この作品のレビュー
平均 3.3 (7件のレビュー)
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久しぶりに五木寛之を読んでみた。
いつ以来だろう、彼の小説を読むのは------
高校時代に初めて読んで嵌り、大学に入ってからもかなり読んでいた。
社会人になってからは殆ど読んだ記憶がないので、四半…世紀ぶりくらいになるのかもしれない。
あの頃は、純文学、大衆小説、推理小説と三つに色分けされていて、推理小説は別格でエンタメ小説として分類されていたが、彼のような大衆小説は、純文学より一段低いものとみなされていた。
でも、それがとても面白かったんですね。
もっとも、人気があって作品が売れたからこそ、“大衆小説”として純文学界から蔑まされていたということもあったのだけれど。
「蒼ざめた馬を見よ」「さよならモスクワ愚連隊」「青年は荒野をめざす」など、細かい内容は忘れてしまったが、とにかく僕を夢中にさせる何かがあった。
極めつけは「青春の門」だ。
この大長編小説は、僕を東京へ誘う、言わば僕の人生に大きな影響を与える小説になったのだ。
さて、この作品「レッスン」は、1990年代の女性誌に連載された恋愛小説。
五木寛之の小説ってこんな感じだったかなあ、と別の意味で新鮮な驚きを覚えた。
現代のエンタメ小説と比較しても、地の文が非常に平易である。比喩もありきたりだ。会話文に至っては、非常に古めかしい。20年前の作品、或いは女性誌の連載向けに創作したということを考慮しても、もどかしさを感じる文体である。
年上の魅力的な女性に憧れるモータージャーナリストが主人公。
その女性との邂逅から別れまでが淡々と綴られている。
軽い性描写などもあるのだが、さほど官能的ではない。
主人公が考える性に対する観念も非常に古めかしい。
(バージンの女性とSEXしてしまったら、責任を取って結婚しなければならない、などと今の若い男性はまさか思わないでしょう?)
今風の小説からは甚だ遠いところに存在するような作品である。
うーむ。
軽く読めて、ストレスは感じないのだが、今の僕にはあまり相容れない作品だった。
かつてあれほどのめり込んだ五木寛之の魅力とは何だったのだろう?
あらためて昔の作品を読んで検証したくなった次第である。続きを読む投稿日:2014.03.18
五木寛之の描く女性はどの作品でも独特の雰囲気がある。レッスンでの佐伯伽耶も不思議であり、謎めいて描かれている。
こんな女性が存在するだろうか投稿日:2019.07.12
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