完璧という領域
熊川哲也(著)
/講談社
作品情報
熊川哲也、21年ぶりの自伝Kバレエカンパニー旗揚げ、古典全幕作品上演、バレエスクール主宰、日本発オリジナル作品創造、オーチャードホール芸術監督、そしてさらなる新たな創造。前人未踏の軌跡が今、本人の手で明かされる――。その男の登場に、コヴェントガーデンは熱狂した。喝采は日本に引き継がれ、男が巻き起こす旋風は一つ一つが事件になった。芸術としてのバレエだけでなく、ビジネスとしてのバレエを成功に導くために、大企業と渡りあい、劇場を運営し、ダンサーとスタッフを育てる。世界に輸出するために、完全オリジナル作品を創造し続ける。そのようなことが、たった一人のバレエダンサーに可能だと、誰が想像できただろうか?「完璧など存在しない」と人は言う。だがそれは失敗から目をそらしたり夢をあきらめたりするための言い訳にすぎない。たしかに作品を「完璧という領域」にまで到達させるには、ダンサーの心技体だけではなく、オーケストラやスタッフ、観客、劇場を含むすべてが最高の次元で調和しなければならない。それは奇跡のようなことかもしれない。しかし「完璧という領域」はたしかに存在する。偉大な芸術はすべてそこで脈打っている。僕はつねにその領域を志向してバレエに関わってきた。――「はじめに」より抜粋第一章 Kバレエカンパニー始動第二章 母なる『白鳥の湖』第三章 ダンサーの身体第四章 試練のとき第五章 いにしえとの交感第六章 舞台の創造第七章 才能を育てる第八章 カンパニーとともに第九章 見えない世界
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この作品のレビュー
平均 5.0 (3件のレビュー)
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バレエをよく知らない人でも熊川哲也という名前は知っている。
バレエ界の天才が歩んだ道筋はとても興味深く面白かった。
熊川氏のはバレエの技術は天性的に「できちゃった」人のようだ。
もちろん努力だって…人の何倍もしているだろうけどバレエにおいてはこういった天性のものというのは大きいのかもしれない。続きを読む投稿日:2019.11.20
2020年26冊目。
「完璧という領域はたしかに存在する」。そんな刺激的な言葉から始まる本書は、東洋人として初めて英国ロイヤル・バレエ団に入団し、21歳にして最高位のプリンシパルにまで上り詰めたバレ…エダンサーの熊川哲也さんの自伝的一冊。
ダンサーというプレイヤーだけでなく、その後にKバレエカンパニーを立ち上げ、演出家として、そして経営者としても芸術の完璧を追求するようになったこの方の哲学はとても刺激的で、僕にとって大切な一冊になった。
熊川さんの言葉に不要な謙遜はない。確かな実績とほとばしる感情によって裏打ちされた自信に満ちている。ここまで自信を隠さない人を久しぶりに見たかもしれない。読者に忖度しないその力強さに痺れる。
とても印象に残っているのは、熊川さんの「エゴへの振り切り」とも言える姿勢。バレエ団の経営者として後継者の育成などはもちろん考えているが、これまでの熊川さんや団体の活躍は、彼自身が持つ芸術への情熱と欲求に素直に従った結果だと感じた。それは特にKバレエの創設期に、組織や環境よりも自身の主張を貫き通したエピソードから感じた。たとえ仲間との離別を生んでも曲げたくないものを強く持っている人なのだと。
もうひとつ強く響いたのは、ダンサーにとっての「人生経験」の大切さだった。人生経験を重ねた表現者は、演じる役割や音楽との共鳴の仕方が変わってくるという。表現の根底にあるのは、演者本人の感動にある。熊川さん自身も「感動屋」で、いつも心が震えていると語っている。人を感動させる前に、まずは自分自身が様々なことに感動して生きる。その重要性を痛感した。
バレエ作品を観たことはほぼないし、詳しくもない。けれどこの本を読んで、バレエは「意味」ではなく「感覚」で伝える総合芸術なのだと感じた。意味に引っ張られがちな「言葉」の領域にいる人間として、これはとても興味深いし、得ていくべき感覚だと思った。
情熱に従って挑戦をする人におすすめしたい一冊。続きを読む投稿日:2020.07.22
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