科学者は、なぜ軍事研究に手を染めてはいけないか
池内了(著)
/みすず書房
作品情報
「科学倫理の書だけでは決定的に欠けているテーマがあった。科学者および技術者が軍事研究に手を染め、戦争で人間を効率的に殺戮するための手段の開発研究に深入りしている問題で、これこそ問われるべき科学者・技術者の倫理問題と言えるはずである。…本書はおそらく〈科学者は軍事研究に手を染めるべきではない〉と主張する最初の本になると思っている」グローバル化が喧伝され、生き残るために倫理を置き去りにすることを当然としかねない現代、企業は儲けのために手抜きや不作為が常態化して安全性が二の次になり、政治は軍拡路線を拡大して貧富の格差の拡大を放置し、科学者の多くは研究費欲しさに軍事研究に励み、人々はお任せ民主主義になれてしまい、長期的な視点を失っている。このような時代にあって、著者は科学者の責任として、本書を書き下ろした。第一次世界大戦、ナチス期の科学者や日本の戦時動員体制から、安倍内閣による「防衛装備庁の安全保障技術研究推進制度」の詳細、大学や科学者コミュニティの実際、AI兵器・ゲノム編集、デュアルユース(軍民両用技術)のあり方まで。若き科学者に向けて普遍的かつ喫緊なテーマの全体像をはじめて記す。
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商品情報
- 著者
- 池内了
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- みすず書房
- 書籍発売日
- 2019.05.24
- Reader Store発売日
- 2019.05.31
- ファイルサイズ
- 0.5MB
- ページ数
- 272ページ
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この作品のレビュー
平均 4.0 (8件のレビュー)
-
科学者と銘打っているものの、それは自然科学だけではなく人文科学の学徒にも薦めれられる一冊である。
私たち科学者は、専らその活動のためを考えてややもすれば、その資金提供をする団体の理念や活動というもの…にあまり多くを払わず、自らの活動のために目先のものを求めてしまっているのではと感じたものだった。
科学者は、我が国のひいては世界の科学というものを一歩でも前に進めることを、期待されている人間であるということを今一度胸に刻み込むべきと痛切に感じた。
それは直接の技術に関わるような研究をする自然科学だけではなく、人文科学の従事する私のような科学者(あえて科学者と称させていただきます)も心得ておくべきものであると。
学問のあり方、大学はそもそも世間からどのような期待をされているのか、我々はなぜ学ぶのか、何を世界へ残すのか、ということを考えている人に手にとってもらいたい一冊だ。
(読了に4日)続きを読む投稿日:2022.03.27
現代日本における「軍学協同」を徹底批判する立場で論陣を張ってきた著者による警世の書。
「デュアルユース」「ミックスユース」を隠れ蓑としながら、防衛予算を使った研究を是認しようとする風潮に対して厳し…い問題提起を行っている。とくに第一次・第二次世界大戦における科学者の戦争協力の経緯と、国際社会における戦争違法化に向けた動向とが背馳してきたという指摘は決定的に重要。著者の見立てに従えば、科学者たちは一貫して、国際紛争の解決手段として「戦争」を認めない、という理念を裏切る方向で行為してきたことになる。
また、2015年に導入された防衛装備庁による「安全保障技術推進制度」にもとづく研究の問題点が詳しく記されたことも勉強になった。防衛装備庁はじつに巧妙に、ホンネとタテマエとを並記しながら、研究者の「良心」が痛まないような甘言を散りばめながら、研究者・研究機関を取り込もうとしている。「学」が「軍」の召使いにならないように、というのは、もちろん人文系の研究者にも当てはまる。
なぜ、何のために学ぶのかという根本に立ち返って、自らを省みるところから始めなければならない。続きを読む投稿日:2023.05.18
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