気まぐれ列車で出発進行
種村直樹(著)
/講談社文庫
作品情報
時刻表を片手に、その日の気分であちらに寄ったり、こちらに降りたりする、気まぐれ汽車旅の楽しみ。日本縦断鈍行乗り継ぎ気まぐれ列車、日本列島外周気まぐれ列車から、はたまた韓国、香港気まぐれ列車まで、乗りに乗りまくる。レイルウェイ・ライターによる、ユーモアあふれる汽車旅エッセイの会心作!
もっとみる
商品情報
- シリーズ
- 気まぐれ列車で出発進行
- 著者
- 種村直樹
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社文庫
- 書籍発売日
- 1985.07.08
- Reader Store発売日
- 2019.10.04
- ファイルサイズ
- 9.1MB
- ページ数
- 300ページ
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.0 (1件のレビュー)
-
今月7日に、徳大寺有恒氏が亡くなり、テレビなどでも広く報道されました。
実はその一日前に、種村直樹氏も逝去されてゐました。知つた瞬間は、あまりの衝撃に少し思考が停止したやうで、記憶が飛んでをります。新…聞上では徳大寺氏と同じ日に記事が載つてゐました。鉄道の専門家よりも、クルマの専門家の方がやはり話題になるのだらうな、と変な事を考へたものです。
ただ、記事では肩書きを「鉄道ライター」としてあるところがほとんどでした。やはり種村氏の場合、「レイルウェイ・ライター」としていただきたかつた。単に鉄道記者を英訳しただけではなく、これまで誰もしてこなかつた仕事をするといふ自負も込めて自ら名乗つてゐたのだと考へます。「特技監督」が円谷英二を表現する特別の肩書きであるのと同様に、種村直樹は他の追随を許さない唯一無二の「レイルウェイ・ライター」なのです。
くも膜下出血で倒れて以降、現場復帰してもその活動には陰りが見え、精彩を欠いてゐたので心配はしてゐたのですが、やはりこの日が来てしまつたか、といふ無念の思ひがあります。
種村氏は言はずと知れた鉄道趣味界の大物であります。かつては宮脇俊三氏と並ぶ2大重鎮といふ存在でした。宮脇氏が「文学」を志向したのに対し、種村氏はあくまでも「記者」としてジャーナリズムの視点から鉄道を俯瞰してゐたと申せませう。
種村氏の著作は夥しい数にのぼりますが、やはり「気まぐれ列車」の系譜が一番彼らしいと思ひ、今月『乗ったで降りたで完乗列車』を取り上げたばかりですが、ここではシリーズ第一作の『気まぐれ列車で出発進行』に登場してもらふことにします。
気まぐれ列車では何かしらのゲーム性を取り入れ、制約を強めることでマンネリを回避してゐます。数日間の鉄道乗り継ぎ旅行中に、一度も改札の外へ出ずに過ごすとか、日本列島の外周になるべく沿つて鉄道旅行をするとか。
他にも若き日の「北海道きまぐれ旅行前史」や、「韓国」「香港」まで出かけて乗る気まぐれ列車とかも収録されてゐます。
結局「外周の旅」は種村氏のライフワークとなりました。東京日本橋をスタートして、何年かかるか分からぬが日本列島を一周し再び日本橋へ帰るといふものであります。
これは2009(平成21)年に見事達成するのですが、その時はすでに種村氏が発表できる媒体が少なく、メディアで紹介されることはありませんでした。ゆゑに、種村氏としては外周の旅を完成させたが、それを活字にして世に問ふことがほとんど出来ず、気の毒なことでした。
全盛期の華やかさを知る身としては、晩年の種村氏の不遇に胸が詰まる思ひがするのでした。
常に利用者の視点から鉄道を語つた種村氏。事業者に対し厳しい指摘もありましたが、それも鉄道に対する愛情があつたからこそでせう。種村氏の精神を受け継ぐ次世代ライターの登場を望むものであります。
ぢやあまたお会ひしませう。
http://genjigawa.blog.fc2.com/blog-entry-497.html続きを読む投稿日:2014.11.17
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。