第三章 「年金は破綻する」を検証する第四章 世代間格差を拒絶する厚生労働省第五章 年金を立て直して豊かな老後を取り戻そう
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商品情報
- シリーズ
- 年金「最終警告」
- 著者
- 島澤諭
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2019.10.16
- Reader Store発売日
- 2019.10.16
- ファイルサイズ
- 43.1MB
- ページ数
- 180ページ
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この作品のレビュー
平均 3.0 (6件のレビュー)
-
序章 厚生労働省の「不都合な真実」
第1章 年金はいくら貰える―「老後の生活資金2000万円不足問題」と「100年安心プラン」の真相を探る
第2章 なぜ年金制度は危機的状況を迎えたのか―社会保障制度の…仕組みを知り、財政の悪化と「国民年金の空洞化」への対策を指摘!
第3章 「年金は破綻する」を検証する―政府のデータから日本の経済状況、深刻化する財政危機の真相を読む
第4章 世代間格差を拒否する厚生労働省―違憲状態にある国の財政、世代間格差を発生させる「60年償還ルール」、社会保障の自己崩壊性に対処するには―
第5章 年金を立て直して豊かな老後を取り戻そう―過去債務を直接削減する政策を考え、老後2000万円不足時代のサバイバル術を提案
著者:島澤諭(1970-、富山県、経済学)続きを読む投稿日:2019.12.22
年金の本は今までに何冊か読んできていますが、年金制度は私が認識する前に変わっていることもありますので、定期的に本を読んで情報を得ることにしています。
本屋さんでこの本の帯に書かれている内容に驚いて購…入しました。私が社会人になった頃には年金は60歳からでしたが、今では65歳からです。後ろ倒しにすると増額するので、政府はそれを推奨しているようにも見えますが、自分はいつから年金をもらうべきか真剣に考える時期に来ていますね。これから年金についても勉強していきたいと思っています。
以下は気になったポイントです。
・厚生労働省のデータを使って、12歳(男女)20歳、30歳、40歳、50歳、60歳が100歳以上まで生きる確率を計算すると、最低6ー20%に過ぎない。政府が宣伝する「人生100歳時代」はやや大風呂敷である(p15)65歳になった人が長生きする確率は、生まれた年によって異なるが、2029年に65歳の場合(私のケース)男性90歳までが45%、95歳までが22%、100歳までが6%である(p21)「人生100年時代」は大げさにすぎるが、かと言って無下にもできない(p17)
・95歳まで生きると想定して老後の資金計画を立てるのが賢明である、80代の年間消費額(270)x寿命の延長(5年)とすると、1305万円となる。公的年金を考慮すると900万円さらに必要(65歳で受給開始95歳で亡くなるとして、平均6700万円支給、その間の生活費は7600万円とすると差引900万円)合計、900+1305=2250万円足りないことになる(p19)
・総所得(年金+預貯金の取崩等、年金以外の収入)だけで生活していける人は、総所得300-400万円では45%だが、100万円未満だと83-96%である、全体では51%(p22)60歳代世帯では全体の22%しか、2000万円の貯蓄を保有していない(p25)
・負担できる人がいなくなれば年金制度が崩壊するので、2004年に今後100年間の年金財政の収支動向を睨みながら現役世代が年金制度を支える力や日本人の平均寿命の延びに応じて年金額を減らす仕組み「マクロ経済スライド」が導入された、2015年4月に初めて発動、2度目が今年2023年である。調整と政府は言っているが、削減を意味する。今後年金の減額は不可避である(p30)さらに5年に1度の年金財政の状況を再評価する「財政検証」がある、これまで3度行われたが、いずれも大規模な手術を行う必要があるとの診断結果は出ていない(p30)100年安心プランと言っているが、安心なのは公的年金制度であり、私たちの年金額ではない(p32)
・国民年金と厚生年金は当初は別々であった、厚生年金は戦前、国民年金は戦後発足した。国民年金の発足により日本の全国民が公的年金制度によってカバーされたので、これを国民皆年金という、1961年のこと。(p35)1942年の戦時中に男子工場労働者のみを対象で発足した「労働者年金保険」を起源、1944年に事務職・女子にも適用され、厚生年金保険と改称された、徴収した保険料を戦費に当てるため積立方式、徴収開始から支払い開始までタイムラグがあるので(p65)
・年金被保険者は1−3号合計して、6733(1505,4358,870)万人、2号被保険者には、確定拠出(648)、確定給付(901),厚生年金基金(57)=厚生年金保険(3911)+退職等年金給付=公務員(447)、iDeCO(個人型確定拠出年金)は85万人である(p37)
・現在の公的年金は賦課方式で運営されている、現役世代が高齢者世代を扶養しているので、国は「世代間の助け合い」と読んでいるが、この本質はネズミ講である、国が法律で禁止しているはずのネズミ講を主宰し、国民に強制参加させているのと同じである(p53)
・社会保障給付費は毎年3.1兆円増加、社会保険料は1.7兆円しか増えないので、その差額(1.5兆円)は税金(及び借金=国債)で増えることになる、保険料と税金がほぼ半分で給付の増加を賄っていく(p71)
・高齢者(75歳以上)がピークを迎えるのは2042年(3035万人)それ以降は高齢者人口は減少するが人口も減るので高齢化率のピークは2067年(38.4%)2018年では3558万人、28.1%(p100)
・2004年の100年安心プラン位において、2005年から毎年0.354%上げて2017年には18.3%で固定した、上限を設定したのは画期的であった(p108)2004年時点では所得代替率は59%であったが、自動的に下がり、2023年には50.2%となったところで、マクロ経済スライドが終了することになった。その後は50%が維持され2100年までの年金財政の安心が保証された、高齢者の年金は守られ年金財政の安定性は損なわれた、年金削減期間は先送りされて2043年となっている(p111)この年に積立金は枯渇することになった、100年安心ではなく、25年の安心も危うい(p121)
・実質的な社会保障費は、社会保障関係費33.6%+地方交付税の3分の1(5%)+国債の6割(16.6%)=55.2%である。太平洋戦争開戦直前の軍事費が50.3%を占めていて、今では社会保障関係費が55.2%を占めている、国の財政は社会保障と戦争状態にあると言っても大げさではない(p128)
・最も純負担額が大きい0歳と最も大きい90歳の間では、1億2000万円の格差、祖父母世代(60歳)985万円、0歳5834万円の間には、5000万円ほどの格差がある。孫は祖父母より5000万円損をする(p140)
・公的年金には純資産はないので、保険料を引き上げるか、税金投入を増やすか、年金給付を減らすかしかない(p149)
・年金純債務は、570(2004)→690(2009)→920(2014)→1100(2019)と増えている、これはマクロ経済スライドが機能しなかったから(p159)
・北欧諸国は天然資源や軍事産業で経済がまず潤っていて、そのお金で社会保障を強くしている、日本が皆年金・皆保険ができたのは、高度経済成長を背景とした強い経済があったから(p184)
2023年9月25日読了
2023年10月9日作成続きを読む投稿日:2023.10.09
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