中国 経済成長の罠 金融危機とバランスシート不況
関辰一(著)
/日本経済新聞出版
作品情報
不良債権は公式統計の10倍、
企業債務は8年で4倍に急増――
日本のバブル崩壊と同じ道をたどるのか?
気鋭の研究者が、独自のデータ分析を基に、中国経済に潜む脆弱性を明らかにする。
中国で日本のバブル崩壊が再現される可能性が高まっている。リスクシナリオは2つある。1つは、金融危機が発生するという資金供給面でのシナリオだ。もう1つは、バランスシート不況に陥るという資金需要面でのシナリオである。
筆者は、2022年までに中国経済がいずれかのリスクシナリオに陥る可能性は40%と見る。リスクの所在は、巨額な不良債権と企業債務にある。
中国の不良債権問題は深刻である。高成長が終焉する中、不良債権の増加が金融機関の経営を圧迫している。中国の金融機関が抱える潜在的な不良債権は政府の公表値を大きく上回る。すでに一部の中小金融機関が債務超過に陥り、取り付け騒ぎも発生した。金融機関の連鎖的な破綻が生じ、金融危機が発生するリスクを払拭することはできない。
また、中国の企業債務はすでに危機水域まで達した。銀行からの借入金などを含む企業債務残高の対GDP比はすでに日本のバブル期を上回る。いつ企業が過大な債務と資産の目減りへの対応から、バランスシート調整を余儀なくされ、その結果、債務返済を優先する一方、設備投資需要が縮小しても不思議ではない状況だ。
――「はじめに」より
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商品情報
- 著者
- 関辰一
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2018.05.24
- Reader Store発売日
- 2018.06.06
- ファイルサイズ
- 8.2MB
- ページ数
- 208ページ
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この作品のレビュー
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『#中国経済成長の罠』
ほぼ日書評 Day348
中国経済は、金融危機懸念という段階から、ハードランディングも想定しないといけない時代に入ったという。
リーマンの時とは異なり、同国の金融は直ちに…世界各国と直接のつながるものではないという相違点はありつつも、その規模の大きさが、不測の事態のインパクトの大きさに直結する。「最も危ない銀行」と名指しされる「中堅銀行」である中国招商銀行の国内外の支店は1830店舗に及ぶ(p.40)。平成30年の都銀5行の有人店舗数が合計で1772、それを超える規模だ(平成元年は13行、3412店舗)。またこの1行で97兆円相当の余震規模を持つ。
地方不動産への迂回融資のメインルートたる融資平台を始めとするシャドーバンキングの仕組みは、かつての日本のノンバンクや、サブプライムローンとも似た様相を呈してくる。
一方で、中国は2015年頃にはルイス転換点を越えたとも言われるが、バランスシート不況の懸念が高まる中、中央政府による経済へのグリップ低下も気になる要素だ。
ただし、最悪のシナリオは、同国のバブルが崩壊し、深刻な世界同時不況に陥ることなのだろうか。個人的妄想であれば良いのだが、経済破綻をきっかけに同国が、社会コストの軛にとらわれることなく、環境汚染や軍事行動等、従来型民主主義国家の枠組みでは「禁じ手」だった手段に訴えるようなことは、起きてほしくないと切に願う次第である。
なお、所々、初歩的な誤植も散見されるが、文章自体は、この手の本にありがちな持って回った表現がなく、ひじょうに読みやすい。上記のサマリーに間違いがあった場合には、評者の経済分野での知識不足によるものと、ご容赦願いたい。
https://amzn.to/2OWZgPj続きを読む投稿日:2021.02.22
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