「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義 完全翻訳版
シェリー・ケーガン(著)
,柴田裕之(訳)
/文響社
作品情報
余命宣告を受けた学生が、
“命をかけて”受けたいと願った伝説の授業の完全翻訳版!
--人は必ず死ぬ。だからこそ、どう生きるべきか
※本書の第1講、第8講~第15講、「死についての最終講義」は、
『「死」とは何か イェール大学で23年連続の人気講義〔日本縮約版〕』と同内容です。
第2講~第7講の追加に伴い、原書に従う形で一部を再編集しております。
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この作品のレビュー
平均 3.5 (74件のレビュー)
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答えは無い。思考するのが哲学だ。
という居直りが常套手段となっており、中でも「死」のような証明不可能な現象は、取り上げるには誂え向きだ。それでも、切り口として論理学的アプローチを取ろうとしているチャレ…ンジ精神は素晴らしい。700ページ以上ある。その試行錯誤が見える。しかし、その大部分は自己満足だと思わざるを得ない。この事だけ書くとフェアじゃないので、より具体的に記す。
本書のチャレンジテーマは、「死が怖いものであると言うことを否定する」「魂があって生が持続すると言うことを否定する」、この二つだという。
ー 死が私たちにとって悪いのは、私たちが死んでさえいなければ、人生がもたらしてくれただろうものを享受できないからに他ならない
死は怖いものである。それは不可逆的で未知なものだからだ。尚且つ、自殺を選ばぬ人には生が素晴らしいものであり、大凡そうした人が生存しているからだ。死後の世界がより良い世界である事を著者が証明しなければ、その不安は確実に無くせない。その領域は、哲学ではなく、宗教の役割のはずだ。故に、チャレンジは不成立。しかし、本書が力説するように死後の世界や魂の存在はあり得ないという考えには大賛成だ。この世に未練を残すような死後の世界は、ある方が辛い。肉体を喪失し、現世に作用できない魂など、後悔や叶えられぬ欲求、寂寥を抱え悲惨この上無い。それを快楽主義的極楽で誤魔化すような世界観は、矛盾している。それなら、生きながら脳みそだけ取り出して快楽中枢を刺激し続ければ良い。
ー古代ギリシャの哲学者エピクロス曰く、死は生者にも死者にも重要ではない。前者にとっては存在しないし、後者はもはや存在しないから。死は私が死んでいるときに私にとって悪いはずがない。なぜなら、その時点で私はもう存在しないのだから。
エピクロスを援用されても、不安は拭えない。故に、人間は命の延長を目指し、不老不死に向けて努力を続けるのだろう。死は怖いからとか、生に限りがあるから良いとも思わない。否応なく、仕方ないもの。700ページ以上の本の重みで手が痛い。それと同じ、肉体の限界と摂理であるのみ。続きを読む投稿日:2024.01.07
人は死ぬことを信じてない→一度急死に一生を味わった人が仕事を辞めたりするということは本当の意味で死を信じてない
死はわるいことか?→ 死んだ人に会えない他者にとっては悪い。
本人とっては?→存在しな…くなることは苦痛は伴わない。何も起こらない。しかし相対的に存在できなくなる、幸せな体験をできなくなる。という意味で悪い。
永遠の生はいいものでもない→面白いことは永遠には続かない。永遠の生をもったとしても、飽きる、忘れる、別の人物になってしまう。
最善の生→満足するまで生きられること
6章 唯一本質的に良いもの→快感
悪いもの→痛み
用心する→自分の設定している目標は適切か?
与えられた限りある人生の価値を高めていくことしかない。続きを読む投稿日:2024.01.11
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