社会学的方法の規準
エミール・デュルケーム(著)
,菊谷和宏(訳)
/講談社学術文庫
作品情報
マックス・ウェーバーと並ぶ社会学の祖エミール・デュルケーム(1858-1917年)が1895年に世に問うたマニフェストの書、待望の新訳。『社会分業論』(1893年)で名を馳せたデュルケームは、その2年後、社会学に固有の対象である「社会的事実」の存在を宣言し、それを扱う方法を提示する。本書が与えた影響は計り知れない。この古典中の古典を第一級の専門家が明快な日本語にした決定版が完成!
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商品情報
- シリーズ
- 社会学的方法の規準
- 著者
- エミール・デュルケーム, 菊谷和宏
- 出版社
- 講談社
- 掲載誌・レーベル
- 講談社学術文庫
- 書籍発売日
- 2018.06.11
- Reader Store発売日
- 2018.06.11
- ファイルサイズ
- 0.3MB
- ページ数
- 264ページ
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この作品のレビュー
平均 4.3 (3件のレビュー)
-
どういった観点で「社会」を見なければならないか、どの様は基準を設けるべきか、あるいは設けてはいけないかを論じている。西洋的価値観に基づく観点を捨て、その事象を一つの事実として認めるよう訴えている。…ある社会では悪徳とされることであっても、別の社会においては称賛される行為があるとき、称賛される社会を異常や例外とするのではなく、その事実を受け止め、なぜそのような違いが生じたのかを検証することこそが「社会学」となる、ということである。これを主軸として、通俗的な物の見方を改めることを勧め、暗黙の了解で使っていた様々な言葉に対してきちんとした定義を与えることを求めている。また、思い込み、決めつけ。そうでなければならないという態度を戒めている。哲学の延長線上、あるいは哲学の一部であった「社会」の研究を、「社会学」という学問へと昇華させたきっかけとなった著作であるが、事実を事実として受け止めることの難しさも見て取ることができる。続きを読む
投稿日:2018.10.13
「社会的事実」とは、個人に外的拘束を及ぼしうる行為様式であり、それ個人から独立した存在性を持つ。
「社会的事実」は、物として扱わなければならない。つまり、観念や意識から独立した、科学の対象となる客観的…な物として。
このように社会学固有の対象としての「社会的事実」の概念を打ち出した本書は、社会学確立の記念碑である。
社会的事実について、規範から外れるかもしれないことを企図すると個人は強い心理的抵抗を受け、それを実行に移すとしばしば現実的抵抗を受ける。個々人を超えた「かのような」社会的な拘束性はたしかに感じられる。
そのような個人に還元できない「社会的事実」の概念を打ち出した功績は大きいのだが、あくまでも「擬制」として有益なのであって、デュルケムのように「実在」としての側面を強調することにはためらいがある。
やはり実在するのはあくまでも個々人であり、社会的な現象はあくまでも個人と個人の関係性で理解を試みなければならないようにも思う。
もちろん、それには労力がかかりすぎるので、マクロな現象を永遠に論じれなくなる。それを乗り越えるための技術として社会的事実の概念は必要かもしれない。だけど、個人から説明できるものはそのようにすべきだろう。それではどうしても説明のつかない場合に社会的事実のような概念に頼る方がよい。
デュルケム自身も個々人の心理には還元できない現象を示した上で社会的事実の実在性を論じれば説得的だが、彼のわずかに示した実例では論拠が弱い。
あとがきを読むと、そもそも「個人」を観念しうるのは「社会」(2人以上の人の共在)があるからであり、その意味で個人の実在と同じレベルで社会も実在するというのも、観念的には理解できる(この「個人」は個体とは異なる)。ただし、それも言葉の問題であるし、デュルケムがそのような意図なのかは分からない。続きを読む投稿日:2024.03.14
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