そのうちなんとかなるだろう
内田樹(著)
/マガジンハウス
作品情報
「やりたいこと」を諦めたことも、
「やりたくないこと」を我慢したことも、
僕には一度もありません。
思想家・内田樹の痛快人生案内!
心と直感に従って生きればいい。
無理して決断する必要はない。
「なんとなく」選んだことが、
自分にとって一番いい状態だから。
豪快すぎる半生記!
いじめが原因で小学校で登校拒否
受験勉強が嫌で日比谷高校中退
親の小言が聞きたくなくて家出
大検取って東大に入るも大学院3浪
8年間に32大学の教員試験に不合格
男として全否定された離婚
仕事より家事を優先して父子家庭12年
*昭和の時代を伝える「非日常写真館」も
<あとがきより>
「自分らしさ」という言葉が僕はあまり好きじゃないのですが、
それでもやはり「自分らしさ」というのはあると思います。
ただ、それはまなじりを決して「自分らしく生きるぞ」と力んで創り出したり、
「自分探しの旅」に出かけて発見するようなものじゃない。
ふつうに「なんとなくやりたいこと」をやり、
「なんとなくやりたくないこと」を避けて過ごして来たら、
晩年に至って、「結局、どの道を行っても、
いまの自分と瓜二つの人間になっていたんだろうなあ」という感懐を抱く……
というかたちで身に浸みるものではないかと思います。
僕がわが半生を振り返って言えることは、
僕は他のことはともかく「心と直感に従う勇気」については
不足を感じたことがなかったということです。
これだけはわりと胸を張って申し上げられます。
恐怖心を感じて「やりたいこと」を断念したことも、
功利的な計算に基づいて「やりたくないこと」を我慢してやったこともありません。
僕がやったことは全部「なんだかんだ言いながら、やりたかったこと」であり、
僕がやらなかったことは「やっぱり、やりたくなかったこと」です。
というわけですので、この本はできたら若い方に読んでいただいて、
「こんなに適当に生きていてもなんとかなるんだ」と安心してほしいと思います。
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商品情報
- シリーズ
- そのうちなんとかなるだろう
- 著者
- 内田樹
- 出版社
- マガジンハウス
- 書籍発売日
- 2019.07.11
- Reader Store発売日
- 2019.07.11
- ファイルサイズ
- 6MB
- ページ数
- 240ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (34件のレビュー)
-
一時期どっぷりはまって片っ端から著作を読んでいた。最初に読んだのは「ためらいの倫理学」だったかな。こんなに腑に落ちる論考を読んだのは、岸田秀「ものぐさ精神分析」以来だと思ったのを覚えている。(「ものぐ…さ~」はロングセラーだそうだ。今でも名著だと思う。)どんどん出版されるのをいつ頃まで追いかけていただろうか、神戸女学院を退官されて、凱風館を建てられたあたりから、さしたる理由はないが読まなくなったように思う。
これは「自伝」だというので、ちょっと興味が湧いて、久々に読んでみた。小中高の学校時代の話が詳しく書いてあって面白かった。やっぱりずいぶんとんがった少年だったんだなあ。一方、東大時代のことは、他のもので読んだことがあるが、ここではわりとあっさりとした書き方。結構ハードな学生運動家だったらしいが、運動よりも周辺のさほど緊迫感のないエピソードの方が多かった。それはそれで面白かったけれど。
離婚後の娘さんとのふたり暮らしについては、ある程度具体的に触れられていた。当時としてはずいぶん珍しい父子家庭だったと思うが、ここで家庭を優先して学者としては「雌伏」の時期を過ごしたことが、後の爆発的な文筆生活につながったとあり、なるほどなあと思ったのだった。
気軽な聞き書きの形ではあるけれど、読んでみるとやはり、フムフムと思うくだりがいろいろある。以下はその抜き書き。
「SFは1950年代のアメリカに誕生した新しい文学ジャンルです。背景にあるのは、原子爆弾の発明によって核戦争による人類の滅亡というシナリオに現実味が出て来たという歴史的事実です。人間が自分たちを豊かにするために創り出したテクノロジーによって人間が死滅するという不条理が現実になりつつあったのです。でも、伝統的な文学形式はそのような非劇的なまでにナンセンスな現実を叙することができなかった。SFはほとんどそのためだけに発明された特異な文学ジャンルだったのだと僕は思います。ですから、SFはその荒唐無稽な娯楽性にもかかわらず、底にはある種の絶望感が伏流していました」
これには膝を打った。そう、SFには、底にか芯にか空気にかはわからないが、絶望感があると思う。もう誰かが言っていることかも知れないけど、私は目から鱗が落ちた。
「批判を受けたせいで魅力が増すということはないんです。 というのは、才能ある人の魅力というのは、ある種の「無防備さ」と不可分だからです。一度深く傷つけられると、この「無防備さ」はもう回復しません。その人の作品のなかにあった「素直さ」「無垢」「開放性」「明るさ」は一度失われると二度と戻らない」
これも同感。才能が世に出るや、すぐさま何かと叩かれる現代は不幸な時代だと思う。
一番胸にしみたのは、終わりの方で紹介されていた、スティーブン・ジョブズの言葉。
「いちばんたいせつなことは、あなたの心と直観に従う勇気をもつことです。あなたの心と直観は、あなたがほんとうはなにものになりたいかをなぜか知っているからです」
内田氏が書いているように、心と直観に従うにはとても「勇気」がいる。でも本当に、心と直観は「なぜか」私のことを知っているのだ。続きを読む投稿日:2019.09.03
内田さん自身は生きづらいこともあったと思うが、どんな環境にいても自分の意思を保てる強い人だと思った。学生時代の家出の仕方もクレバーというか、本当に頭の良い人だと思う。
投稿日:2023.06.27
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