2018年 資本主義の崩壊が始まる
野田聖二(著)
/かんき出版
作品情報
脳科学者・茂木健一郎氏、哲学者・小川仁志氏、絶賛!!
「システムの限界を知るためには、
その本質を理解しなければならない。
本書は、資本主義の最良の教科書でもある。
最高の知性が描く新時代の見取り図が、ここにある」
脳科学者 茂木健一郎氏
「この本は経済成長にまつわるすべての神話から、
私たちを目覚めさせてくれる。
物質から生命へ、エントロピー増大から減少へ。
大胆不敵な視点の転換。
2018年、誰よりも早く本物の未来を知りたい人必読の書!」
哲学者 小川仁志氏
中世から近代への歴史を探ると見えてくる
崩落への道筋とその後の社会システムとは?
日本経済は資本主義の先行指標である
技術革新が生産性を低下させるパラドックスとは
なぜ資本主義と近代科学は限界を迎えたのか
経済と自然は密接につながっている不思議な事実
近代は秩序を喪失し自由を獲得した時代
世界は不安定化し秩序崩壊に向かっている
日本が新たな時代において先行モデルになる
などの大胆な視点の転換により本書は、
なぜ技術革新によっても生産性が上がらないのか、
その謎を解く。謎を解くための手掛かりとなったのが、
「エントロピー」である。
さらに歴史を俯瞰して、近代の資本主義が
どのような時代背景のなかから生まれてきたのかを探り、
資本主義が最終的に崩壊する運命を辿らざるをえないことを、
歴史の文脈から読み解いている。
資本主義はなぜ終焉を迎えることになるのか?
その後の新たなシステムとはどのようなものか?
混沌として先が見えない時代にあって、
確かな未来を見通すための手掛かりがつかめる。
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商品情報
- シリーズ
- 2018年 資本主義の崩壊が始まる
- 著者
- 野田聖二
- 出版社
- かんき出版
- 書籍発売日
- 2018.01.05
- Reader Store発売日
- 2018.01.05
- ファイルサイズ
- 6.6MB
- ページ数
- 224ページ
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この作品のレビュー
平均 5.0 (1件のレビュー)
-
今年(2018)になって資本主義崩壊というフレーズをタイトルに含んだ本が私の目に留まるようになりました。この本の特徴は、第一章に大胆にも、2018年以降の日本経済と世界経済「10大予言」が書かれている…ことです。
早ければ今年中におきるのが、中国の不動産バブル崩壊、そして世界同時府不況の後に、急激な円高・株安・日本国債暴落、ハイパーインフレ、そして極め付けは「東京五輪中止」だそうです。
すごい予言が並んでいますが、この数年に是非がわかることなので注目しておきたいと思います。資本主義とは、エントロピーが増大するシステムなので、それができなくなるのが資本主義の限界なのかもしれません。
このような内容を、今までの歴史を照らし合わせることで解説しています。とても興味ある視点でした。資本主義にかわる社会とは、エントロピーが今までのように増えるのではなく、減少する世界なのかもしれません。今後の社会を想像するにあたり参考になる考え方でした。
以下は気になったポイントです。
・エントロピーから明らかになることは「物質の時代」であった「近代」が終わり、新たな「生命の時代」がやってくるということ。本来生命である人間が、資本主義というシステムのなかで物質的な存在となってしまい、人間が科学技術(というモノ)に使われてきた時代が終わり、人間が生命力を取り戻して生き生きと人間らしく生きることができる時代へ、人間のために科学技術を使う当たり前の時代へと歴史はこれから変わる(p9)
・2012年12月に為替が円安に転じた最大の理由は、2012年11月に景気が底を打って回復に転じたから、これが2015年7月に1ドル=124円となる、2018年には再び円高となり、2017年9月の購買力平価の水準である83円を突破して、80円程度まで進むだろう(p41)
・TOPIXは、景気回復時には名目GDPまで上昇し、後退期には名目GDPの半分まで下落していく動きがある、1ドル80円まで為替が進むと日経平均は、9000円を切るだろう(p42、44)
・過去10年間の日本の長期金利の軌道は、今後10年間の米国の長期金利の軌道をそのまま表している、ここから予想されるのは、米国長期金利は今後10年間、さらに下がり続けて現在の日本のように最終的にはマイナス金利となる、先行する理由は、バブル崩壊を10年早く経験したから(p65、67)
