日本料理はなぜ世界でいちばんなのか 私が「吉兆」で学んだ板場道

渡辺康博(著者)

 /

あさ出版

作品情報

■誰が日本の料理をダメにしたのか

私は長年、「板場(いたば)」として生きてきました。
「板場」という言葉は聞いたことがあっても、
具体的にどういうものか、ピンとこない方も多いかもしれません。
世の中には二通りの“料理人”がいます。「板前」と「調理師」です。
「板前」は、師匠について修業を積んだ人たち。
一方の「調理師」は、調理師専門学校などを卒業した公的資格を持つ人たちです。
そもそも料理人とは、自分が習得した技術と蓄えてきた経験、
それを基に磨き上げた勘で素材のよさを引き出し、
美味しいものを提供する職業です。
その意味では板前も調理師も同じはずですが、
現実にその道に邁進するのは板前で、
料理の道を探求しようとする調理師は少ないように思えます。
そして、板前の中に板場と呼ばれる人たちがいます。
いま板前と板場は同じ意味で使われることが多いのですが、
私は板前の中でも、より真剣に料理の道を究めようとする人間が
板場だと考えています。

日本料理は、板場の人たちが伝統と格式を受け継ぎ、
よりよい味と文化を求めて精進してきた世界です。
最近では冠婚葬祭の席でも洋風料理のコースが増えてきましたが、
伝統的に日本では“大事な席”では日本料理が主役でした。

日本料理の伝統と文化をより深く舌で味わい、肌で感じるために、
定期的に全国各地を食べ歩きしています。どこに行っても、
伝統の味を受け継いでいる店が激減しています。
その理由は簡単です。現代は「食の多様化」の時代で、
とくに都会では、リーズナブルな価格で何でも食べることができるからです。
みんなが「安さ」を第一に考えるようになったため、
本格的な日本料理店は閑古鳥(かんこどり)が鳴くようになりました。

なぜ、食の世界がわびしくなってしまったのか。
私は、他の業種が外食産業に参入してきた結果だと思っています。
批判を恐れずにいえば、「手っ取り早く儲かりそうだ」と考えた異業種が参入して、
日本の「食」の世界を破壊してしまったのです。
私は「吉兆」という日本屈指の料亭で板場修業をし、
いまは福岡で日本料理店の経営者をつとめ、
高級路線の「海峯魯(かいほうろ)」と
大衆路線の「海山邸(かいざんてい)」を
展開しています。
その経緯は後述しますが、日本料理を取り巻く現状を見るたびに、
「なんとかして、この世界に活気を取り戻したい」と考えるようになりました。

■著者 渡辺 康博

もっとみる

商品情報

シリーズ
日本料理はなぜ世界でいちばんなのか 私が「吉兆」で学んだ板場道
著者
渡辺康博
ジャンル
料理・酒 - 料理
出版社
あさ出版
書籍発売日
2018.04.14
Reader Store発売日
2018.04.25
ファイルサイズ
2.2MB
ページ数
224ページ

以下の製品には非対応です

  • PlayStation®Vita

日本料理はなぜ世界でいちばんなのか 私が「吉兆」で学んだ板場道

  • 試し読み
  • 新刊通知

    • 渡辺康博

    • 日本料理はなぜ世界でいちばんなのか 私が「吉兆」

    もっとみる

    この作品のレビュー

    平均 0 (1件のレビュー)

    レビューを書く

    0
    0
    0
    0
    0

    すべてのレビューを見る

    新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。

    • ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
    • ・買い逃すことがありません!
    • ・いつでも解約ができるから安心!

    ※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。

    ※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。

    不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)

    ※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。

    ※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。

    お支払方法:クレジットカードのみ
    解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です

    続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。

    • ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
    • ・買い逃すことがありません!
    • ・いつでも解約ができるから安心!
    • ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!

    ※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。

    ※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。

    不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)

    ※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。

    ※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。

    お支払方法:クレジットカードのみ
    解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能です

    Reader Store BOOK GIFT とは

    ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
    贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
    ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。

    ※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
    ※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
    ※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
    ※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
    ※ポイント、クーポンの利用はできません。

    クーポンコード登録

    登録

    Reader Storeをご利用のお客様へ

    ご利用ありがとうございます!

    エラー(エラーコード: )

    本棚に以下の作品が追加されました

    追加された作品は本棚から読むことが出来ます

    本棚を開くには、画面右上にある「本棚」ボタンをクリック

    スマートフォンの場合

    パソコンの場合

    このレビューを不適切なレビューとして報告します。よろしいですか?

    ご協力ありがとうございました
    参考にさせていただきます。

    レビューを削除してもよろしいですか?
    削除すると元に戻すことはできません。