- 最新巻
遅刻してくれて、ありがとう(下) 常識が通じない時代の生き方
トーマス・フリードマン(著)
,伏見威蕃(訳)
/日本経済新聞出版
作品情報
■ピュリツァー賞を3度受賞した世界的ジャーナリストが放つ、全米大ベストセラー!
■1970年代から2000年代初頭にかけて高賃金で中スキルの仕事がなくなり、ミドルクラスが消えた。
グローバリゼーションとテクノロジーが、必須スキルのレベルを引き上げたのだ。
大人になるまで学校に通って「勉強はおしまい」という時代は、もう戻ってこない。
生涯にわたって稼ぐ能力を維持するには、一生学びつづけなければならないのだ。
■協力、共感、柔軟性といったロボットに欠けたスキルを身につけ、人並みに暮らすにはどうしたらいいのか?
人間がAIの力を借りて、もっと生産的で豊かになるような未来を描くには、どうしたらいいのか?
■私たちは移行期にいる。容易ならざる環境だ。
だが人類はこういう移行を何度も行なってきたし、今回もできると確信している。
もっとみる
商品情報
- 著者
- トーマス・フリードマン, 伏見威蕃
- 出版社
- 日経BP
- 掲載誌・レーベル
- 日本経済新聞出版
- 書籍発売日
- 2018.04.24
- Reader Store発売日
- 2018.04.24
- ファイルサイズ
- 1.6MB
- ページ数
- 424ページ
- シリーズ情報
- 既刊2巻
以下の製品には非対応です
この作品のレビュー
平均 3.7 (11件のレビュー)
-
2001年から2016年に世界におきた、イノベーションとグロバリゼーションが世界に与えたものは何かをよく考えようというのが読者への投げかけです。
854頁におよぶトーマス・フリードマンの大作、読みでが…ありました。
下巻は、地政学的見地から世界の変化を考察するところから、コミュニティの重要さまでを描きます。
結論は、こうです。
「アメリカの悪いところは、無数のコミュニティ、田園地帯、都市部の多くが崩壊していることだ。
しかし、いまのアメリカの良さは、団結して、市民が自分の将来に責任を持てるようにスキルとチャンスを得るのを手助けしているコミュニティや地域も、無数にあることだ。
強権をふるう男ではなく、強力なコミュニティのみが、アメリカを再び偉大にする」
歴史のブレークポイントは、3つ
2001年 グランドゼロ
2007年 デジタル・テクノロジー
2008年 リーマンショック
グローバリゼーションと、テクノロジー、気候変動の同時進行が、中流を支えてきた、高賃金で中スキルの仕事が、高賃金で高スキルの仕事と、低賃金で低スキルの仕事に二分されていく。それが個人のスキルの習得や、社会の制度の変化に追いつかない状況で起きていくといっています。
下巻で気になって点は、次の通りです。
・第二次世界大戦からベルリンの壁崩壊までの期間は、信じられないような経済的平穏期間だった。ために、政治にも平穏を安定をもたらした。あらゆる人々を受け入れ、移民になることが容易だった。
・崩壊しかかっている国はほとんどといっていいほど、国境が直線になっている。19世紀の版図か植民地だったためで、民族、宗教、人種、部族とは無関係に国境が引かれ地形すら考慮されていないからだ。
・アラブの春は、スマホのソーシャルメディアに大きな潜在力があることを明らかにしたが、同時に大きな弱点も暴かれた。ソーシャルメディアでは意思の統一ははかれない。
・リーダシップが誕生するまでの期間を短縮することはむずかしい。シャルル・ドゴール、ドワイト・アイゼンハワー、ジョージ・ワシントンは、もがき、倒れ、起き上がっては連合を1つづつ積み上げて指導者になり、偉人になった。
・ロシアや、中国がサイバー攻撃という非対称戦を実行したのは、ほとんどコストがかからないため、西側では個人が法的に保護されているが、ロシアでは、メディアが規制されているので情報が広い範囲に行き渡るのを防げる
・愚かな人間の行為を浄化できるのは、母なる自然しかない。
・両親は私が幼いころから、人種差別主義者にならないよう私に教えたが、言葉でそう導いたわけではなかった
・アメリカ史としてみんなが陶酔していた最高の時代とは:公共政策と政治がうまく機能しつづけ、排他的でない政治が行われるためには、パイの拡大が欠かせない。収入格差が縮まり、繁栄が共有されて高い成長と高い平等がもたらされた。
・愛着をもって区域と結びつき、社会で私たちが属しているその小さな集団を愛することは、公共への情愛の起源である。
・彼らが信頼を示そうとする前に、私のほうから信頼を示すのです。
・だれもが、自分の習慣をまもってよいが、その根底にある特定の価値観、女性、法の支配、さまざまな宗教、公的機関、コミュニティの空間をどう扱うか をゆるがせにしてはならない。
・ヨーロッパの多くの国では移民をその国の主流の文化に溶け込ませるのに失敗したために、高い代償をはらった。分離したり、隔離したりする未来よりも、共有する未来の方がのぞましい。それには、信頼を打ちたてることがもっとも重要なのです。
・加速の時代には、学校とその後の人生で、だれもが、腕をあげなければならないということだ。そのためには、もう取り残される子供がいる状況を見過ごしている余裕はない。
・思いやりのある大人やメンターが若者にとって死活にかかわるくらいに重要だということだ
目次は以下です。
<上巻>
Part1 熟考
1 遅刻してくれてありがとう
Part2 加速
2 2007年にいったいなにが起きたのか?
