ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実
望月優大(著)
/講談社現代新書
作品情報
日本はすでに「移民国家」だ。この30年間で在日外国人の数は94万人から263万人へと約3倍に増加し、永住権を持つ外国人も100万人を突破した。2019年春からは外国人労働者の受け入れがさらに拡大されることも決まっている。私たちは「平成」の時代に起きたこの地殻変動を正しく認識できているだろうか? いま必要なのは、この「遅れてきた移民国家」の簡単な見取り図だ。「日本」はどこから来てどこに向かうのか?
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商品情報
- シリーズ
- ふたつの日本 「移民国家」の建前と現実
- 著者
- 望月優大
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社現代新書
- 書籍発売日
- 2019.03.13
- Reader Store発売日
- 2019.03.13
- ファイルサイズ
- 10.9MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 3.9 (32件のレビュー)
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望月優大(1985年~)氏は、東大大学院総合文化研究科修士課程修了後、経済産業省、Google、スマートニュースなどを経て、現在(株)コモンセンス代表取締役。日本の移民文化や移民事情を伝えるウェブマガ…ジン「ニッポン複雑紀行」編集長。
本書は、2019年に出版され、現在の日本における「移民」の状況について、これまでの統計上の数値、法律的な扱い・位置付けの変遷等を踏まえて、考察したものである。
著者は、本書を著した理由を次のように語っている。「日本では長らく「移民」という言葉自体がタブー視されてきた。日本は同じ言葉と文化、歴史を共有する「日本人」だけの国であることが当然とされてきた。今でもなお政府は「移民」という言葉を意図的に避け、まるで日本が一つの巨大な人材会社でもあるかのように、労働者たちを「外国人材」と呼んでいる。日本にはいまだに移民や外国人の支援や社会統合を専門とする省庁も存在しない。・・・この国にも「移民」が存在し、取り組むべき「移民問題」が存在する。日本は「遅れてきた移民国家」である。建前と現実の乖離を、そろそろ終わりにするべきではないだろうか。」
政府がどう定義するかは別としても、日本には2018年6月末時点で、永住許可取得者(永住者と特別永住者)109万人、短期滞在許可取得者(日本人及び永住者の配偶者等、就労資格保有者、留学生、技能実習生など)155万人の、計約260万人の移民が存在し、これはなんと大阪市(270万人)とほぼ同じ規模である。それでも、私が1990年代に駐在していたドイツや英国と比べると、はるかに少なく感じるのは、人口比で見た場合に、ドイツが10.1%、英国が8.6%であるのに対し、日本は2.1%とかなり低く、また、外見上明らかに外国人と分かる白人、黒人の数が少ないからに過ぎないと思われる。
しかし、今や外国人労働者なしに日本の経済活動が回っていかないことは自明であるし、その外国人労働者に関して(様々な背景・要因はあるにしても)、技能実習生の失踪、留学生による(法令で認められた)週28時間の超過労働、非正規滞在者の入管施設への長期収容等、数多くの問題が存在しているのは、本書で詳細に書かれている通りである。そして、忘れてはいけないのが、そうした外国人一人ひとり(及び家族)に、日本人と変わらない日々の生活があるということである。(彼らの生活については、室橋裕和氏が在日外国人の日常をルポルタージュした近著『日本の異国』に詳しい)
「社会が関与せず、関心を持たず、足場を与えずに放置し、その生から撤退する対象としての人間をどんどん輸入していく-こうした移民政策から、移民を同じ人間として受け入れ、それぞれに必要な支えを提供し、誰もができるだけ「安定した生」を生きられるように努める移民政策へと転換することができるか。安価でフレキシブルな労働力という幻想を捨て、一人ひとりが経験する当たり前の現実へと目を向けることができるか。」 著者が最後に提起するこの問題を、「彼らの」話ではなく、「私たちの」問題として取り組めるか、それが今問われているのだと思う。
(2020年4月了)続きを読む投稿日:2020.04.08
日本における移民対策をわかりやすく記している。島国の民族主義はグローバル社会においても外国人を偏見・差別して労働力として搾取しようとする。この浅ましさが行革や制度によって外国人を虐げている。どこが多様…性なのか、無関心ではいけない、無力を痛感する個人として声をあげ続ける。移民問題しかり難民・避難民とトリッキーな区分けをせずに堂々と外国人を受け入れる度量を見せなければ、この国は蚊帳の外に追いやられる後退国となるであろう。助けることを無下にして助けられるなんておこがましい。続きを読む
投稿日:2022.04.12
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