人工知能に哲学を教えたら
岡本裕一朗(著)
/SB新書
作品情報
「使える哲学」とはなにか?
AIロボット、ドローン、自動運転。シンギュラリティの恐怖も叫ばれる中、いよいよ活気づいてきた人工知能の世界。アメリカではすでにUberによるタクシーの自動運転が実践化されているといいます。しかし、一方でAIが紛争や殺人に使われる懸念があるなど、モラルや倫理が追いついていない状況に見えます。
果たして、「合理的で」「最適な」答えを出す、人工知能にどうすれば「考え方」を与えられるのか。
本書では、哲学だけでなく、テクノロジーやITまで幅広い分野に造詣の深い岡本先生に、「人工知能に哲学を教える」という設定のもと、「究極な問い」を立てながら、哲学はそれにどうこたえるか…の考え方を提示いただきます。話題の人工知能と哲学を掛け合わせることで、「哲学のおもしろさ」を味わってもらう1冊を目指します。
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商品情報
- シリーズ
- 人工知能に哲学を教えたら
- 著者
- 岡本裕一朗
- ジャンル
- サイエンス・テクノロジー - 数学・物理学・化学
- 出版社
- SBクリエイティブ
- 掲載誌・レーベル
- SB新書
- 書籍発売日
- 2018.09.05
- Reader Store発売日
- 2018.09.05
- ファイルサイズ
- 2.8MB
- ページ数
- 256ページ
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この作品のレビュー
平均 3.7 (21件のレビュー)
-
人工知能と哲学、なんてワクワクするタイトルだろう。読まなくても自分の中に妄想が膨らんでいくのがわかる、危険なフレーズである。人間とはなんなのかを悩み続ける主体が気付けば自分も人工知能だったなど星新一が…何十作も書いてそうなありきたりな妄想に勤しみながら読むことを決意した。
大学で哲学を教えているという筆者が人工知能と哲学(ここでいう哲学は主に倫理面だ)について様々な面からあり方を考えるものだ。全ての章が巧妙に純粋な希哲学者の私の興味をせっせと引いてくる。万有引力を実感した。その中でも特に面白かったトピックは1章の「AIvs正義」や3章の「AIvs芸術家」や5章の「AIvs労働者」などである。どうだろう、これが面白そうに見える人とはとても気が合うと思う。
本文はトピックに関連して過去に議論された思考実験や筆者の創造などが混ざり合って面白いものになっている。どこまで内容が有効なのかはわからないが、読みながら自分の妄想に取り込む材料としてはもってこいな内容だと思う。内容について細かく話したいがいかんせn興味深い内容なので本分量にも負けないほどの文量で書いてしまいそうなので遠慮しておく。
1番印象的だったのは「人間主義の終わり」というフレーズだ。確かに人権や倫理観について人工知能にも当てはめると人間の範囲がどんどん広がると感じた。ただ変に拗らせてハルマゲドン信仰などに入れ込まないように注意したい。我々人類にとって最も大切にするのはなんなのか、全ての思考を人工知能に任せる世界になる前にもう一度考えるべきではないだろうか。続きを読む投稿日:2021.05.03
個人的な読書メモです
哲学の思考実験はこれまでの常識を考え直すきっかけになった
「決断」とは高度な思考である
「フレーム問題」 人間が決断出来るのは人間が有限な処理能力しかもっていないから。あらかじ…め情報のフレーム(枠)を限定している
実際には無限の情報があるので決断が出来なくなる
芸術の評価は客観的にはありえない、それは個人的な好みや趣味判断の表現以上のものではない。芸術の評価とは純粋に主観的なことがらである
芸術には「権力価値」と「市場価値」がある
学校の語源は古代ギリシャ語の「スコレー」にあると言われ、その意味は「暇」である
「主人と奴隷」のパラドックス
人工知能と宗教 一人ひとりの生き方に合わせた「カスタマイズ化された神」が作られる
人間主義(ヒューマニズム)が終わりを迎えている続きを読む投稿日:2024.02.11
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