廉太郎ノオト
谷津矢車(著)
/中央公論新社
作品情報
廉太郎の頭のなかには、いつも鳴り響いている音があった――
最愛の姉の死、厳格な父との対立、東京音楽学校での厳しい競争、孤高の天才少女との出会い、旋律を奏でることをためらう右手の秘密。
若き音楽家・瀧廉太郎は、恩師や友人に支えられながら、数々の試練を乗り越え、作曲家としての才能を開花させていく。そして、新しい時代の音楽を夢みてドイツ・ライプツィヒへと旅立つが……。「西洋音楽不毛の地」に種を植えるべく短い命を燃やした一人の天才の軌跡を描き出す。
時代小説家最注目の俊英が、ついに新境地・明治へ!
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この作品のレビュー
平均 4.3 (27件のレビュー)
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絵師を描くことが多い谷津さんにしては珍しい類の作品かも。『廉太郎』とは滝廉太郎、『ノオト』はノート(楽譜?)と「の音」を掛けているのかと勝手に想像。
滝廉太郎と言えば「花」「荒城の月」などの教科書に…載るような有名曲の作曲家、そして若くして亡くなったことくらいしか知らなかった。この作品では作曲家というよりはピアニストとしての成長が多く描かれていたので新鮮で興味深い内容だった。
23歳という若すぎる死をまるで予見したかのように十代半ばで頭角を表し、その後も駆け抜けるようにピアニストとしてそして作曲家として階段を駆け上がった廉太郎。
しかしついに『天井』を突き破る前に病が彼を連れ去ってしまった。
『天才とは、他の人が諦めてしまった天井に挑み続け、ついには破ってしまった人間のことだ。だが、そうした人間にはさらなる天井が現れ、そのたびに自分なりに答えを出していく。傍から見れば天井がないように見えるが、それは違う。己の頭上にある天井に果敢に挑み、破り続けているだけだ』
ここに描いてある滝廉太郎青年は一般的にイメージする天才型ではなかった。ピアノの奏法や座学など、飲み込みの速さという点においては才能はあったのだが、その先にある、人に響く演奏という点においては常に悩みなかなか思うようにならなかった。
そして彼の前には常に天才バイオリニスト・幸田幸(幸田露伴の娘)がいた。幸はいわゆるツンキャラなのだが、彼女の叱咤により廉太郎が伸びたことは間違いないだろう。
他にも幸の姉で恩師の幸田延を始めとする教師たち、ピアノで一皮剥かせてくれたケーベル師、廉太郎を役人にさせたい父から庇って音楽の道に行く助力をしてくれた叔父・大吉などたくさんの協力者や仲間たちがいた。
何よりも廉太郎が音楽に触れる原点となった亡き姉・利恵は常に彼の心にいた。
廉太郎は幸のように自分が全面に出るタイプではなく、ピアノ演奏も作曲も誰かと和を奏でることを求めていた。それは幼い頃の利恵との琴の演奏が原点にあったのかも知れない。
彼の死が結核によるものだっただけに、当時としては仕方のないことかも知れないが遺品のほとんどが焼かれてしまったというのは残念。せっかく集めた楽譜や資料も自身の手で焼却されてしまった。未発表の楽譜もあったかも知れない。
しかし子どもたちに西洋音楽を馴染ませたい、それもただ西洋音楽を押し付けるのではなく日本人にも馴染める音楽をということで子どもたち向けに作った作曲集は今でも残っている。
『もういくつねるとお正月~』のあの曲も彼によるものだとは知らなかった。
遺作の『憾(うらみ)』はどんな思いで書いたのだろう。作中では早逝することへの恨みではないと書かれていたが、やっぱりお姉さんと同じ病で自分も早逝するなんてと天を恨んだ気持ちもあるのではないだろうか。
この時代、結核が死の病でなければもっともっと活躍出来たであろう方たちはたくさんいたので彼に限ったことではないのだが、やはり23歳は若すぎる。続きを読む投稿日:2021.06.19
伝記?なのかな?
若かりし頃の滝廉太郎、
教科書の中の偉人としてではなく
一人の音楽好きの青年の姿を描いている。
これ
朝ドラとかでやればいいのに〜投稿日:2024.01.10
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