・クズネツクサイクルの消滅、コンドラチェフサイクル周期の長期化、マイナス金利、バブルとバブル崩壊による経済危機の頻発、これらの現象は、資本主義サイクルが終局にむかっていることを示している(p73)
・自然界のエネルギーを、科学技術の進歩や生産性の向上により、有用なエネルギーに変化させることは、エントロピー減少となっているが、同時に外部不経済として「不要なエネルギー廃棄物」を出しているので、結果的にはエントロピー増大となっていた(p89、91)
・環境産業が成長するということは、経済全体から見れば外部不経済コストが増大した結果であり、逆に経済成長を押し下げることになる(p95、96)
・生産性を上げることができない理由を一言でいえば、資本主義の下ではエントロピーが増大する一方で、減少させることができない、ことになる(p114)
・中世のキリスト教的世界観では、神・人間・自然がひとつにつながっていたが、近代の科学的世界観では、神や宗教、人間は芸術・哲学、自然は自然科学へと切り離されていった、これはエントロピーの小さい固体社会から、エントロピーの大きい気体社会への相転移であったと考えられる(p119、122)
・商品には2つの顔を持っている、消費者にとって有用であるという「使用価値」、もう一つは、企業(生産者)にとっての貨幣と交換できる「交換価値」、資本主義においては、企業(生産者)と消費者の利害がはじめから対立しているという問題がある、資本主義経済は、共同体をバラバラ(分断)にして構成員同士を商品交換によって結びつける経済システム(p130、133)
・マズローは晩年に、自己実現要求の上に、自己超越要求(他人に奉仕、献身したい)を加えた。マズローは下層の4つの要求(生理的、安全、社会的、自我要求を「欠乏要求」とした(p136)
・資本主義がもっぱら人間の生存欲しか満たせないシステムであり、社会的な需要をそれだけ限られたものにして経済成長を阻む1つの要因となっている、その原因は、経営者と労働者が対立している、分裂しているから、一方共同体では労働を通して、自己超越要求を満足させることが可能となる(p137)
・生理的要求等を満たすときに仕事を行っている時より、自己実現要求、自己超越要求を満たすために仕事を行っているときのほうが、人間の意識レベルが高くなる、これは人間のなかのエントロピーを減少させる生命力(精神エネルギー)が大いに発現している、これは生産性の高さに比例する(p138)
・資本主義が崩壊するということは、対立・分裂が解消される、もともと1つにつながっていた、生産者と消費者、経営者と労働者が1つになった、従って、商品交換を必要としない、真正の「共同体」が新たな経済システムの下で生まれる(p139)
・地球は水循環(水蒸気が蒸発し、雨が降る)を通じて余分なエントロピー(熱)を捨てる、企業は景気循環(不況:在庫調整→好況:在庫投資)を通して余分なエントロピー(在庫)を捨てる、中央銀行の供給するマネー、政府発行の国債も同じ(p146、149)
・自動車が人間の「走る」力を拡大したように、AIは人間の「考える力」を拡大した「考える機械」であり、それ以上のものではない(p178)
・生産性の向上を図る方策として、今注目されているのが「働き方改革」だが、能力主義、個人主義の徹底だが、これは社員の意識の低下と企業の中の絆の分断を招き、企業のなかのエントロピーを一段と増大させる(無秩序化させる)結果となり、資本主義の崩壊を早めるだろう(p182)
・生産者と消費者の区別がなくなることは、生産者が同時に消費者にもなること、つまり共同体のために生産されたものが共同体のなかで消費される、自給自足経済を基本とする(p195)
・地域の「ご当地グルメ」「マスコットキャラクター」が人気なのは、人々の意識や関心が地域に向き始めた証拠、地域共同体の形成へとつながっていく時代の大きな変化を反映している(p203)
・日本人の特徴に、礼儀正しく集団行動をとる傾向が強いことがある、キレイ好きで約束をきちんと守る、これらの特徴はすべてエントロピーが小さい(秩序が高い)状態を表している、日本人はエントロピーが小さい状態を好む国民である(p206)
・ハイポニカトマトは、トマトに内在する無限に成長しようとする力を引き出す栽培方法であり、エントロピー減少の法則がたしかにこの世に存在することを立証したもの(p217)
2018年2月11日作成続きを読む投稿日:2018.02.10
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