3 ムーアの法則
4 スーパーノバ
5 市場
6 母なる自然
Part3 イノベーティング
7 とにかく速すぎる
8 AIをIAに変える
<下巻>
9 制御対混沌
10 政治のメンターとしての母なる自然
11 サイバースペースに神はいるか?
12 いつの目もミネソタを探して
13 故郷にふたたび帰れる(それに帰るべきだ)
Part4 根をおろす
14 ミネソタから世界へ、そして帰ってくる
<その後>それでも楽観主義者でいられる続きを読む投稿日:2022.07.06
冷戦中のアメリカの外交政策は、力の管理が主なものだったが、現代では弱さ(中東の弱小国、自国、同盟国)を管理しなければならず、それは力の管理よりも難しい。
加速の時代では、難民は戦争ではなく国民国家の…崩壊により生じる。気候変動による大規模な飢餓に対応できない政府への不満が高まり、やがて内紛が勃発する
SNSによるアラブの春の多くが失敗に終わったのは、自分たちの進歩的な思想を組織や政策として打ち出すような、多数派統治の仕組みが作れず、逆にSNSは嘘やヘイトを拡散しやすいため、革命派が容易に分裂したため。
イスラム過激派は、運動であって組織ではない。SNSによって人々を扇動するが、明確に組織だっていないゆえに、撲滅するのが難しい。
現在の国際秩序の難題への解決策
①増強:無秩序の国で、「良識をはぐぐむ拠点」を広げて、能力を増強させるようなシステムを作る。まず「彼ら」の意思を変えなければ何も変わらない。
②住人が故郷の村に住み続けることを後押しするため、基礎的インフラ(緑地、Wi-Fi、鶏小屋、上下水道)を整備する
つまり、人並みの暮らしをまず整える
都市部と農村部で、加速の時代には格差が増大している。
現在の統治にすぐに適用できる、地球から学べるキラーアプリ
①経済と軍事で優位なよそ者と対峙したとき、彼らから学べる能力
②多様性を受け入れる能力→ただ色々な人がいるだけでは多元的とは言えず、社会に緊張を招くだけ。真の多元的共存は、「対話」と「譲り合い、批判主義、自己批判」の上に生まれる。
③未来と自分たちの問題に、当事者として責任を引き受ける能力→当事者意識があれば、エネルギーが湧いてくるし、人々は自分のことだと思って手を貸す
④連邦と地方の適切なバランス――ミクロの部分で繁栄し、それがマクロに栄養を与える
⑤起業家精神にあふれ、様々な「側」の人々と思想や理想を混合し、共進化する能力
移民を文化の面で適応させなければならない。多文化の正義のもといつまでも「お客様」で居ては、民主主義国は反映できない。共有文化を豊かにする責任がある。
良識的で、正直で、お互いを尊敬しあう価値観が原則をなすコミュニティに人々を定着させるにはどうすればいい?→人々は倫理のイノベーションを求めている
「自分がされたら嫌なことを他人にやらない」この古来の黄金律は今の社会だからこそ輝く。
大切なのは健全なコミュニティで他人と相互依存を築くことだが、コミュニティの規模が、一地域一国ではなく、「世界の全て」へと拡大している。
地方政府に参画することが、民主主義の市民意識に必要な心の習慣をはぐくむ可能性がある。続きを読む投稿日:2020.06.07
新刊自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
※新刊自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新号を含め、既刊の号は含まれません。ご契約はページ右の「新刊自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される「増刊号」「特別号」等も、自動購入の対象に含まれますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると新刊自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約・新刊自動購入設定」より、随時解約可能です続巻自動購入は、今後配信となるシリーズの最新刊を毎号自動的にお届けするサービスです。
- ・発売と同時にすぐにお手元のデバイスに追加!
- ・買い逃すことがありません!
- ・いつでも解約ができるから安心!
- ・優待ポイントが2倍になるおトクなキャンペーン実施中!
※続巻自動購入の対象となるコンテンツは、次回配信分からとなります。現在発売中の最新巻を含め、既刊の巻は含まれません。ご契約はページ右の「続巻自動購入を始める」からお手続きください。
※ご契約をいただくと、このシリーズのコンテンツを配信する都度、毎回決済となります。配信されるコンテンツによって発売日・金額が異なる場合があります。ご契約中は自動的に販売を継続します。
不定期に刊行される特別号等も自動購入の対象に含まれる場合がありますのでご了承ください。(シリーズ名が異なるものは対象となりません)
※再開の見込みの立たない休刊、廃刊、出版社やReader Store側の事由で契約を終了させていただくことがあります。
※My Sony IDを削除すると続巻自動購入は解約となります。
お支払方法:クレジットカードのみ
解約方法:マイページの「予約自動購入設定」より、随時解約可能ですReader Store BOOK GIFT とは
ご家族、ご友人などに電子書籍をギフトとしてプレゼントすることができる機能です。
贈りたい本を「プレゼントする」のボタンからご購入頂き、お受け取り用のリンクをメールなどでお知らせするだけでOK!
ぜひお誕生日のお祝いや、おすすめしたい本をプレゼントしてみてください。※ギフトのお受け取り期限はご購入後6ヶ月となります。お受け取りされないまま期限を過ぎた場合、お受け取りや払い戻しはできませんのでご注意ください。
※お受け取りになる方がすでに同じ本をお持ちの場合でも払い戻しはできません。
※ギフトのお受け取りにはサインアップ(無料)が必要です。
※ご自身の本棚の本を贈ることはできません。
※ポイント、クーポンの利用はできません。クーポンコード登録
Reader Storeをご利用のお客様へ
ご利用ありがとうございます!
エラー(エラーコード: )
ご協力ありがとうございました
参考にさせていただきます。