古代日中関係史 倭の五王から遣唐使以降まで
河上麻由子(著)
/中公新書
作品情報
607年、日本は隋の煬帝に「日出ずる処の天子」で名高い書状を送る。以後、対等の関係を築き、中国を大国とみなすことはなかった――。こうした通説は事実なのか。日本はアジア情勢を横目に、いかなる手段・方針・目的をもって中国と交渉したのか。本書は、倭の五王の時代から、5回の遣隋使、15回の遣唐使、さらには派遣後まで、500年間に及ぶ日中間の交渉の軌跡を実証的に、「常識」に疑問を呈しながら描く。
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商品情報
- 著者
- 河上麻由子
- 出版社
- 中央公論新社
- 掲載誌・レーベル
- 中公新書
- 書籍発売日
- 2019.03.25
- Reader Store発売日
- 2019.07.12
- ファイルサイズ
- 16.2MB
- ページ数
- 296ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (6件のレビュー)
-
666年の唐の高宗の封禅の儀式に参列した各国の使者たち、その中に日本の使者もいた。日本は3年前に白村江で唐と戦っており、封禅の儀式では唐の圧倒的なプレゼンスを見せつけられた。それをイントロとして始まる…、古代日本が大陸とどのような交渉を行なっていたのかについての本。日本の対中国交渉を大きなアジア史の中に位置付け、仏教がアジアの国際政治に与えた影響も視座として取り入れており、面白いしさまざまな発見があった。
中国の史書によると、421年から倭の五王による使者が江南の宋王朝に派遣された。皇帝の権威を背景に国内での権力強化を図る倭国王の目論見があった。これは宋王朝の権威を高めることにも繋がり、ウィンウィンであった。職貢図には文献によるイメージに基づいた倭国の使者が描かれている。
戦乱に疲れた人々の間で仏教信仰が広まると権力に取り込もうとする王朝が現れ、梁の武帝以降はアジア各国は仏教を活かして朝貢をするようになる。倭国も中国との交渉に仏教は不可欠な教養となり公的に導入する。遣隋使が携えた書簡が倭王が隋の皇帝と対等であることを示したために煬帝を怒らせた有名な話は、書中の天子は中華思想のものではなく仏教的文脈であってそこが問題なのではなく、仏教後進国である倭の国王が天使を自称したことが不遜であるからと説明。
白村江の戦いは倭国には新羅と戦う意識はあっても唐との直接対峙という状況は十分に頭になかったとい研究がある。その後唐からの使者の派遣が数度あり、新羅と唐が対立したときは倭が僧侶ネットワークを用いて両国関係の緊張を高めないよう配慮していたとも。
則天武后の代の遣唐使で日本という国号への変更が申請され許可された。日本は中国から見た東方という意味で、中国を中心とした国際秩序に参加する一国であることを明示するものであった。唐は末期は排外的ナショナリズムが高まり仏教も迫害された。アジア全体も群雄割拠し、衰退する唐への使者派遣の意義が薄れ、遣唐使は廃止された。ただ仏教や商業的な交流はあり、物は入ってくるが文化は入ってこずに国風文化が発展した。続きを読む投稿日:2021.03.27
古代の日中関係について遣使自体はもちろんのこと、その背景となる政治事情や周辺国の動向なども踏まえた展開を明らかにする内容。古代中国を取り巻く仏教的文脈についての叙述が興味深かった。
投稿日:2021.12.23
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